本日の一品

ついに登場! Bluetoothの「Happy Hacking Keyboard」

 待ちに待った、という諸兄も多いのではないだろうか。熱狂的愛好者がいることで知られるこだわりのキーボード「Happy Hacking Keyboard」の、無線接続モデルが満を持して登場した。テスト機を借りられたので、さっそくレビューさせていただくが、結論から申し上げると、「テスト機を編集部に返却したくないなあ」と思わせる一品であった。

ついに無線モデルが登場したHappy Hacking Keyboard(写真は英語配列モデル)

 Happy Hacking Keyboard(HHK)は、高品質・高耐久性を売りにしたキーボードシリーズだ。3000万回近くの打鍵に耐えうる静電容量無接点方式を採用するなどの性能面だけでなく、「吸い付くような」と形容される入力の感触にもこだわっており、プログラマーを始めとした、キーボード入力量が多い職業のプロフェッショナルに愛好されている。

 今回登場したBluetoothモデルは、有線の「Happy Hacking Keyboard Professional2(JP)」をベースにしたもの。有線モデルの背面に電池ボックスと電源ボタン部分がついたような形状となっており、大きさはほとんど変わらない。

背面に電源ボタンと電池ボックス。単3電池2本で動作する
給電ポートを備える。給電なので、たとえばPCとUSBケーブルで接続しても、接続自体はBluetoothのまま

 Bluetoothはバージョン3.0のHIDプロファイルに対応しており、Windows、Mac、iOS、Androidで使用できる。4台までペアリング可能だが、キーボード側から機器の切り替えはできないため、使い分けるには機器側の電源オンオフで対応するしかないだろう。背面にはディップスイッチがあり、Fnやaltキー割り当て、BSとするかDelとして使うかなどの細かい設定ができるようになっている。

設定用ディップスイッチを背面に備える
ディップスイッチで細かな設定変更が可能

 筆者はHHKを使うのがこれが初めて。常々店頭で触っては、「これが無線だったら……」とため息をついていた。実際に使ってみて、噂にたがわぬ使用感に舌を巻いている。とにかく入力は快適だ。力を入れなくても自然にキーが押し込まれる感覚は比類ない。

 そして比類ないといえば、変態度も、である。コンパクト化するために、Fnキーを使わないと入力できないキーがとにかく多い。そのうえキートップではなくキーの手前側に機能が印刷されているため、入力したいキーを探して手が迷うのは有線モデルから変わらない。打鍵音は大きめで、無線だけにモバイル環境でも使いたくなるが、TPOは選ぶ必要があるだろう。静音モデルであるType-Sの無線化にも期待したい。

コンパクトにするために多くのキーがFn同時押しに割り当てられており、慣れるまでには鍛練が必要

 メーカーによる直販限定で、価格は2万9700円(税込)と性能に見合った額だが、これを使いこなせるようになれば生産性は飛躍的に向上する。決して高い金額ではないだろう。無線キーボードになったことでさまざまな机上レイアウトにも対応する。そして、筆者の蒐集欲を痛烈に刺激する。集めるためだけに買うには悩ませる金額だが……。

製品名販売元参考価格
Happy Hacking Keyboard Professional BTPFU2万9700円(税込)

ナカムラ