一見すると普通のケータイだが、日本の基準で言えば、スマートフォンに分類できるだろう。カールツァイスレンズ搭載のカメラは、かなり完成度が高いと思うが、どちらかというとスマートフォンであることに注目したい。
使い勝手は、W-ZERO3などのWindows Mobile搭載スマートフォンに比べると、「ケータイとして」使いやすい。やはりスタイラス前提ではなく、片手操作を前提に作られたUIは、「ケータイとして」は重要なポイントだ。ただし、メニュー構造などは海外モデルそのものなので、どのメーカーも似たり寄ったりな日本のケータイに比べると、かなり違和感を感じてしまう。ボタン配置も、日本の一般的なレイアウトとは大きく異なり、スティック型のカーソル操作も慣れが必要だ。ちなみに日本語入力はATOKを搭載しているようで、変換精度や予測変換も完成度は高い。
スマートフォンだけに、メニューカスタマイズの自由度も高い。待受画面がショートカットアイコン画面と直近のスケジュール表示画面を兼ねているあたりが、いかにもスマートフォンらしいが、これも使いやすいと思う。パソコンとのシンクロは、Bluetooth経由で行なえる。非公式の設定ファイルが必要だが、Mac OS Xとも連携しやすい。
非常に使い込みがいのあるケータイで、使い込めば、さまざまなことができるようになる。反面、使い込まないとその魅力が活かし切れない。「何でもGoogleで調べてやるゼ」というくらい、慣れと知識と根性がない人は、普通のケータイを選んだ方が無難だろう。しかし個人的には、ノキアの「S60」は、スマートフォンとしての完成度が高いと感じた。PDAとケータイの良いところ取りの端末を探している人は、ちょっと触ってみて欲しい。ちなみに、よりスマートフォンとしての魅力が強い「X01NK」の方は、法人限定で一般売りはされないという。いろいろな考えのあってのことなのかもしれないが、ソフトバンクには、もうちょっとノキアのスマートフォンの魅力を生かした戦略をとってもらいたいところだ。