毎年、少しずつではあるが、着実に進化を遂げているらくらくホンシリーズ。春(入学シーズン)のキッズケータイ、秋(敬老の日)のらくらくホンというローテーションなのだろう。その最新モデルとなるFOMAらくらくホンIII。外観としては、さほど大きな変化はなく、メインディスプレイ下の3ボタンも健在だ。
スペックとして注目すべき点は少ないが、同じ機能でも見せ方を変えるとこうなる、という部分が多く、そこは他の端末への応用も期待したいところ。例えば「ルーペ機能」。処理としては、単にカメラで映してデジタルズームしてるだけで、今までの端末でも十分に実現できた使い方だ。「手書き文字メール機能」もそうだが、ケータイをこんな風に使えるんですよ、と分かりやすくユーザーに提案するという意義は大きい。本当にちょっとしたアイデアだが、いつも手元に置いているケータイだけに嬉しい機能だ。
ちなみに、無指向性マイクと指向性マイクを組み合わせて騒音を除去する機能も搭載されており、これなどは他の端末にも搭載していいんじゃないかと思う。
一つ提案することがあるとすれば、振り込め詐欺のような事件が多発し、お年寄りがターゲットにされているという現状を考えると、そんな事件に巻き込まれないようにユーザーを守るような工夫が欲しい(どちらかというと、固定電話の方が必要かもしれないが)。きっと通信事業者やメーカーにできることはまだまだあるはずだ。