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湯野 |
AirH"対応の音声通話端末intelligentH"の第2弾。利用できるのは「つなぎ放題コース」のみだが、1つの契約で音声通話とAirH"によるデータ通信の両方が使えるのはありがたいところ。
しかし、日々端末を使用するユーザーにとっては、むしろ急速充電対応ということのほうがよほど嬉しい機能なのではないだろうか。PHS端末はみんな充電時間が長いというのは、本コーナーでRZ-J90をご紹介した際にも出てきた話ではあるが、このRZ-J700では約1.5時間となっており、RZ-J90の約7時間と比較すると格段に短くなっている。NTTドコモのパルディオ633Sあたりも約2.5時間と短いが、RZ-J700はさらに1時間も短くなった計算だ。ちなみに、RZ-J700は、急速充電に対応するためか、H"端末ではおなじみの非接触充電方式ではなくなっていたりする。
液晶もキレイだし、着メロも楽しい。端末として、あえて不満を言うなら、メール機能の物足りなさぐらいのものだろうか。POBoxをはじめ、昨今の携帯電話にはさまざまな文字入力サポート機能が搭載されているが、手軽に使える「ライトEメール」というサービスを提供しているDDIポケット向けの端末だけに、そういう機能がぜひ欲しいのだ。
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白根 |
feelH"にAirH"を追加したintelligentH"端末。同様の製品としてはパナソニックのKX-HV200とKX-HV50がある。KX-HV50があえてモノクロ液晶を搭載するなど、ビジネス向けのニーズにあわせたシリーズではあるが、RZ-J700もKX-HV200も6万5536色のTFT液晶を搭載するなど、十分なエンターテイメント機能を搭載しているといえる。
intelligentH"端末の最大の欠点はUSBケーブルを使わなければいけない点か。いまのパソコンならばまずUSB端子は備えているが、PDAはパソコンとつなぐUSB端子があるだけで、多くの場合はUSBのホスト機能はない。PDA重視の人は音声通話をAirH"と同じ契約の回線でさばくことはあきらめて、コンパクトフラッシュタイプを購入するとよいだろう。
RZ-J700は操作系統を全般的にアイコン化している。機能設定メニューでは第2階層以下もアイコン化されている部分が多く、たとえば設定がONとOFFのどちらになっているかがメニューアイコンで示されるというのが非常に気が利いていると思う。カスタマイズ可能な「カスタムファンクションメニュー」は機能設定メニュー内の項目とH"メニューの項目を混在させられるので、さまざまな使いっぷりに対応できるだろう。
ただ、たとえば着信メロディの設定画面で、メール着信音の設定などがリストアップされるのだが、ここでメール着信音を選択して「決定ボタン」を押すと全体の決定扱いになって前の画面に戻ってしまい、個々にメール着信音を設定するには「右カーソル」を押すようになっているなど、非常に細かい点ではあるが、少々独特な操作体系が採用されている部分がある。また、サブメニューの呼び出しがソフトキーではなくサイドボタンだったりすることがある。親指はカーソルと決定ボタン、その他の指でサブメニューボタン、と考えれば合理的なのだが、サイドボタンは握り方によっては押しにくいので、ちょっと気になった。しかし、多くの点で使いやすく工夫されているので、慣れてしまえばかなりすばやい操作が可能になると思われる。
あと、端末を持ったときに非常に「軽い」という印象を受ける。90gは現行の折りたたみ型端末としては、ツーカーのTK12に次ぐ軽さだが、最近の折りたたみ型はトップ側にサブ画面やカメラを内蔵し、重心がトップヘビーとなって開いて持ったときの重さが余計に感じられるだけに、RZ-J700は軽く感じられる。ちなみにRZ-J700の画面は解像度もサイズも大きいTFT液晶。色鮮やかでなかなかグッドな感じ。AirH"対応音声端末を求める場合、SDカード対応という強烈な個性をもつKX-HV200/50もあるが、大きな液晶で32和音メロディ対応のRZ-J700もよい選択肢となるだろう。
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松下 |
「RZ-J700」は「intelligentH"」のラインナップに属し、ビジネスユーザー向けの機能を追求した端末、という位置付けになる。しかし実際には、32和音の着信メロディや「Sound Market」に対応するほか、デジタルカメラユニット「Treva」を接続して写真撮影も可能で、市販のステレオヘッドホンでダウンロードしたメロディ(ステレオ対応コンテンツ)を楽しんだりと、決してエンターテイメント要素が乏しいわけではない。
殊にメール機能では、送受信したメールの本文をディスプレイ上で自動スクロールさせて表示できる「メールテロップ機能」を利用できるのが嬉しい。ただのテキストメールでも、画面が動くことでJavaアプリやコンテンツを見ているような雰囲気でメールが読めて、ちょっぴりリッチな感じすら味わえる。受信または送信メールの本文を表示させてから、サイドキーでサブメニューを呼び出して簡単に設定でき、設定すると映画のエンドロールのように画面下から上へ本文の文字行が流れていく。設定時には、表示文字サイズを3種類から選べるのに加え、スクロール速度も「早い」「標準」「遅い」に切り替えられるようになっている。
ただ、メニュー操作時におけるボタンの割りあてがやや独特で、画面下部には「C」と「H"」ボタンに割りあてられた機能(戻る/決定)を示す表示もあるのだが、それだけでは若干わかりにくく、「クリア」ボタンで前の画面に戻れないなど、最初は慣れるまで操作体系が扱いにくい印象を受けるかもしれない。しかしそれも慣れるまでの問題だと思う。
同じAirH"対応の音声端末としては、SDカード対応のH"端末「KX-HV200」と、その廉価版でモノクロディスプレイのビジネスユーザー向けモデル「KX-HV50」があるが、「RZ-J700」は「KX-HV50」のようにモノクロディスプレイで割り切るほどビジネス向けの志向は強くない。しかし、あくまでもH"ではなくintelligentH"のラインナップであり、エンターテイメントにも強いビジネス向けモデルを求めるならば、この「RZ-J700」をおすすめしたいと思う。
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