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楽天モバイル、月額そのままでIP電話が付いた「050データSIM」9月下旬開始

 楽天は、MVNOサービス「楽天モバイル」において、050番号のIP電話サービスを月額料金の追加なしで利用できるSIMカード「050データSIM powered by Viber」を9月下旬に提供する。料金は既存の「データSIM」(SMSあり)と同じで、月額645円(税抜、以下同)~。

 「050データSIM powered by Viber」(050データSIM)は、月額料金はそのままに、050番号のIP電話番号を付与し、アプリ「Viber」の音声通話機能「Viber Out」を050番号のIP電話として利用できるサービス。データ通信専用のSIMカードで、SMSを利用できる。

 050番号のIP電話により、固定電話や携帯電話とも割安な通話が可能。発信した際、相手には050番号が表示され、不在着信でも折り返しの電話をしてもらうのが容易とする。050番号への着信についても「Viber」アプリに着信する。

 「050データSIM」で利用する050番号のIP電話は「Viber」のみで利用でき、ほかのIP電話アプリなどに設定することはできない。すでに「Viber Out」を利用しているユーザーが「050データSIM」を契約し050番号を設定した場合、「Viber Out」は050番号での利用に一本化される。

 050番号の発行はIP電話サービスを提供する楽天コミュニケーションズが提供する。「Viber」は楽天グループ内で本格的に連携するのは初めてとしている。

 050番号は、緊急通報(110番、118番、119番)や一部の番号へは発信できない。

通話料

 「050データSIM」の050番号のIP電話の通話料は、現在提供されている「Viber Out」同様に、終了時期未定で国内通話無料のトライアルの対象になる見込み。無料トライアル中の通話は、連続10分間で一度通話が切断される。

 無料トライアル終了後の通話料は、固定電話宛が1分あたり3.06円、携帯電話宛が1分あたり10.01円(どちらも税込)。この通話料は8月30日時点のもので、為替レートにより変動する。

【訂正 2016/9/16 16:20】
 記事初出時、「050データSIM」の通話料について、「非課税」と紹介されておりましたが、消費税を含む価格であることが楽天から明らかにされました。訂正いたします。

基本料金

 「050データSIM」の月額の基本料金は、既存の「データSIM」(SMSあり)の内容を継承し、ベーシックプラン(200kbps)が月額645円、3.1GBプランが月額1024円、5GBプランが月額1570円、10GBプランが月額2380円。ユニバーサルサービス料(現時点で月額3円)については、データSIMと050番号の2つに発生し、合計で月額6円になる。

 なお、「データSIM」(SMSあり)を利用しているユーザーが「050データSIM」を契約したい場合、プラン変更などの形で移行はできず、一度解約して契約しなおす必要がある。このため再契約時には通常の契約事務手数料が発生する。従来の050番号の付与がない「データSIM」(SMSあり)の新規受付は終了する予定。

2台目の端末で通話も利用したい人に

 9月1日には都内で発表会が開催され、「050データSIM」についての解説が行われた。楽天 執行役員 通信&エナジーカンパニー 楽天モバイル事業 事業長の大尾嘉宏人氏は、すでに提供しているかけ放題などの通話サービスとの棲み分けを聞かれると、「050データSIM」は、2台目の端末や、フィーチャーフォンのユーザーがデータ通信でスマートフォンを試しに利用してみる場合などに向いているとした。

楽天 執行役員 通信&エナジーカンパニー 楽天モバイル事業 事業長の大尾嘉宏人氏

 9月5日に発表されると見られる「LINEモバイル」について、ブランドやその認知度が脅威になるのではないかと質問されると、大尾嘉氏は「MVNO業界そのものが盛り上がりを見せて欲しいと思っている。いちプレイヤーとしてLINEが参入するのは、全体としては、いいことではないか」との立場。

 さらに業績への影響も聞かれたが、楽天では、ブランドの認知だけではユーザーはサービスを選ばず、申し込みの場所やサポート体制などを含めてユーザーは総合的に判断するという見方。「名前だけではなく、ブランドを認知してもらうために、それ以外のオペレーションやサプライチェーンなども含めて、サービスの拡充を行ってきた。きちんとを見ていただければ、大手キャリアにも負けない内容になっている。企業努力をキチンとやって、声に応えていく」(大尾嘉氏)と方針を示している。