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ついに登場「Pokémon GO」遊び方をさっそくチェック、新世代“リアルワールドゲーム”の魅力に迫る

 22日、米ナイアンティックとポケモン社によるスマートフォンアプリ「Pokémon GO」がいよいよ日本でも遊べるようになった。マクドナルドの店舗がゲーム中に登場し、あわせて専用デバイス「Pokémon GO Plus」も近日、登場する予定だ。

Pokémon GOの遊び方

 Pokémon GOは、街を実際に歩いて、ポケモンたちを捕まえられるゲーム。水辺にはみずポケモンが登場するなど、地勢にあわせたポケモンが登場するとされている。どこにどんなポケモンが存在するのか、という情報はこれからプレイヤー同士で活発にやり取りされることになりそう。

モンスターボールを軽くはじいて投げる
初めてフィールドで出会ったビードルを捕まえた

 マップ上には自分、ポケモン、「ポケストップ」と呼ばれる場所、そして他のプレイヤーとのバトルを楽しめる「ジム」がある。ポケストップやジムは、ナイアンティックが提供するスマートフォンゲーム「Ingress」の情報(ポータル)がもとになっており、そこから安全な場所が選ばれているという。同じ場所でIngressとPokémon GOを比べると、確かにポケストップのほうが少ない。ちなみにポケストップ(とポータル)の新規申請や削除申請は、今のところ、アプリ上ではできない。

同じ場所で比べたIngressとの違い

 ポケストップの近くにいって、写真周辺(ディスク)を左右のどちらかへフリック(指先で軽く払う)すればポケモンを捕獲するためのボールやタマゴなどのアイテムが手に入る。一度フリックするとしばらくアイテムは入手できなくなる。アイテムが欲しければ、より多くのポケストップを訪れたくなるだろう。マップ上のポケモンをタップすればモンスターボールを投げて捕まえられる。

 ちなみにIngressをプレイしていた人が、同じ名前でPokémon GOをプレイしたいのであれば、ログインするGoogleアカウントを同じ物にすれば良いようだ。逆に言えば既にエージェント名で使われている名前は、他のユーザーから利用できないことになる。

ポケストップ

運転中はポケモン捕獲できず

 Pokémon GOは、起動するたび、毎回、プレイ中周辺に注意するよう案内する。またポケモンが近くにいれば振動するため、画面を見続ける必要はない。

 また設定メニューから「バッテリーセーバー」をONにすれば、スマートフォンを見ない状態(天地が逆さまの状態)にすると画面が真っ暗になってバッテリーの消費を抑えられる。現在地を常に測定し続けるPokémon GOでは、バッテリー消費が激しいため、長く遊びたい場合は、バッテリーセーバーをONにした上で、歩くときにはスマホを見ない、という行為を身に着けるとより長くバッテリーが保つだろう。

 歩きスマホなどのリスクについては、内閣やTCA(電気通信事業者協会)から具体的な注意喚起が発表されている。

ルアーモジュールを使うとプレイヤーの名前が表示される

 歩きスマホだけではなく、位置情報を使うだけに、自宅や職場がどのあたりか、見知らぬ人に把握される可能性もある。Ingressでは多くの行動がログとして配信され、パソコン向けのマップでもそのログを確認できるが、Pokémon GOはパソコン向けのマップがなく他のユーザーのアクションがログとして表示されることはない。ただバトルするジムや有料アイテム「ルアーモジュール」利用中のポケストップにはプレイヤーの名前が表示される。もし最寄り駅と自宅の間にあるジムを利用すれば、他のプレイヤーに何となく自宅の方角が推察される可能性はある。

 このほか自動車運転中などのプレイを避けるため、一定のスピード以上になるとポケモンを捕まえられないという仕様になっている。

マクドナルドがジム、ポケスポットに

 日本マクドナルドのコラボレーションにより、国内にある約2900の店舗がゲーム中に登場する。このうち約400店舗がバトルを楽しめる「ジム」、約2500店舗がポケストップとして登録されている。編集部近くにあるマクドナルドの店舗はジムとして登場し、さっそくプレイヤーが占拠している。

 マクドナルドでは、店舗での楽しみのひとつとして、あるいはプレイヤーが来店するきっかけになることが狙いと説明している。

編集部近くのマクドナルドはジムになっていた
3色のチームのどれかに所属

 なお、ジムでバトルする場合は、黄色チームの「チームインスティンクト」、青色チームの「チームミスティック」、赤色チームの「チームヴァーラー」のいずれかに所属する。選択する際にはそれぞれのチームリーダー(NPC)がチームのコンセプトを説明する。そのコンセプトと自分の考えがマッチするかどうか、あるいは深く考えず好みの色かどうかといった観点で選んでいいだろう。

専用デバイス「Pokémon GO Plus」

 スマートフォンとBluetooth Low Energyで繋がる専用デバイス「Pokémon GO Plus」が近日、発売される見込みだ。価格は3500円(税抜)。

「Pokémon GO Plus」(2015年9月発表時の写真)

 2015年9月の発表時点で予告された「Pokémon GO Plus」は、6月に米国で開催されたE3 2016において、任天堂の宮本茂氏が「7月末ごろには」とコメント。これが唯一の発売時期に関する情報だが、その後アップデートはなく、公式には発売日はまだ未定だ。

 スマートフォンがスリープ状態になっていても、「Pokémon GO Plus」とは接続されたままになり、ポケモンが近くに出現すると振動してプレイヤーに通知。さらに「Pokémon GO Plus」のボタンを押すと、ポケモンの捕獲にチャレンジでき、成功したかどうかはランプと振動パターンで通知してくれる。つまりスマートフォンをずっと見なくてもプレイしやすくなるため、「歩きスマホ」を抑制するデバイス、あるいは親が別の用途でスマホを使っている状況でも子供はPokémon GOを楽しめる、といった使い方が期待できそうだ。

「リアルワールドゲーム」で外へ出かけよう

 日本でのローンチ前から大きな話題となった「Pokémon GO」。

 その開発は、約2年前、グーグルマップを使ったエイプリルフール企画「ポケモンチャレンジ」がきっかけだった、と本誌インタビューに米ナイアンティックのアジア統括本部長である川島優志氏が語っていた(※関連記事)。

7月16日、Ingressのイベントに出席したナイアンティックCEOのハンケ氏は、その時点で「間もなく日本でも」と語っていた

 その川島氏は、iOS版の登場直後で局所的に「Ingress」人気が沸騰していた2014年11月、とあるイベントで「知らないはずがないような、さまざまなパートナー(によるコンテンツ)やゲームが今後1年の間に発表される」(※関連記事)と語っていた。当時、「歩いてプレイする」という視点から、筆者はスライムやドラゴンを倒す王道のロールプレイングゲームなのか……? と想像するも、それ以上の発想に至らなかった。そのコメントから約10カ月後の2015年9月、「Pokémon GO」(※関連記事)が発表され、いよいよ日本でも遊べるようになった。

 Ingressでは、陣取りゲームという大きな枠組のなかに、パズルのように遊べる部分や、スタンプラリーのように楽しめる機能があり、プレイヤー一人一人の楽しみ方が異なる。また自分の所属する陣営への帰属意識が強まるなど、コミュニケーション部分でも強い力を持つ。

チュートリアルでゲットしたフシギダネにニックネームをつけてみた
手持ちのアイテムを使って強化(育成)することもできる

 ナイアンティックでは「人を動かす」「新しい物を発見する」というコンセプトを掲げ、既存ゲームの「Ingress」を「リアルワールドゲーム」と呼ぶ。そのコンセプトを新たな形で提供することになった「Pokémon GO」は、Ingressを経験した人からすれば他のプレイヤーの動きが見える場面が少なかったり、街中のジムを複数攻略したくなる要素が物足りなかったりするところがあり、あえてIngressの要素を取捨選択したように見える。その分、プレイしはじめるときに迷うことは少ない。それでいて、街中にある数多くの公園やアート、お地蔵さん、庚申塔、石碑など、普段の生活では見過ごしてきた存在に気付くチャンスをもたらしてくれる。

 昨年9月の発表時には、ポケモンの交換機能についても検討することがポケモン社の石原恒和社長から語られており、今後、導入される可能性もあるが、そうした今後期待される機能のひとつに、発表時点の映像で示されて居たような“多くの人が参加したくなるバトル”がある。「Ingress」で多くの人を動かし、数千人が参加する東北や沖縄などでのイベントを成功させてきただけに、「Pokémon GO」でも何らかのイベントが検討中と、アジア統括マーケティングマネージャーの須賀健人氏が6月に行ったプレスツアー(※関連記事)で明らかにしている。

 レベルがあがってもなお「Pokémon GO」を楽しめるのか、初心者とヘビーに楽しむプレイヤーとの間にどんな格差が生まれていくのか、あるいは世界中のプレイヤー同士がどう繋がっていくのか。この夏、Pokémon GOへの注目はさらに高まりそう。

 ちなみにPokémon GOの最新情報を提供するアカウントは、Google+のほうをオススメしておきたい。開発・提供元のナイアンティックがもともとグーグルから独立した企業ということもあって、Google+のアカウントのほうがより充実した情報を期待できそうだ。