【英国大使館主催ビジネスフォーラム】
貿易投資総省のヒューズ氏、英国モバイル市場の最新動向を紹介


英国貿易投資総省 デジタルテクノロジー&コンテンツ セクター・チャンピオンのトニー・ヒューズ氏

 駐日英国大使館は、「英国モバイル・コンテンツ&スマートフォン ビジネスフォーラム ―英国からグローバル展開の機会を探る―」と題した講演イベントを開催した。

 講演では英国貿易投資総省 デジタルテクノロジー&コンテンツ セクター・チャンピオンのトニー・ヒューズ氏が登壇し、「英国モバイル・コンテンツ&スマートフォン産業とキービジネス分野の現状:日本企業にとってのビジネスチャンス」と題した講演を行った。

 ヒューズ氏は、英国におけるキャリアの構成や統計データを紹介し、世界の例に漏れず、「成長率がおどろくべき数字だ」とAndroid端末が急激に伸びている様子を語った。スマートフォンの普及率がドイツやフランスなどとくらべても高いという英国では、ハイエンドモデルに人気が集中しているのも特徴。また、BlackBerryが無料のメッセージングサービスで若年性に受け入れられている様子を語り、「興味深いプレイヤーになっている」と指摘した。

 無線LANスポットが充実しているのも特徴とのことで、「英国はヨーロッパでもっとも(無線LANスポットが)多い」と、インフラとして定着しつつある様子を語った。

 同氏はこのほか、ゲームなどコンテンツ分野で注目を集める英国企業を紹介。「パソコンで使われていたサービスがモバイルに移行している。ほかの国同様、SNSの利用も多い」とコンテンツの利用動向を紹介し、英国のFacebookのアカウント数は人口の半分に達するとした。ゲームについては、ベンチャー企業や、端末の性能を活かしながら比較的シンプルな内容のゲームで成功した企業を代表的な例に挙げ、「重要なのはどうマーケティングするか。ローカルマーケットにおいて、存在感が重要で、多数のゲームがあるので最初の数週間が重要になる」と解説。また、GoogleやApple以外が提供する、Amazonのような大規模なアプリマーケットが登場している点にも言及し、「Googleと連携すればAppleに対抗できるだろう」とアプリマーケットが規模の面でも拮抗していくとの見方を示した。

 端末の販売数では、前述のようにAndroidの勢いが著しく増していることもあり、直近ではHTC製の端末がトップ3を独占していた。同氏はiPhoneが比較的高い価格帯であるとし、価格の面でもAndroidに勢いがあるとした。

 モバイル広告市場では、「次になにがくるか。ロケーションベースだ」と、位置情報を利用したサービスがさらに拡大すると予想。一方、NFC対応端末によるクーポンや決済サービスに期待を寄せている様子で、「eコマース、モバイルコマースに役立ち、オンラインの支払いにも役立つ。モバイルコマースが変わるのはスマートフォン」と語った。

 ヒューズ氏は、「技術的な才能のある人が英国にいる。ゲーム開発拠点も各地にある」と、サービス開発や提供の拠点としての英国をアピール。「英国で起業できるスピードは最短で13日。ほかの国では1カ月はかかる」と、ヨーロッパで本部機能をイギリスに置く企業が多数に上るというグラフを示し、「さまざまな業界にまたがってサポートし、戦略の立案にも関われる」と、企業やビジネスの展開を検討する関係者に英国の優位性をアピールした。

プレゼンテーション資料

 



(太田 亮三)

2011/3/4 21:22