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100ダウンロードまで無料、中小店舗向けスマホアプリ作成サービス

キングジムの宮本社長(左)とドリームネッツの井上社長(右)

 キングジムとドリームネッツは、スマートフォン向けアプリの作成サービス「アプスタ」の提供を開始した。中小規模の店舗が独自のアプリを提供できるようにする、店舗支援型のサービスで、無料でスタートできるプランも用意される。

 「アプスタ」は、店舗独自のスマートフォンアプリをドリームネッツが作成するサービス。店舗側が専用サイトで申し込むと、ドリームネットがアプリを作成し、さらにApp StoreやGoogle Playでの申請代行まで行う。無料アプリのみ作成でき、有料アプリは対象外。アプリでは、店舗の最新情報などを写真付きで紹介できる「ニュースレター配信」、期限設定も可能でリアルタイムな配信や、客の誕生日などにあわせて配信できる「クーポン付きレター配信」、店舗内の様子を写真で紹介できる「フォトギャラリー」、店舗の客がアプリを友人に紹介したりSNSで情報をシェアしたりすると付与できる「スタンプ機能」などが用意されている。

 ニュースレターの配信は、管理画面にパソコンやスマートフォンからアクセスして行う。テキストを入力し写真を添えるだけ、というシンプルな流れでの配信が可能で、スマートフォンアプリの開発はできなくてもパソコンなどはユーザーとして操作できる、といった一定のITリテラシーがある店舗運営者にとって、運用しやすいアプリに仕上げられている。管理画面では、アプリのダウンロード件数、日別の起動回数など利用動向も確認できる。

 料金体系は、小規模な店舗向けでダウンロード数が100件までは無料となる「スタンダードプラン」と、大規模な利用を想定した「エンタープライズプラン」が用意される。「スタンダードプラン」は101件~1000件のダウンロードで月額2000円、1001件~5000件で月額3万円、5001件~1万件で月額5万円。101件以上の場合、初回のみ、サーバー設定費として1万円かかる。また利用可能なストレージ容量は100件までの場合で500MB、101件以上は2GBとなる。

 一方、「エンタープライズプラン」は、初期費用10万円、月額8万円で、別途、クラウドサーバー料金(要見積もり)がかかる形だが、ストレージは無制限に利用でき、オリジナルデザインや機能のカスタマイズが可能など、より融通の利く内容となっている。

商品情報を配信
客の誕生日にクーポン配信
スタンプ機能
スタンプをためたユーザーにクーポンを提供
iPadからアクセスした管理画面
パソコンからアクセスした管理画面

成果報酬型サービス

 31日、両社は都内で記者説明会を開催。サービスの説明を行ったドリームネッツ代表取締役社長の井上一成氏は「当社は広島県福山市に本社を置いているが、地域密着型のサービスを提供する店舗、ローカルビジネスの力になれるツールを作りたいと考えていた。そこで考案したのがスマートフォンをベースにしたサービス。誰でも利用できる、スマートフォン向けのプラットフォームを創造したい。まずは(中小店舗支援サービス市場の)シェア拡大を目指す」と意気込んだ。

 アプリの開発および申請代行を行うなど、店舗がスマートフォン活用型の販促を行う場合のスタートダッシュを支援する形となる一方、その後の運用のノウハウ、店舗側が継続的に「アプスタ」で情報配信するよう促す取り組みなどについては、特に説明が行われず、今後の検討課題とされた。

 キングジムはドリームネッツに対して資本提携(出資額は非公表)するとともに、「アプスタ」の広報などを支援する。キングジム代表取締役社長の宮本彰氏は「今回のサービスは成果報酬型。ヒントはリブセンスの『ジョブセンス』から得た物だ。既にLINEも同様の中小規模の事業者向けサービスを展開しているが、『アプスタ』は0円から始められるというところが大きな競争力になる」と語る。

 両社では初年度3000店舗、5年以内に3万店舗の利用を目指す。有料のコースを利用する店舗数は「初めてのサービスだが、アクティブに利用する店舗は全体の3割~5割、そのうち3~5割が有料になるのではないか」(井上氏)との見通しが示された。

関口 聖