薄さ18.2mmと、実は903iシリーズ最薄に仕上げられている「D903i」だが、「ボディが薄い」という印象はあまりない。それは、2.8インチという大画面のインパクトが強いためだろうか。大画面を堪能できる機能として、個人的には動画鑑賞をオススメしたい。横向き表示で見る動画コンテンツは、D903iならではの体験と言える。もっとも、動画コンテンツの調達自体に手間がかかるのだが。
三菱製端末のスライド機構は、D901iから続いているが、側面に配置されるボタンなどの変遷を見ると、その進化の様が読み取れて面白い。先代モデルのD902iSと比較した場合、D903iではワンプッシュオープンボタンが先端部付近に配されたほか、イヤホンジャックのカバーがスライド型になっている。どちらもD903iのほうが利便性が高まった、と思える変更で、着実にDシリーズのスライドが進化していることがわかる。
D903iならではの機能としては、FMラジオとFMトランスミッター機能が挙げられる。どちらも他キャリアの携帯電話では既にサポートするものがあり、目新しいとは言えないかもしれないが、ドコモ端末群の中では珍しい機能であり、ドコモユーザーにとっては魅力の1つになるだろう。もちろんFMラジオとFMトランスミッターの利用目的は異なるが、どちらか一方だけででも他にはない機能。FMラジオは通勤時などの移動中に、FMトランスミッターはWMAを車でも楽しみたい時に、という使い方になるだろうか。その使い勝手だが、FMラジオは専用iアプリを使う形となっている。よく利用するということであれば、ワンタッチ(中央の決定キー長押し)で起動するように設定しておこう。またFMトランスミッターの周波数設定は「設定(Setting/NW Service)」→「音/バイブ」というメニュー遷移でアクセスできる。
気になるところとしては、メニュー操作時に少々もたつきを感じられる点。また、ちょっと迷ったのは、903iシリーズの新機能である「きせかえツール」をどこから利用すれば良いのか、という点だ。待受状態で、方向決定キー(スピードセレクター)の上を押す、あるいはメインメニューから「データBOX」にアクセスして、「きせかえツール」という項目から選択することになるが、きせかえツールと似て非なる機能として、メニューアイコン関連の表示設定やトータルコーディネートが用意されている。メニューのカスタマイズは頻繁には行なわないだろうが、設定は1カ所にまとまると、より分かりやすいと思うのだが……。
というわけで、薄いケータイ、あるいはFMラジオやFMトランスミッター、そして2.8インチ液晶といった点にグッとくる方は、購入を検討するに値する端末だろう。ちなみに、現時点ではD903iだけで「マチキャラ」機能が楽しめる。ドコモダケ好きな人にとって、見逃せない機能であることをお伝えしておきたい。