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スマホを使う子供からのトラブル相談、一番多いのは「架空請求」

 インターネット協会は、ネット・携帯電話に関する子供向けのトラブル相談窓口「東京こどもネット・ケータイヘルプデスク(こたエール)」に寄せられた、2016年度の相談実績を公開した。こたエールは、18歳未満の青少年からの相談に対応する窓口で、東京都からの委託で提供されている。

 公表されたデータによると、相談としてもっとも多いのは「架空請求」だった。電話での相談のうち24.8%、ネットからの相談のうち44.4%が架空請求で、学齢別や性別で見てもほぼ全てで最も多い相談。かつてはワンクリック、ツークリック詐欺とも呼ばれる形での架空請求だったが、最近は1回もクリックしていないのに有料会員登録が完了した、とする「ゼロクリック請求」が増加しているとのこと。このような状況に遭遇した子供が、どう対応していいか分からず、ネット上で見つけた“トラブル解決業者”に個人情報を教えてしまった……という相談も多くあった、と「こたエール」のレポートでは記されている。

 次いで多かった相談は「交際」。SNSや掲示板、チャットアプリなどで誰かと出会い、その結果、自撮りして写真を送るよう強要されたり、渡した画像が拡散したりすることへの相談という。相談してくる人で最も多いのは高校生女子とのことで、知り合ったサイトの約70%がSNSとされる。トラブルとしては、異性だけではなく同性同士のコミュニケーショントラブルの相談も増えた。「こたエール」窓口では、個人情報を安易に教えない、一度渡した情報は取り戻すことが難しいと回答している。

 聞き取りをする中で、相談主が「フィルタリングサービス」を利用していなかった事例は、利用していた場合の約4倍多かった。しかもフィルタリングサービス非利用者が、もしフィルタリングを適用していればトラブルを防げたであろうと思われる内容は、約90%を占める。保護者には特にフィルタリングサービスの説明をするなど、予防策を教えているという。