最近の70Xiシリーズは、半年ごとに登場しているが、基本的に各メーカーともに、前モデルと競合しないような、全く異なるコンセプトの端末を投入している。三菱製端末も、前モデルのD702iが硬派なストレート端末だったのに対し、D702iFは完全な女性向け端末としてデザインされている。この変わり身が、なんとも素晴らしい。
デザインコンセプトは、「女性が通話しているときに、よりキレイに見えるもの」だとか。爪を思わせる上端がとがったデザインは、たしかに女性の手にマッチしそうだ。とくに「ライラック・ミラージュ」の表面プリントは、ネイルアートのようにも見える。外面だけでなく、メニューデザインやiアプリも女性向けとなっている。ケータイは、普段から持ち歩き、ときには顔に近づけて利用するものなので、考えてみると男女が同じデザインを使っているというのは、ファッションの面からするとおかしい気もする。そういったことを考えると、女性向けにデザインされたD702iFは、かなり面白い端末だと思う。
使い勝手の面は基本的に従来通り。ただし、ディスプレイが2.0型と小さめなので、視認性はちょっと劣る印象を受ける。その代わり、重さは97gと現行端末としてはトップクラスの軽さなので、女性でもポケットに入れやすいのではないだろうか。スペック上のサイズはちょっと大きめだが、それは曲面を多用したデザインのせいで、実際に手を取ってみるとコンパクトに感じる。先端のとがったデザインも、ポケットなどに放り込みやすそうだ。
機能重視・サイバーなデザイン希望な男性には向かない端末だが、それだけに女性に特化されていて、女性が使ったときにキレイに見えるのがうれしい端末だ。同じような女性向けデザインの端末としては、NEC製のN702iSもあるが、あちらが「置いたときに映えるインテリアのようなデザイン」を重視したのに対し、D702iFは「女性が手にしたときにキレイに見えるデザイン」となっているのが面白い。デザインにこだわる女性は、両端末ともに選択肢に入れておいて、実際に店頭で手にとってそのデザインを確かめるべきだろう。