東京都、子供のフィルタリングサービスに関する調査公表


 東京都は、小中学生が利用する携帯電話のフィルタリングサービスに関する調査結果を公表した。

 調査は、小中学生の子供に携帯電話・PHSを持たせる保護者300名に対して実施された。調査期間は1月29日~2月3日で、調査はインターネットパネルによるネット調査が採用された。有効回答の内訳は、小学4~6年生の保護者150名、中学生の保護者150名。各学年で男女21~27名ずつを抽出し、男女比は50:50。

 子供が利用している携帯・PHSの名義は、89.3%が保護者名義で、子供名義は10.7%と少なかった。保護者のフィルタリング理解度は、「十分理解している」と「一応理解している」を合計すると79.3%が「理解している」と回答した。

 フィルタリングサービスの加入者率は54.6%、一方の非加入率は31.7%。フィルタリング加入者54.6%に、インターネット自体が使えない機種の利用率13.7%を考慮すると、何らかの方法で子供のネット利用に制限をかけている利用者は68.3%となった。

 小学生と中学生のフィルタリング加入率に大きな差は見られなかったが(小学生53.3%、中学生56%)、ネット非対応端末の利用率を考慮すると、ネットの利用が制限された端末は、小学生が72.6%、中学生の64%となった。

 また、端末の新規購入時に販売員から、誰が携帯電話を利用するか質問があったか問われると、「あった」(45%)、「覚えていない」(30.3%)、「なかった」(24.7%)の順番になった。フィルタリングサービスに関する説明については、「説明あり、内容も理解できた」が42.3%、「覚えていない」が26%、「説明はなかった」が25.3%、「説明はあったが、理解できなかった」が6.3%となった。「説明があった」の回答は合計で48.6%となる。

 なお、これをフィルタリングサービスの加入状況でみると、加入者の51.8%が「(誰が利用者か質問が)あった」、28%が「覚えていない」、20.1%が「なかった」と回答した。一方、非加入者の場合、「あった」の回答は43.2%に下がり「なかった」が29.5%、「覚えていない」が27.4%と続いた。

 なお、東京都青少年健全育成条例(東京都青少年の健全な育成に関する条例)では、販売契約する際に青少年の利用有無を確認するよう、店舗側に努力義務が規定されている。

 このほか、東京都では、2009年7月に開設した未成年のためのネットや携帯電話の相談窓口「東京こどもネット・ケータイヘルプデスク“こたエール”」の報告状況を公開。2009年7月から2010年3月末までに、542件の相談を受理し、このうち子供がトラブルの当事者となった相談が383件になった。携帯に起因する相談が6割を占めており、相談の1位が架空請求に関するモノ、2位が交際トラブルに関するものとなった。

 

(津田 啓夢)

2010/6/29 19:02