本日の一品
「鉛筆の蛍光マーカー」は使えるのか!?
(2015/8/3 06:00)
巷の文房具店には、マーカーとかマーキングペンとか呼ばれるものが多く存在するが、ボールペンやサインペンとの差異は意外と明確ではない。
本来の正しい意味かどうかはさておき、一般的には「既に書かれた原本の文字や絵の上に、そのいずれかの部分を強調して、見る人に注目させるために上書きするインク系のペン」をマーカーと呼んでいるようだ。
油性マーカーから始まり、水性のモノや、最近ではクレヨンタイプの素材を使ったものも登場している。今回ご紹介するクツワの「鉛筆の蛍光マーカー」は、昨今各社から登場している色鉛筆仕様のマーカーの一つだ。
独ステッドラー社の「テキストサーファードライ」とも似ており、使用感は限りなく色鉛筆に近いが、そこには各社独自の研究や工夫が盛り込まれているのだろう。
今回、エプソンのカラーインクジェットプリンター「EP-807AW」でコクヨの上質普通紙に印刷した、モノクロテキスト印刷文字に「鉛筆の蛍光マーカー」を含む4種類のマーカーで実際にマーキングしてみた。
テストに使ったのは、ぺんてる「ハンディライン」(無印OEM版)とステッドラーの「テキストサーファーゲル」と「テキストサーファードライ」、「鉛筆の蛍光マーカー」の全部で4本だ。
4本のマーカーで同じ印刷物の一行ごとに塗ってみたところ、なかなか面白い結果となった。密度が高く、まんべんなく塗れて期待通りの「ハンディライン」。密度は高いが、ヌメッとした感覚の「テキストサーファーゲル」。密度が低く一番落ち着いた(地味な)「テキストサーファードライ」。密度は低いが輝度が高い「鉛筆の蛍光マーカー」といった具合だ。「テキストサーファーゲル」は、実際の色がペンの外観と大きく違い、限りなく黄色に近いオレンジ色となっている。
ステッドラーやオートなどが発売している“ゲル系マーカー”の、ヌメッとしたクレヨンを塗るような感覚は好き嫌いが別れるだろう。ただし、マーカーを塗った後の仕上がりそのものは緻密でムラが無く綺麗だ。
一方、色鉛筆系の「テキストサーファードライ」や今回の「鉛筆の蛍光マーカー」は、ペン先が細く便利な半面、一般的なマーカーのように面で一行を埋めて塗りたい場合は、同じ部分を何度も塗る羽目になり、芯先の粉が大量に出てしまう結果となった。「鉛筆の蛍光マーカー」は、特にその傾向が顕著だ。
「鉛筆の蛍光マーカー」は、油性のマーカーでは裏移りしそうな薄い素材の用紙や、コントラストが強いという印象を与えたくない場合のマーキング、鉛筆のように、細い線でそれとなく強調マーキングしたい場合に適しているだろう。
キャップを兼ねた専用の鉛筆削りも付属するので、慣れれば芯先の太さは削りのテクニックで比較的自由にコントロールできる。残念ながら、商品パンフレットなどの光沢紙系のマーキングにはまったく非力だった。
オールラウンドなマーキング能力を求めるなら、「ハンディライン」などのオーソドックスなマーカーの実力は絶大だ。やはり時代はまだ、さまざまなマーカーの中から、実現テクノロジーの異なるお好みの何点かを携帯して、必要に応じて補完して使い分けるべきなのかもしれない。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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鉛筆の蛍光マーカー | クツワ | 220円 |