KDDI、「GALAXY S II」で国内初のNFCサービス提供


 KDDIは、2012年1月下旬より、モバイルNFC(TypeA/B)サービスを開始する。国内携帯で初めてNFCサービスが利用できるようになる。

 auの春商戦に投入するグローバルモデル「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」(サムスン製)には、海外モデル「GALAXY S II」と同様にNFCが搭載されている。NFC(Near Field Communication)は、非接触IC技術を使った近接無線通信方式。国内で広く普及するFeliCaもNFCの一種だが、「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」で採用されるのはType A/B方式となる。

 このため、おサイフケータイとして提供されているFeliCaのサービスは基本的には利用できず、KDDI側の担当者は「サービス提供者側が提供すれば……」と説明するにとどめている。発表会では、TSUTAYAなどで展開される店頭器材にタッチすると映画情報が入手できるサービスなどが紹介されており、このサービスではタッチによってURLがスマートフォン側に送られる。

 また、今春以降、JAL(日本航空)のチケット購入や、セブン・カードサービスの電子マネー、クレジット会社がNFCサービスなどがサービス展開される予定となっている。

 なお、おサイフケータイのFeliCaは、端末の内部にあるFeliCaチップに記憶領域があり、この中に情報が格納されている。「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」のNFCは、SIMカード側の記憶領域がある。auでは2011年4月より、SIMカード側に記憶領域のあるバージョン2のSIMカードを提供しており、「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」の購入者がバージョン2でない場合は、SIMカードも契約に併せて交換される。

 KDDIの説明員によると、FeliCaをグローバルのNFCと互換するようSIMカード側に記憶領域を持たせる変更を検討しているが、技術的なハードルはかなり高いという。携帯各社は12月、「モバイル非接触ICサービス普及協議会」を設立しており、サービス環境整備を図っていく方針だ。

 




(津田 啓夢)

2012/1/16 17:17