ドコモのスマートフォン新機種に「Evernote」プリセット
8日に開催されたNTTドコモの2010年冬~2011年春モデル発表会で、米Evernoteのクラウドサービス「Evernote」のアプリが、ドコモのスマートフォン新機種に標準搭載されることが明らかにされた。あわせて、ドコモのAndroid搭載スマートフォンユーザー向けに、1年間のプレミアム(有料サービス)アップグレードが提供される。
Evernoteは、ブラウザや専用アプリからアクセスして、サーバー上に写真やテキストなどを保存できるサービス。さまざまなデバイスから、同じデータにアクセスできる“クラウド”サービスの1つとして、先端ユーザーを中心に支持されている。無料でも利用できるが、“プレミアム”と呼ばれる有料会員は月ごとのアップロード容量が最大500MB(無料は40MB)に拡大し、オフィス文書や動画などが扱える。また全てのデータがSSLで暗号化される。プレミアムサービスの利用料は月額5ドル(約406円)か年額45ドル(約3655円)となる。
今回、ドコモのスマートフォンに提供されるアプリは、Android向けアプリの最新版(バージョン2.0)で、ユーザーインターフェイスが変更されたほか、Androidの「インテント」と呼ばれる機能を使い、他の機能との連携強化が図られている。たとえばWebブラウザを使っている最中に、インテントによって、EvernoteへWebページを記録(クリッピング)したり、カメラで撮影した画像はインテントでEvernoteアプリに渡してサーバーへ保存したりできる。またAndroidのマルチタスクを活かし、定期的にサーバーへアクセスして、自動的にデータを同期することもできる。
Evernoteのリービン氏 | ドコモの山田社長(左)と握手 |
プレミアム会員限定の新機能は、オフラインでもデータを扱えるようにする「ローカルキャッシュ」となる。これは、同期を行う際、サーバー上のデータを端末内に一時保存しておくというもの。無料会員は常に通信してサーバー上のデータを扱うことになるが、プレミアム会員であれば圏外でも端末内のデータを編集・閲覧できる。変更履歴も記録され、過去に編集したデータへ遡ることもできるという。
今回の発表会では、簡単な登録を行うだけで、その登録日から1年間、無料でプレミアム会員としてサービスが利用できることが明らかにされた。新機種だけではなく、既存のドコモのAndroid端末も含む形となっている。既存端末は11月8日夜からバージョン2.0アプリが利用できる。既にプレミアム会員となっている場合は、プレミアム会員の適用期間が1年間、延長される。
発表会に登壇した、Evenote CEOのフィル・リービン氏は、ドコモとの協力体制を歓迎する姿勢を示したほか、「ドコモはiモードベースの巨大な顧客を抱え、スマートフォンにも積極的で、グローバルにおいても重要な位置を占めており、最高のパートナー。今回、ドコモの技術陣と協力することで、新バージョンのアプリでは最高の使い勝手を実現した。新アプリは完全に作り直したもので、魅力的かつパワフル。これまでのモバイル版アプリの中で最強だ」と述べ、新アプリの使い勝手に自信を見せた。また同氏は、ショッピングや決済など従来の携帯電話の進化で生み出されたサービス・機能や、現在台頭しつつあるスマートフォンの2つの世界が交わろうとしているとも指摘していた。
スマートフォン向けサービスに続き、iモード向け「Evernote」は12月初旬にも提供される見込みで、8日に発表されたiモード向け「ドコモマーケット」で配信される。
2010/11/8 19:19