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激増するIoT時代に開発時間の短縮狙う、「Bluetooth Developer Studio」
(2015/5/29 15:39)
最初は年間80万台だった出荷台数が今や31億台、そして4年後には44億台まで膨れあがる。一方でBluetoothの仕様書は4000ページにもおよび、内容を確認するだけでも時間がかかる――そんな状況に対する解決策の1つとして、Bluetooth SIGが4月にリリースしたのが、「Bluetooth Developer Studio」(β版)だ。
ドラッグアンドドロップでプロファイルを組み合わせ、仮想環境でテストできる開発キットで、開発にかかる期間を短縮できるとBluetooth SIG テクニカル プログラム マネージャーのビンセント・ガオ氏はアピールする。
無料で配付されている「Bluetooth Developer Studio」は、画面の右に、作例とも言えるプロファイルが並び、好みのものを組み合わせて機能を整える。そのうえで、ハードウェア向けのソフトウェア、そしてAndroid向けアプリなどクライアント側のアプリのコードを自動生成してくれる。生成するコードの言語はユーザーが手動で選ぶ形で、C言語やObjective-Cなどを選べる。開発ボードを提供するメーカーからは自社製品用のコードを生成できるプラグインも提供され、開発者自身がプラグインを作ることもできる。
機能はドラッグ&ドロップで選んで組み合わせる。サンプルやチュートリアルなども用意され、オンライン上のレポジトリ(データ置き場)を他の開発者と共有することもできる。そうして作り上げたアプリケーションは、サーバーサイド、クライアントサイドと2つの仮想環境が用意され、テストすることもできる。問題がなければ開発ボードにソフトを書込み、スマートフォンにアプリをインストールして実際のハードウェアを使ったテストに移る、といった形だ。現在は英語版
最新版のBluetooth 4.2に対応し、今後登場する新バージョンもサポートする予定。夏には正式版が登場する予定で、その頃には「Bluetooth Developer Studio」に今後盛り込まれる機能も開示される。Bluetoothは、現在、リストバンド型活動量計など、健康管理分野での利用が伸び、今後は家庭内で利用される通信機器、いわゆるスマートホームでの成長が期待されている。
ガウ氏によれば、Bluetooth SIG内では、Bluetooth Smart対応機器を相互接続できるようにする「Bluetooth Smart Mesh」の策定に向けて、ワーキンググループが発足したとのこと。
プロトタイプは2015年末、正式な採択は2016年上旬~中旬になる見込みで、現時点では詳細はまだまだといった段階だが、今後、IoT時代を見据えた新たな機能として盛り込まれる見込み。そうした時代に向け、新製品や新たなサービスの登場を促進するものとして、「Bluetooth Developer Studio」が役立つ、と期待されている。