【IFA2013】

ソニーのカンファレンス開催、フラッグシップ「Xperia Z1」も

Xperia Z1を掲げた、ソニーの代表執行役社長兼CEO、平井一夫氏

 ソニーは9月4日(現地時間)、5インチのフルHDディスプレイを搭載し、カメラのクオリティにこだわった「Xperia Z1」を発表した。

 会見は6日から独ベルリンで開催されるIFAに先がけ行われており、代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏が登壇。4K対応のBRAVIAやHandycam、VAIO、Walkmanなどの新製品に続き、同氏が就任以来掲げる「One Sony」の象徴的な製品として「Xperia Z1」が発表された。

カメラ機能に磨きをかけた「Xperia Z1」。サイズ感は「Xperia Z」に近いが、キャップレス防水のイヤホンジャックや、サイドにアルミを使ったボディ、「X-Reality for mobile」など、一部の仕様は6月に発表され「Xperia Z Ultra」から受け継がれている

 Xperia Z1の特徴として最初に紹介されたのが、カメラ機能。同機には、F値2.0の「Gレンズ」や、Cyber-shotなどに採用される画像処理エンジン「BIONZ for mobile」、2070万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」が搭載される。平井氏は3倍までの全画素超解像ズームが可能なことなども紹介し、「これはソニーのスマートフォンだけが体現した撮影体験」と自信をのぞかせた。

カメラには「BIONZ for mobile」「Gレンズ」「Exmor RS for mobile」といった、ソニーの技術が結集している
カメラの各種機能は、撮影中の画面からワンタッチで呼び出すことが可能だ

 画質と同時に、撮影の新たな形を提案しているのもXperia Z1に搭載されたカメラの特徴だ。会見で平井氏が一例として挙げていたのが、「Social live」や「Info-eye」「Timeshift burst」「AR effect」の4機能。「Social live」を利用すると、Facebook上で動画の生中継を行える。撮影した画像が何であるかという情報を表示できるのが「Info-eye」。「Timeshift burst」はシャッターを切る前後30枚ずつの写真を保存し、ベストな1枚を選択することができる機能だ。また、ソニーのAR技術を生かし、撮影中にリアルタイムでCGの映像を合成できるのが「AR effect」となる。

カメラの各種機能は、撮影中の画面からワンタッチで呼び出すことが可能だ

 こうした機能を披露しつつも、平井氏は「これはあくまで始まりにすぎない」と語る。「カメラ体験を拡張する機能は、オープンSDKが組み込まれている」といい、今後の機能追加やアプリの広がりも示唆した。このほか、平井氏からはXperia Z1が「X-Reality for mobile」対応の5インチのディスプレイや、2.2GHzの「Snpadragon 800」が搭載されていることが紹介された。Xperia Z1は、欧州で今月から発売が開始されるほか、日本への導入も予定されている。

ディスプレイの高画質化技術や、Snapdragon 800についても平井氏が自ら語った
「アルバム」「Walkman」「ムービー」アプリも搭載され、ソニーのサービスとの連携が深化している
カラーは3色。パープルの色味は、Xperia Zよりやや青みが強い印象

スマートフォンと連携する“レンズ型デジカメ”

 平井氏が「Xperiaのパーフェクトなお供」として披露したのが、スマートフォンと連携させて使用するレンズ型カメラの「Cyber-shot DSC-QX10」と同「DSC-QX100」。Wi-Fi経由でスマートフォン側から制御をかける仕組みで、撮像素子やエンジンなどは前者が「DSC-WX200」、後者が「DSC-RX100M2」相当。NFC対応のスマートフォンとはタッチするだけで接続が行える。平井氏が「Xperiaだけではなく、あらゆるスマートフォンとも接続できる」(ただし、本体サイズや形状の制約は受ける)と述べていたとおり、Android用だけでなく、iPhone用のアプリも用意される予定だ。

スマートフォンと連携する、レンズ型カメラも2機種発表された
カメラの制御やディスプレイにはスマートフォンを利用する。Xperia以外にも、幅広い機種に対応

 これら一連の新商品を発表し、平井氏は「我々は前に進み続ける。そして、ソニーの顧客がそれらに感動してほしいと思っている」と語り、会見を締めくくった。

石野 純也