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グローバルのスマホ販売台数、4Gモデルが半数以上に

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK)は、2015年第2四半期(4~6月)におけるグローバル市場でのスマートフォンの販売動向調査を発表した。調査は世界90カ国以上でのPOSシステムによる販売実績データをもとに推計したもの。

 2015年第2四半期のスマートフォン販売台数は3億200万台となり、前年同期より5%増加している。特に伸び率が高かったのは、インドをはじめとするアジア大洋州地域(APAC)の新興国と、中東・アフリカ地域。グローバルでの販売金額は、前年同期比7%増となる924億ドル。

 8月にはインドで4Gサービスが開始されたことにより、すべての主要国で4Gが利用できるようになった。同期のグローバル販売数のうち、58%が4Gに対応したモデルとなっている。

 インド市場では中国メーカーが複数参入し、現地メーカーとの販売競争を繰り広げている。GfKでは、インドのスマートフォンの競争激化によって、より安価で高性能な端末が登場すると予測している。

 中国については、販売台数ベースでは10%減と、前期に引き続き減少となったものの、500ドル以上の高価格帯モデルの需要が強く、販売台数の17%が高価格帯モデルとなっている。市場トレンドとなっているスマートフォンの大画面化は、中国で特に進んでおり5インチ以上のスマートフォンが販売数の63%を占めている。

 日本、オーストラリア、香港、ニュージーランド、韓国などを含むアジア大洋州地域の先進国では、前年低迷していた日本市場での販売が押し戻し、同期比15%増となったことが大きく影響し、全体としては6%の増加となった。

 北米市場では、500ドル以上の高価格帯モデルと250ドル以下の低価格モデルに需要が集中する二極化現象が進んでおり、高価格帯モデルの販売構成比が前年同期比5%増の43%となった。

 西ヨーロッパ市場は飽和状態に近く、低価格帯のモデルの販売が増加し、台数ベースで市場の約半数を占めている。特に北欧地域ではLTE対応スマートフォンの普及が進んでおり、LTE普及率はノルウェーで90%、デンマークで89%、スウェーデンは88%となっている。

 中央・東ヨーロッパ以上は、経済的な要因もあり、ロシア(11%減)とウクライナ(34%減)と販売が落ち込んだ。

 急速に成長していた中南米市場は、ブラジルの景気低迷により著しく落ち込む結果となり、前年同期比1%増にとどまった。

 GfKでは、2015年通期でのグローバルでの販売数量を前年比6%増加の13億台と予想している。

石井 徹