ボーダフォン時代の804SSに続く、2機種目のサムスン端末だ。706SCとの姉妹端末となっているが、どちらも90gを切る薄型軽量コンパクトモデルとなっている。
最大の特徴は、やはりこのコンパクトデザインだろう。「全機能内蔵のハイエンドケータイ」ではなく、あえて他メーカーと方向性が異なる、コンパクトケータイを投入したあたりは、消費者としては選択肢が広がって、嬉しい限りだ。auやドコモにも見習って欲しいと、つくづく思う。
705SCを使ってみると、「コンパクト」と「スライドデザイン」の相性が良いと感じる。シャツの胸ポケットなど、取り出しやすいところに収納しておいて、メールを受信したら、「開く」というアクションなしで、すぐにメール本文を読める。ほかのケータイにはないスマートさだ。
メニューなどは日本的にデザインされていて、使っていて日本メーカー製端末との差は感じない。欧米メーカー端末と比べると、よく日本のケータイを研究し、ローカライズしている印象だ。ボタンの配列も、クリアボタンが中央など、日本の標準的なレイアウトにあわせてある。
ただ、ボタン部はシートタイプで、真っ平ら。本体が小さいこともあり、指の大きい人にはちょっと押しにくそうだ。スライドデザインなので、数字ボタンとカーソルボタンのあいだに段差があるが、薄型のせいで、段差はあまり気にはならない。
機能スペック面で見ると、それほど充実した端末ではない。メニュー周りのデザインも悪くはないが、ボタンやディスプレイが小さいなど、決して使いやすい部類に入る端末ではない。しかし、そういった面よりも携帯性を重視したい人には、十分に選ぶ価値のあるケータイだ。