本日の一品
活動量もトレーニングも通知もこれ1本、リストバンド型心拍計「A360」
(2016/2/18 06:00)
2015年11月21日、ポラールから「A360」発売された。今また活動量計か~と思ったのだが、ふたを開けてみると、これまでにない要素をもった製品であった。
「A360」は手首に巻いておくだけで、歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠時間といった活動量を自動的に測定してくれるリストバンド型の心拍計だ。活動量計といいたいところだが「心拍計」なのだ。
ポラールといえば胸部に巻いて使う、プロ御用達の心拍計の老舗。このポラールが本気で心拍計をリストバンド化したというのが「A360」であり、その精度は胸部に巻く心拍計に匹敵するものとのこと。ゆえに、ポラールいわく活動量計ではなく「心拍計」。胸部の心拍計をやめて、リストバンドでトレーニングに使いたいと考えている方必見のデバイスということらしい。
そのこだわりの心拍センサーと、タッチ対応の1.18インチカラー液晶を搭載しているのが「A360」の大きな特長。タッチ操作でメニューが選べ、活動状況も液晶内で確認できる。また、トレーニング時には5段階の心拍ゾーンを色別のグラフで教えてくれるほか、心拍ゾーン、経過時間、消費カロリーを見られる。
30m防水でバッテリー容量は100mAh。スマートフォンとの連携がなければ、1回のフル充電で約2週間、連携させると9日間ほど利用できる。専用の充電器はなく、microUSBケーブルがあれば、直挿しで充電できるところもありがたい。
連携アプリ「Polar Flow」はスマートフォン用とパソコン用の2種類があり、基本的な活動量のチェックやトレーニング記録ならアプリだけでもOK。以前の同社の活動量計は、設定段階からパソコン必須のイメージがあったが、本品はスマートフォンのアプリだけでも利用できるようになっている。
パソコン版も使うと、お気に入りのトレーニングメニューをデバイスから選択できるようになり、またパソコン上でより詳しい記録の確認もできるので、ワンランク上の活用が可能になる。
というわけで、年末から使っているが、特長となっているタッチ対応の1.18インチカラー液晶が結構いい仕事をしてくれており、ほどほどの通知と活動量のチェック、トレーニングでの本格活用と、結構いいとこ取りのようだ。
普段はデジタル表示の腕時計として使いつつ、その裏で活動量測定。目標をどの程度達成しているかは、表示される時間の色の変わり具合で確認できる。達成率に応じて、数字が下から青くなっていくからだ。座りっぱなしのときは、振動とともに「さあ、動きましょう!」と表示され、活動を促してくれる。
連携しているスマートフォンの着信や通知も表示するが、これが便利。ニュースアプリの配信も、速報も、LINEのメッセージも、ブブッという振動とともに届く。特に短いメッセージならそのまま読めるので、まるでスマートウォッチいらずなのだ。場合によっては、スマートウォッチよりも通知が早いこともあった。
「トレーニング」は、フィットネスジムにいかずとも活用できた。たとえば家事の最中に作動させると、家事の消費カロリーなどが一目瞭然になる。筆者ならゲーム「Ingress」の活動にでかけるときに「ウォーキング」を指定しておくと、心拍数とともにプレイの経過時間と消費カロリーをチェックできる。
しっかり歩いたかと思えば止まって、しばらくゆるゆる歩いて……というように、運動というにはどうかと思える時間も長いと感じるIngressだが、「A360」を作動させておくと移動中の運動強度が色つきのグラフわかるのでおもしろい。心拍の変動を振動で知らせるといった機能はないようだが、こまめにチェックすることで、移動時はもう少ししっかり歩こうという気になれる。
アプリはグラフで1日の活動状況がわかるようになっている。いつ「さあ、動きましょう!」と言われたかも記録されるので、1日のうち体を動かさない時間帯の把握がしやすい。また、目標達成まで、具体的にどのような運動をどれくらいすると到達するかという目安を教えてくれるので親切だ。
これ1本でいろいろお役立ちの「A360」だが、不満な点もいくつかある。リストバンドが分厚く、特に留め具が固くて着脱しにくいところは難儀している。見た目も結構ゴツめになるので、通気性に優れたおしゃれな交換バンドが欲しいところだ。また、スマートフォンのアプリと同期するのに、ボタンを長押ししなくてはならないところも不便。
睡眠は自動測定だが、眠りの深さまではカバーしていないところも個人的には物足りなさを感じた。心拍センサーも「トレーニング」モードか、あえて心拍測定を選ばない限り作動しないので、1日の変動や安静時の心拍数を知りたいという方には向かないだろう。時計自体のデザインも複数欲しいし、時間と活動状況の両方が見られるような画面が欲しくなった。
またフェイスも固定なのはさみしい――と思ったら、画面を数秒、タップしつづけると他のデザインに変更できるそうだ。
などなど、要望は多々あるが、活動量計、腕時計、スマートウォッチ、トレーニング用の心拍計の要素が詰め込まれており、就寝時間も含め、朝から晩までこれ1本で済んでしまうレベルの製品であることは間違いない。おいしいとこ取りしたい方はいかがだろうか。
製品名 | 販売元 | 参考価格 |
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Polar A360 | ポラール・エレクトロ・ジャパン | 2万5800円(税別) |