レビュー
「ハローキティフォン」ファーストインプレッション
「ハローキティフォン」ファーストインプレッション
形はキワモノだが十分実用的な通話専用ケータイ
(2016/5/26 12:16)
オーラが26日に発売した「Hello Kitty FIGURINE KT-01」(ハローキティフォン)。サンリオのキャラクター「ハローキティ」をかたどった斬新なデザインが目を引くが、テンキーを搭載した折りたたみ式で、通話に特化しIP電話も利用可能と、機能面でも一風変わっている。一足先に入手したので、その特徴を写真で見ていこう。
身長は「リンゴ1個分以下」、意外と持ちやすいフォルム
初期のハローキティのデザインを取り入れた正方形のパッケージを開けると、こちらを向いたハローキティが現れる。
パッケージにはオーラがMVNOとして提供するSIMカードが同梱されており、別途申し込むことで、IP電話も利用できるハローキティフォン専用の通信サービスが利用できる。対応言語は日本語、英語、中国語で、3言語のクイックガイドが用意されている。
本体はしっかりと成型されており、綺麗に塗装されている。ハローキティのリボンにLEDランプが仕込まれていて着信時やチャージ時に点灯、点滅する。閉じた時の大きさは約58×41.5×78.4mmと、ポケットにもすっぽりと収まるコンパクトなサイズだ。身長(高さ)はリンゴ1個分よりも小さい。重さも約74gと軽く、ストラップとしてカバンにつけられるサイズだろう。
足裏(本体下部)のヒンジ部の根本の部分に、microUSB端子とトレイ式のmicroSIMスロットが詰め込まれている。SIMスロットは専用のピンで押し出す方式だ。小さい筐体に詰め込まれているからか、この部分の作りには若干の不安を感じる。
ヒンジ部は回転の途中で固定できず、閉じた状態と180度に開いた状態のみだ。開くと上部にディスプレイ、下部はテンキーとなる。ディスプレイは1.54インチで240×240ドットと、高画質とはほど遠いが、通話用に使うには差し支えないだろう。テンキーは幅10mm程度と小さいが、キー間隔があって浮き出ているために押しやすい。
意外だったのが、ハローキティの後ろ半分に当たるテンキー部分が持ちやすいこと。上部が凹んでいて丸みを帯びているためか、手にフィットする。通話しているときはキティの顔が表面に出る設計だ。
IP電話のためにデータ通信に対応
搭載している機能は通話、SMS、電話帳のみと潔い。待受画面では、テンキーの上下が音量変更、左が着信履歴で右がSMS機能のショートカットになっている。
通話は090/080/070番号のほか、050番号のIP電話機能も利用できる。090番号とIP電話も同時に待受可能で、発信時には、あらかじめ選んだ方の番号が使用される。モバイルネットワークは3G(W-CDMAの800/2100MHz帯)と2Gをサポート。SIMロックフリー仕様となっており、APNの設定項目も用意されている。
IP電話は(ソフトウェアアップデートを除いて)この端末で唯一データ通信を使う機能。モバイルネットワークのほか、Wi-FiやスマートフォンのBluetoothテザリングで利用できる。3G通信で遅延時間が1~2秒程度と、IP電話としては一般的な水準だ。IP電話機能は「ハローキティフォン」専用のSIMカードで提供するもののみサポートされているが、端末自体には「SIPアカウント」の設定項目があり、ユーザーの自己責任とはなるものの、別途追加することもできるようだ。
SMSはチャット風のUI。画面が小さいため、全角7文字で4行程度までしか一覧できないので、じっくり使い込むのには向いていない。テンキーでの文字入力は十字キー中央のボタンで日本語、英語、数字をトグルできる。
連絡先は本体で登録することもできるが、スマートフォンからBluetooth転送するか、SIMカードの連絡先を読み込むこともできる。連絡先やメニュー画面のアイコンには、ハローキティのテイストが盛り込まれている。
キワモノらしくない実用性、コンテンツに物足りなさ
一見おもちゃのように見える「ハローキティフォン」だが、小型軽量で持ちやすく、押しやすいテンキーと、「2台目の通話専用端末」としての機能は十分満たされているようだ。通話関連で気になったのは、センサーが搭載されていないため通話中に端末を閉じても通話終了とならない点と、090番号と050番号どちらに着信したのか着信画面からわからない点。
それよりも、改善を期待したいのは内蔵のコンテンツだ。キャラクターコラボの製品らしくハローキティの壁紙がプリセットされているが、壁紙は変更できないようだ。着信音はハローキティフォンオリジナルと思われるものが3種類プリセットされている。正直やや物足りないが、製品アップデートも予定されているようなので、コンテンツの追加には期待したい。
しかし、そもそも本体の形が「ハローキティ」そのもので、ハローキティファンが普段持ち歩くにはこれだけで満足かもしれない。今までのキャラクターコラボ端末とは違った形で、キャラクターへの思い入れを感じる製品だ。
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