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KDDIから衛星通信のモバイルルーター、いつものスマホをどこでも

 KDDIは、イリジウム衛星対応のモバイルルーター「イリジウム GO!」を12月5日に発売する。

 イリジウムは、地球を周回する人工衛星経由で通話できるサービスで、上空780kmに66基の衛星があり、全世界で利用できる。イリジウムサービス対応の携帯電話同士の通話であれば、衛星のみを経由して通話し、大規模災害時でも通話できる。

 今回発表された「イリジウム GO!」は、衛星通信でネットに繋がるモバイルWi-Fiルーター。大きさは119.8×81.7×33.4mmで、最近のモバイルルーターと比べてやや厚みがあり、大きなアンテナが目をひく。大規模災害で、携帯電話のネットワークが利用できない場所でも利用でき、防水・防塵性能をサポート。そのスペックは、米国国防総省の規格、いわゆるMILスペック(MIL-STD-810F)に準拠する。

 災害時のほか、海の上など、携帯電話が利用できないエリアでも普段使っているスマートフォンやタブレットで、音声通話やショートメッセージ、GPSによる現在地情報などが利用できる。通信速度は2.4kbps。最長20mのアンテナを接続することで、屋内にいながらにして利用することもできる。

 利用料は、契約料が1万円(免税、以下同)、月額利用料が5000円(1000円分の通信料含む)。通信料は、固定電話や携帯電話宛ての電話が20秒63円、イリジウム衛星携帯電話宛が20秒40円、その他の衛星通信端末宛が20秒572円。専用アプリが用意され、同アプリからTwitterが利用できる。データ通信量は、固定電話・携帯電話宛と同じ20秒63円。SMS送信は1回につき58円。電話着信やSMS受信は無料。

 専用アプリを起動して、接続に成功すれば他のアプリも使用できる。ただし、先述の通り、通信速度が2.4kbpsとなるため、離れ小島や深い山あいを訪れて謎めいたエネルギーを噴出する場所を訪れるといったゲーム、あるいは現代的なWebサイト、アプリの利用は、厳しい面があると見られる。また基本的に個人では購入できず、法人向けに提供される。

関口 聖