ニュース

スマホを売るなら/買うならどうする? プロに聞く「中古スマホ」の“コツ”とは

2016年2月に開店したゲオモバイルアキバ店の様子より

 MVNOやさまざまなメーカーを中心として徐々に拡がりつつある“格安スマホ”。スマートフォンを使う人は日に日に増える中で、選択肢のひとつとして環境が整備されているのが「中古のスマートフォン」だ。

 2017年3月には、中古携帯の買い取り・販売を手がける事業者による団体「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」も設立されたが、ユーザーとしては、自前のスマートフォンを手放すとき、あるいは中古スマホを購入する際、どこに注意したらいいか知っておきたいところ。さっそくRMJの会員各社に質問してみた。

売るときに気をつけるのは?

 まずは自分のスマホを手放す際に注意したい点についてだ。まず挙げておきたいのは、初期化、つまりデータを全て消去することだ。「当社の物流センターで、最終的には再現できないよう消去処理はもちろん行う」(ゲオモバイル)と、もちろん買取業者側でも最終的なチェックはするし、「中古携帯電話を取り扱う企業はデータ消去システムを準備している」(ネオリア)と言うが、ユーザー自身で行うとより確実だ。

 ここで言うデータ消去には、おサイフケータイのような電子マネー/クレジットカード機能の設定解除や、Googleアカウント、iCloudとの紐付けの解除も含まれる。特にiCloudやGoogleアカウントの登録があると買取してもらえないこともある。

 SDカードやSIMカードを取り外しておくことも忘れないようにしておきたい。「本体の汚れで減額の対象になることもある」(パシフィックネット)とのことで、拭いて落としておきたいし、シールやカバーも外しておこう。それから査定や店頭での初期化をスムーズに行うためには、事前の充電も忘れずに。

 事業者によっては箱や同梱品を美品のまま保管しておくと、査定額をアップしてくれることもある。もちろん「箱がなくても買取価格は変わらない」(ゲオモバイル)といったところもあるので、ユーザーとしてはネットで価格をチェックしつつ、その時々でどこへ売るか決める、というのも一手だ。

中古スマホはまず「見た目でチェック!」

 スマホを手放す場合(買取)に続いては、中古スマホの購入編だ。新品よりお手頃価格になることが期待される中古スマートフォン。スマホに限った話ではないが、まずは見た目から注意深く見ておきたい。

 ゲオモバイルは「通電する」「動く(動作確認)」「傷の有無(液晶、ボディ)」「使用感」で価格が左右すると説明する。携帯市場も「どこに傷が付いているか、全体をなめまわすようにチェックするのがオススメ」とする。

 「見た目」でチェックする具体的なポイントについて、パシフィックネットの説明をご紹介したい。

 同社によれば、液晶のコーティングや、本体の塗装のはげの程度から、長期間使っていたかどうかが見て取れるという。本体に落下したような跡があれば、前の所有者の使い方が乱暴だった、とも言える。そして背面にふくらみがあるとバッテリーの劣化という可能性がある。

 本体がキレイであれば、使用時間も短くバッテリーがより長持ちすると期待できそう。Webで購入する場合は、そうした傷や凹みの有無がわかるような写真をきちんと掲載しているかどうかも大事なポイントになる。店頭でチェックする場合は物理ボタンがきちんと動作するか調べよう。カメラ、スピーカーの音量、Wi-Fiなどの通信機能、電源コネクタやSDカードスロットも要確認。「もし不良があったら保証対象になる場合がほとんど」(パシフィックネット)とのことだが、事前にわかっているにこしたことはない。いずれも当たり前と思われるだろうが、言われてみなければスルーしてしまうかもしれないポイントでもある。

 こうした見た目以外の点としては、SIMフリーなのか、あるいはどこのキャリアの機種なのかきちんと把握して、自分が使おうとしている回線とマッチするかどうか把握することが挙げられる。また、割賦の支払いが終わっていないのに中古市場に出回る可能性もあり、その場合はネットワークの利用制限がかかっていることもある。店舗側ではネットワーク利用制限への保証をしているところがほとんどとのことだが念のためチェックしておきたい。またiOSやAndroidのバージョンが古くて、バージョンアップできないような型落ち機種では、使いたいアプリがあってもインストールできない可能性もある。

価格ってどうやって決まるの?

 さて、中古スマホの買取、あるいは販売価格はどうやって決まるのだろうか。ざっくり言えば中古市場の状況、大手キャリアの状況、需給バランスということになる。

 中古市場では、RMJに所属する企業をはじめ、さまざまな企業が売りたい機種、買い取りたい機種に値付けをしている。そうした他社の状況が自社の値付けに影響するというわけだ。

 またNTTドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアのキャンペーンも大きな影響を与える。これは「特定の機種がキャンペーンで販売されると、それが中古に出回り、その機種の相場が下がる」(携帯市場)、「1カ月で、とある機種の相場が1万円以上下落したことも珍しくない」(パシフィックネット)、といった状況をもたらしていることを指す。また、大手キャリアが下取りキャンペーン(指定の機種を持ち込むと、新しい機種の値引きをする)を実施すると、「普段人気のない機種が飛ぶように売れた、キャリアの下取り価格が高額で中古店舗への持込が減ったりする」(パシフィックネット)といった影響もあるよう。

 たとえばネオリアは「限定商品や人気商品の買い取り価格は高くなる。新商品が販売される直前は値段が大きく変動することがあって狙い目」だと説明する。いわゆる商戦期は価格の変動が起きやすいようだ。

うまく活用したい中古スマホ

2016年2月に開店したゲオモバイルアキバ店の様子より

 ゲオモバイルなどでは、Webサイト上で状態ランクの基準表を開示している。売買する前にはチェックしておきたい。

 ユーザーが使い古した携帯電話、スマートフォンは都市鉱山とも呼ばれることもあって、リサイクルすることで貴重な資源として活用する動きがある。その一方で、リユースを促進することもまたエコな取り組みであり、なによりそれまで使っていたスマホがお金になるならとてもありがたく、まだまだ使える機種がお安く手に入るなら実にオトク。今回ご紹介したような情報をもとに、中古スマホの上手な使い方をこれからも皆さんと一緒に探っていきたい。