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京セラが国内向け端末を解説、北米戦略も

京セラ 通信機器関連事業本部 マーケティング部長の能原 隆氏

 京セラは、2013年の冬に発売するスマートフォンをはじめ、フィーチャーフォンやPHS端末を解説する説明会を開催した。

 最初に登壇した京セラ 通信機器関連事業本部 マーケティング部長の能原 隆氏からは、2013年に展開した京セラの携帯電話・スマートフォンのラインナップ全体のほか、10年に渡って続けている北米での携帯電話事業と戦略が解説された。

 京セラが2013年に発売するモデルは、国内向け、海外向けを含めてすべて発表されており、今年は30機種をラインナップした。これは、2012年の倍とのこと。また、スマートフォンは15機種で、ラインナップの半分を占めた。スマートフォンのうち、9機種は北米で展開されたモデルになっている。

 画面全体を受話用のスピーカーとするスマートソニックレシーバーは国内7機種、海外7機種の合計14機種に搭載され、ユーザーからの評価も高いことから、能原氏は「音声通話でもまだまだ改善の余地がある」とし、より高いユーザー体験になるとした。

 京セラのシェアについては、米国における1~9月のシェアは6%で4位につけていることを紹介。国内の上期(4~9月期)では、携帯電話が10.3%で4位、PHS端末は75%で1位のシェアとなっている。能原氏は、「スマートフォンが普及した今だからこそ、PHSの音声端末にもチャンスがある」としており、スマートフォンと組み合わせた利用を積極的に提案している。

 同社は、海外を含めた2013年度の出荷台数の目標を1200万台としており、「上期が終わって、順調に推移している」と目標達成に自信を見せている。

京セラの2013年のラインナップ
北米、国内でのシェア

 京セラが日本のメーカーとして特徴的なのは、北米で10年に渡って事業を展開し、一定のシェアを確保している点。能原氏は、米国では収入の違いにより利用者層が分かれているとし、高機能な端末でポストペイド、普及価格帯のモデルとプリペイドという二極化が進んでいるという。そのプリペイド端末は、これまでフィーチャーフォンが主流だったものの、スマートフォンへの需要が高まっていることを受けて、京セラはプリペイド向けのスマートフォンを投入。CPUなどのスペックを追求するのではなく、防水性能を実現するといった実用性を重視したラインナップにし、当初に投入した3機種は累計で300万台を販売するなど好評を得ているという。

 また、「Kona」シリーズなど、フィーチャーフォンも新たに投入しており、「ユーザーからの要望がある限り、フィーチャーフォンも用意していく。これは国内でも同様」と語った。現在米国で販売しているモデルは半数以上がフィーチャーフォンとのことだったが、プリペイド向けにもスマートフォンを投入したことで、スマートフォンが拡大する見込みという。

 米国向けでは、防水性能に加えて耐衝撃性能も実現した「Hydro XTRM」(ハイドロ・エクストリーム)が、新たに米T-Mobileの法人向け端末のラインナップに加わったことが紹介されたほか、「端末が売れるための仕組みも必要」として、イギリスの冒険家、ベア・グリルスやルチャリブレの選手を起用したCMを作成、流通や店頭に特化した訴求ツールを作成し拡販に努めている様子も解説された。

 能原氏からはこのほか、今後非常に大きな市場になるとするM2M市場にも注力していく方針が示された。すでに国内向けに納入しているM2Mモジュールをグローバル展開する計画で、Telenor Connectionと提携し営業・マーケティング活動を強化していく。

持ちやすさを追求した「DIGNO M」

京セラ 国内第1マーケティング部 商品企画課の辻岡正典氏

 日本国内向けに展開される端末では、まずauのスマートフォン「DIGNO M」が紹介された。現在のスマートフォンのハイエンドモデルでは、大画面化、電池の大容量化が進む一方で、持ちやすさや軽さが失われつつあるとし、「DIGNO M」では相反する要素を両立させたという。同社では、手の中で薄さや持ちやすさを感じるポイントを分析し、幅69mmのボディに狭額縁で大画面を搭載。滑らかなカーブを描く背面は端が3mmの薄さになっており、なおかつ搭載される電池の容量は「DIGNO S」よりも増加するなど、持ちやすさに徹底的にこだわった様子が解説された。同社は薄さ3mmの端を「ミニマムエッジ」と名付け、これが「DIGNO M」の「M」の由来になっているとした。

 また、本体重量は発表当初より1g軽量化された134gで、単一電池よりも軽いとしたほか、ロック画面やアプリランチャーをはじめ、さまざまな場面のUIで、片手での操作に適した機能を搭載。急速充電に対応した卓上ホルダーをパッケージに同梱た点や、カメラ機能、Dolby Digital Plus、DTCP+もサポートしたDLNAによるレコーダー連携機能などが紹介された。

 説明会ではこのほか、auのフィーチャーフォン「MARVERA」「あんしんGPS」、ウィルコムのPHS端末で、スマートフォンとの連携機能を強化した「LIBERIO 2 WX11K」「WX12K」が紹介された。

「MARVERA」
「あんしんGPS」
「LIBERIO 2 WX11K」
「WX12K」

会場に展示された端末

「DIGNO M」
「あんしんGPS」
「MARVERA」
「LIBERIO 2 WX11K」
「WX12K」
米国向け端末

太田 亮三