本日の一品

スマホのお供に1台5役のワイヤレスリーダー「MobileLite Wireless G2」

「MobileLite Wireless G2」

 今やスマホ全盛で、モバイルという言葉すら聞かないほどモバイル環境が一般的になってきた。スマホの役目が増えるに従って、バッテリーやストレージの容量など、スマホ本体に必要とされるスペックも向上してきた。起動するアプリも増え、ネットワークへのアクセスも増え、一日外出するとなると外付けバッテリーは必需品と言える。また、アプリはもちろん、写真や動画、音楽データなど、スマホで持ち歩きたいデータ量も日々増えていくので、ストレージの拡大のニーズも高まっている。

 どうせ外付けバッテリーを持ち歩くのなら、ついでにストレージ機能を付けよう。さらにカードリーダー機能やモバイルルーター機能を付けてしまおう、という発想でできたであろう製品が、「MobileLite Wireless G2」だ(以下、Wireless G2)。外付けバッテリーとして機能するほか、本体に備わったUSBポートとSDカードスロットにUSBフラッシュメモリーやSDカードを挿入することで、スマホから読み出せるワイヤレスカードリーダーとして機能する。さらには、Wi-Fi経由で音楽や動画をストリーミング再生することも可能。またイーサネットポートを備えており、インターネットにつながったイーサネットケーブルを接続すればスマホなどをWi-Fi接続できるポータブルルーターとして活躍してくれる。

内容物は、本体のほか、microSDを使用するためのSDカードアダプターとUSB-miniUSBケーブル
本体側面。左からバッテリーの充電状態、Wi-Fiの通信状態、イーサネット接続へのブリッジ、をそれぞれ示すLED。電源ボタン、リセットボタン、本体充電用のMicroUSBポート
こちらも側面。イーサネットポートにインターネットを接続することで、ホットスポットとして利用できる

整理すると、
1)モバイルバッテリー
2)メディアリーダー
3)外付けストレージ
4)簡易ストリーミングサーバー
5)モバイルルーター
と、だいたい5役を兼ね備えたデバイスと言える。

 実際の使い勝手を検証するため、旅行の際、iPhone 5sと共に持ち歩いてみた。本体サイズは、129.14×79.09×19.28mmで、重さは171g、バッテリー容量は4640mAhと、一般的なモバイルバッテリーと同等だ。一日の外出であれば、標準のバッテリーと合わせて概ね問題ない容量だ。

iPhone 5sとの比較。長さはほぼ同じで、カバンなどに入れておくのが苦になるサイズではない
SDカードスロットとUSBポート。音楽や動画のファイルを保存しておけば、スマホ上でストリーミング再生できる。スマホに保存した画像を転送することも可能

 ストレージやルーターとして利用するには、専用アプリ「Kingston MobileLite」が必要だ。複雑な操作は不要で、パスワードなどの設定を行えば、すぐにiPhoneから接続できた。今回の宿泊先は、インターネット環境は用意されているもののイーサネット接続のみでWi-Fiがなく、LTEも未整備という、Wireless G2を試すにはおあつらえの状況だった。部屋に来ているイーサネットケーブルを本体に接続すれば、すぐにWi-Fi環境が構築できた。なるほど、旅には重宝するデバイスだ。電源さえ確保しておけば、ルーターとして機能し続けてくれた。

 ストレージとして利用する際にもWi-Fiで接続する。スマホ内のデータを保存するには、アプリのメニューから「Copy from Photos」を選んで任意のファイルをコピーする。ただし、対象となるのは標準のカメラロール内の画像ファイルのみで、音楽やビデオ、また他のアプリで使用しているファイルなどのデータは、iPhoneからWireless G2本体やメディアにコピーすることはできない。USBメモリーやSDカードにあらかじめ保存しておいたデータは、読み出しが可能だ。音楽や映像をストリーミング再生してみたが、ストレスなく再生された。

専用アプリ「Kingston MobileLite」は Wi-Fiの設定、データの読み出し、スマホ内の写真の保存などを行う
アプリはメディアプレイヤーを備えており、メディア内のコンテンツを開くと再生する。iTunesのアートワークには非対応だった

 外部ストレージとしては、音楽やビデオなど、普段からスマホのストレージを圧迫しているデータをあらかじめメディアにコピーしておいて、視聴したいときにストリーミング再生する、という使い方になるだろう。複数のデバイスから再生することもできるので、スマホのほかiPadなどのタブレット端末を併用してもOKだ。なお、DRMコンテンツの再生にはSafariを使ってデータにアクセスする必要がある。メディアプレイヤーとしてのインターフェースはiTunesなどに比べて使い勝手がいいとは言えず、ストレージ確保が目的なら素直にiTunes Matchを利用した方がよさそうだ。パソコンとも接続可能だが、データのやり取りはUSBではなくWi-Fi経由で行う。

 大容量バッテリーの方が安心感はあるが、一日出歩く程度であればWireless G2でも大丈夫。重いデータはUSBメモリーで持ち運んでいれば、スマホからも読み出しや再生ができるし、大量の写真を撮影してもWireless G2にコピーしておけばスマホのストレージを圧迫しないで済む。いざという時はワイヤレスルーターにもなってくれるとなれば、旅先でも心強い。こんな感じで活躍してくれるWireless G2、どうせモバイルバッテリーを用意するのであれば、これを1台持ち歩くという選択肢はアリだろう。

製品名製造元購入場所購入価格
MobileLite Wireless G2キングストン上海問屋5999円

矢野裕彦