EMA、コミュニティサイト認定基準を一部改定


 モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)は、SNS(ソーシャルネットワークサービス)などを対象にした「コミュニティサイト運用管理体制認定制度」の認定基準と、あらましを説明する概説書の一部を変更した。

 「コミュニティサイト運用管理体制認定制度」は、2008年7月より運営されている制度。2007年暮れに、総務省が主導する形で青少年ユーザーへのフィルタリングサービス原則適用という方針が打ち出されたことに対し、民間主導で携帯向けコンテンツの健全化などを図る目的で、有識者がコンテンツプロバイダらによって2008年4月にEMAが設立された。

 今回の改定は、総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」の第二次提言(5月26日発表)を受けて行われたもの。同提言では“児童誘引行為等のトラブル抑止・防止対策”として、SNS内でユーザーがやり取りするメッセージ(ミニメール)の内容確認や、ユーザーに対する年齢認証の確実化が挙げられている。ミニメールの内容確認は、憲法で保証された「通信の秘密」を侵害することになるが、第二次提言では「運営側ユーザーから同意を得ることで、ミニメールの内容確認が実施できる」としており、EMAの認定基準改訂版ではユーザーから明確な同意を得られるように、措置を講じることを求めている。概説書では、通信の秘密に配慮しながら同意を適切な手段で得ることなどが示されている。

 また年齢認証の確実化は、大人が青少年のふりを、青少年が大人のふりをして、機能制限を免れるといった弊害を解消するため、総務省の研究会では、キャリアからCGM事業者へ年齢情報が提供されているとユーザーが容易にわかること、あるいはCGM事業者が年齢情報を活用する際は周知を図ったり、適正に取り扱ったりすることが必要と指摘している。EMAの概説書では、ユーザーの年齢情報を活用する際にはプライバシーが保護されるよう配慮を求めること、青少年の犯罪被害防止の実効性を高めるよう努力を促している。

 このほか、EMAでは今回の改定にあたり6月中に受け付けていた意見についても公開している。

 



(関口 聖)

2010/7/29 12:52