レビュー

「HUAWEI Y6」ファーストインプレッション

「HUAWEI Y6」ファーストインプレッション

1万円台半ばのAndroidスマホの実力

HUAWEI Y6

 ファーウェイが4月に発売したAndroidスマートフォン「HUAWEI Y6」は、LTE対応のSIMロックフリー端末としては1万5980円(税別)と低価格なところが最大の魅力となる。今回はそんなHUAWEI Y6のファーストインプレッションをお届けする。

オーソドックスなデザイン

 まずは外観だが、スマートフォンのデザインとしては非常にオーソドックスで古典的とも言えるスタイル。最新のフラッグシップモデル「HUAWEI P9」など、ここ最近のファーウェイの上位モデルは金属素材を使用して上質感が演出されているが、Y6はプラスチック素材ということで、そこまでの高級感は無い。

 ただ、背面パネルを外して電池パックを持ち上げることでSIMカードスロットに簡単にアクセスできるところは、こうしたオーソドックスな作りの端末のメリットの一つ。海外出張などで頻繁にSIMカードを交換するというユーザーにとっては、SIMトレイを引き出すためにピンが必要な同社の上位モデルやiPhoneよりも使い勝手がいい。

値段相応のスペック

搭載しているRAMの容量が少ないため、「端末アクセラレータ」をうまく活用したい

 次に気になるのは性能面。やはり価格を1万5980円に抑えるためには、それ相応の取捨選択が行われている。チップセットはエントリーモデル向けのSnapdragon 210 MSM8909(1.1GHz、クアッドコア)でメモリー(RAM)容量は1GBと、Android 5.1を動かすにはギリギリのスペック。メールやブラウザ、Twitter、Facebook、マップといった風に、複数のアプリを切り替えながら使おうとすると、アプリの起動ごとに時間がかかるなど、動作にややもたつきを感じることになる。

 幸いなことにファーウェイのスマートフォンには「端末管理」というアプリが標準搭載されており、同アプリの「端末アクセラレータ」という機能を利用すれば、メモリーの使用状況を把握できるので、アプリをこまめに終了する、不要なアプリをアンインストールするといった使い方の工夫で克服したい。

「Simple UI」に切り替えたところ

 スマートフォンの操作に慣れた人ほどこうしたモッサリ感にストレスを感じることになるのだと思うが、そもそもそんなにいくつもアプリを併用しないというような年配のエントリーユーザーにとっては、じっくり自分のペースに合わせて操作できるという面もあり、実はさほど気にならないのかもしれない。

 ホームアプリとして、電話、メッセージ、カメラ、音楽など、よく使われる機能だけを時計や天気予報とあわあせて表示できる「Simple UI」もプリセットされており、シニアユーザーにも配慮されている。

エントリークラスながら随所に工夫

撮影サンプル

 メインカメラは800万画素ということで、エントリークラスのモデルとしては標準的なスペック。インカメラは200万画素で、ファーウェイお得意の「ビューティーモード」での撮影にも対応する。このクラスの端末には珍しく、F2.0の明るいレンズを装備しており、暗い場所での撮影にも強いとされるが、実際に薄暗い場所で撮影してみると、他の800万画素クラスの端末とさほど違いは感じられなかった。

 細かなところでは、iPhone同様、スピーカーが背面ではなく端末下部に搭載されているため、テーブルに置いたままでも音が小さくなることがない。端末を横にして両手で挟み込むように持って動画を見るような場合は、スピーカー部を手のひらで塞いでしまわないように注意しよう。塞ぐと言えば、HUAWEI Y6には端末下部と背面のカメラの横に2つのマイクが搭載されており、それらを使って通話時にノイズキャンセルを行う仕組みになっているので、通話の際にはそれらを塞がないようにしていただきたい。

こんな使い方もアリ?

 すでにスマートフォンを使いこなしているのであれば、ファーウェイでいうと、「HUAWEI GR5」や「HUAWEI P8lite」といったミドルレンジより上の端末をおすすめしたいが、1万円台半ばの端末としてはよくできており、通話やメール、カメラといったフィーチャーフォンの延長線上としての活用を検討しているユーザーにとっては、かなりコストパフォーマンスが高い端末と言える。

 もっとも、ヘビーユーザーは全くの対象外かというとそうでもなく、LTE対応でテザリング機能は他のスマートフォン同様に利用できるので、モバイルルーター代わりに活用するという手もある。Wi-Fiテザリングだと2200mAhという容量が若干心許ないが、Bluetoothテザリングであればかなり電池はもつ。考え方ひとつでこの端末の見え方も変わってくるはずだ。

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