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1日8000歩と早歩き20分でTポイント、トーンモバイルが健康サポート拡充

 トーンモバイルは、スマートフォンの「TONE」で提供している健康管理機能「ライフログ」をアップデートし、医学博士の青柳幸利博士が監修する、歩数や活動量の指標を用いた健康管理機能を提供する。1日8000歩と早歩き20分を達成するとTポイントが1日1ポイント付与される。

 スマートフォンの「TONE」ではすでに、「ライフログ」機能で歩数や消費カロリー、活動量を計測でき、「TONE m15」ではカメラとフラッシュを利用して心拍数も測定できる。計測結果は家族で共有することもでき、離れて暮らす家族の活動を確認できる見守り機能としても利用が可能になっている。

 今回の「ライフログ」機能のアップデートでは、東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム 副部長で医学博士の青柳幸利氏が、同研究所の大規模な研究である中之条研究の結果(中之条メソッド)を元に提唱している「メッツ健康法」が取り入れられている。

 中之条研究は、1日の平均歩数および“中強度”の活動時間と、有病率・発症率の関連性を調べたもので、研究の結果として、「1日8000歩、早歩き20分」を続けると、生活習慣に関わる10の疾患の発病リスクを10分の1に抑えられるとするもの。研究は、群馬県中之条町の65歳以上の全住民5000人を対象に、加速度センサーを備えた装置を入浴以外で24時間365日装着して計測したもので、15年以上継続して調査された。

 「TONE」の「ライフログ」機能のアップデートでは、具体的には、ユーザーの年齢の設定に応じて1日に必要な歩数と活動量が自動的に割り出され、不足量や傾向がアプリ上で確認できる。また、1日8000歩と、早歩きなどで中強度の活動が20分を超えると、1日あたり1ポイントのTポイントが付与される仕組みが用意されている。今後は付与ポイントを増加するキャンペーンやイベントなども検討されている。

大規模研究のデータを適用、「若い世代の老化予防にも」

 トーンモバイルは、2015年11月の発表会で明らかにしたように、スマートフォンやサービスの開発コンセプトを「安心品質」に集中させており、家族間での利用やサポートの充実、プランの簡素化、低価格化などさまざまな軸で「安心品質」を謳っている。今回の「健康」をテーマにした取り組みも、安心品質に対する取り組みの一環という位置付けになっている。

 17日に都内で開催された発表会で、代表取締役社長 CEOの石田宏樹氏は、青柳博士の論文や中之条メソッドに感銘を受け、ライフログ機能をアップデートするに至った経緯が語られた。ライフログ機能は、収益源としてビジネスには直接結びつけておらず、「ニーズに基づき、(健康管理を含めた)生活相談のようなサービスをできればいいと思っている」(石田氏)と将来の展望を語っている。

トーンモバイル 代表取締役社長 CEOの石田宏樹氏

 発表会には医学博士の青柳幸利氏も登壇した。青柳氏は中之条研究の概要を解説した上で、「中之条の研究ではセンサーのデータをUSB経由でパソコンに取り込んでいたが、これからは『TONE』でやればいいのではないか、ということ。全国で使われることで、分析により新しい知見が生まれるのではないか」と期待を語り、「モチベーションとしてのポイント制度もいい」と具体的な取り組みも評価した。青柳氏は、「すべての年齢の方にとって良いことで、メタボが気になりはじめたような、比較的若い世代が老化予防に備えるのにもいい」と、高齢者だけでなく幅広い世代で活用できる機能としている。

医学博士の青柳幸利氏

 発表会の中ではこのほか、石田氏から「TONE」のTSUTAYAでの販売が2月後半から本格化することが説明された。総務省のタスクフォースやガイドラインについては、元々トーンモバイルの戦略に組み込まれている内容として、「戦略に変化は無い」とする。一方、通信速度の実効速度を併記するといった方針には、「運用情報は公開していく」と、方針に沿う意向を示している。

発表会場となった代官山 蔦屋書店 3号館2階のスマートフォンコーナー。トーンモバイルも置かれている

太田 亮三