宝石を意識したというデザインの810SH。そんな外観もそうだが、限定色を含め、用意された8色のボディカラーを眺めてみると、やはりメインターゲットは女性ということになるだろう。

　機能面では、910SHには及ばないものの、VGA液晶搭載でPCサイトブラウザ（フルブラウザ）やドキュメントビューアの利用も快適。GPS関連の機能やカメラのスペックに大きなこだわりがある場合は910SHということになるだろうが、実際のところ、普通に使うぶんには810SHでも全く問題ない。910SHとの比較で言えば、810SHは国際ローミングにも対応しているので、海外によく出かけるというユーザーなら、こちらの方がオススメだ。

　この秋のモデルから搭載が始まった「Yahoo! mocoa」や「S!ループ」「S!タウン」などの新たなコミュニケーションサービスについては、正直、なかなか評価が難しい。結局のところ、相手がどれだけいるかによって面白さ、楽しさが決まってくるからだ。

　もっとも、Yahoo! mocoaの場合、パソコンでYahoo!メッセンジャーを利用しているユーザーとコミュニケーションできるところは良い。携帯電話の場合、メールそのものがメッセンジャー的な使われ方をすることを考えると、携帯側からパソコン側のユーザーを呼び起こし、コミュニーケーションをスタートする際には便利なツールだ。

　基本部分はしっかりしている端末なので、姉妹モデルの811SHとあわせて購入を検討してほしい。

　811SHとは姉妹モデルで、機能やスペックを見ると、カラーバリエーションくらいの違いしかない。この810SHは女性向け、811SHは男性向けにデザインされているが、それぞれ、カラーによってはどちらでも使えそうなデザインとなっている。

　中身がほぼ一緒なので、どちらのモデルも、機能面で男女どちらか向けというわけではない。VGA液晶もおサイフケータイも、別に男女どちらか向けの機能というわけではないので、当然といえば当然だが。あえて言うなら、女性向けの待受画像やメニューデザインがないのが、ほかの女性向けケータイとの違いだろうか。

　型番の10の位が「1」の新シリーズで、この秋からの各種新サービス群にも対応している。新サービスに対応するだけでなく、VGA液晶やBluetooth、おサイフケータイなど、ほぼフルスペックといえるほど多彩な機能を搭載している。あとGPSに対応していれば完璧なのだが、今回シャープからはGPSケータイが登場していない。ここはちょっと残念だ。

　910SHと比べると、カメラスペックと「ホットステータス」対応などの点で劣るが、それ以外の点はほぼ同等となっている。カメラをそれほど重視しないなら、810SHと811SHの方が大きさも手頃で、有力な選択肢となるだろう。811Tもほぼ同レベルの機能を搭載し、さらにGPSまで搭載しつつ軽量だが、あちらはQVGA液晶で、おサイフケータイにも対応していない。どちらのスペックが自分に合っているか、じっくり検討しよう。

　姉妹モデル811SHとの違いは、デザインだけなので、どちらか好きなデザインを選べば良い。逆に言うと中身が同じなので、購入を検討している人は、セットで検討の対象とするべきだ。