F903iがHIGH-SPEED(HSDPA)に対応して速くなって登場、という表現でいいのだろうか。外見的には、画面が横を向く独特のスタイルを踏襲しているものの、F903iよりは少しサイバーな印象になったように思える。ただ、今となっては、なぜF903iとF903iXを同時に発表したのか疑問が残る。F903iXが出るのが分かっていてF903iを買おうというユーザーがどれほどいただろう。よほど発表台数にこだわっていたのだろうか。
ともかく、F903iXの話である。端末としては、HIGH-SPEED対応でメディアプレーヤー機能に力が入ったモデルと言えるだろう。普通のiモードサイトを眺めているぶんにはあまり差を感じることもないだろうが、大容量のコンテンツをダウンロードする際や、フルブラウザでパソコン向けのサイトを見る際には、やはりHIGH-SPEEDの威力は絶大。さらにF903iXの場合、液晶を横向きに回転させられるので、動画の再生やWebブラウジングも快適だ。欲を言えば、これでワンセグに対応していたら最強に近いのだが、ヨコモーションという発想自体がワンセグ方面を向いているような気がするので、そこは次期モデルに期待しよう。
F903iとの違いで言えば、F903iXはGPSや3G国際ローミングに非対応ということで、それらの機能にこだわるユーザーには少々厳しい。それでも、FMトランスミッター機能を搭載していたりするので、毎日車を運転するという人にはいいだろう。また、富士通のお家芸のようになってしまった指紋センサーの存在は、おサイフケータイをヘビーに活用するユーザーにとっては大きなポイントだろう。