本日の一品
通信カーナビに買い替えて便利になったこと&戸惑ったこと
(2014/6/2 06:00)
実に10年ぶりに、マイカー用のカーナビを買い替えた。パイオニアの「楽ナビ」シリーズに属する「AVIC-MRP077」という機種だ。ワンセグチューナーに加え、小容量ながらバッテリーを内蔵しており、車から降ろしてもいろいろ使える。それでいて本体価格が実売5万円前後(取付工賃は別)。3年分の地図更新権が付いてこの値段なのだから、実に安くなったものである。自由市場&競争経済、万歳。
さて、この機種は、実売2万円前後の通信アダプター「ND-DC1」を増設することで、渋滞情報を3G通信で取得できるのが魅力だ。一般的なカーナビで渋滞情報を受信するには、FMのラジオ放送波を使うか、幹線道路や高速道路に設置されている光&電波ビーコンの下をくぐるしかない。なので、駐車場に止めておいた車を始動しても、すぐには渋滞状況を確認できない。
対して、AVIC-MRP077+ND-DC1の組み合わせなら、電源オンからものの1分で渋滞情報を受信してくれる。まぁ、受信したからといってその情報を100%活かせるかは別問題ではあるが、優越感はかなりのもの。切符対ICカード乗車券、有人の高速道路料金所対ETC───。なくても困らないが、一度使うと戻れない。まさにそんな感じである。ちなみに、3年分の通信料金がアダプター代に含まれている。
バッテリー内蔵のメリットもかなり大きい。車にキーを一切挿していない状態でもナビが動くので、同乗客を待っている最中にサクッと行き先検索を済ませておく…というような運用ができるのだ。つまり、カーナビ操作のためのアイドリングが一切不要になる。ナビを買い替えて3カ月ほど経った現在、最も便利になったと思う部分がここだ。
ナビの操作はほぼすべて内蔵タッチパネルで行う。そのため、赤外線リモコンは付属しない。これが結構戸惑う。当たり前だが、運転席でふんぞり返ったままだと、手が届かなくて操作できないのだ。また、右ハンドル車に取り付けた場合、左手側にナビが来るが、筆者の場合、文字入力やら地図スクロールを利き手でない左手で扱うのは大変。結局、身体をちょっとだけ傾けて、右手で操作する機会が増える。
また、AVIC-MRP077本体内蔵のボタンは「現在地」「メニュー」「AV」の3つだけ。ゆえに、音量調整がダイレクトにできない。一般道から高速道、はたまたその逆など、道路環境によって音量をこまめに変えたい身としては、ちょっとキツい。なお、筆者は「カスタム」という機能に音量調整を割り当てた。これだと、画面を2~3回タッチするだけで比較的簡単に音量調整できる。それでも走行中の調整は事実上無理なのだが。
このほか、スタンドにはジェスチャー操作用センサーが内蔵されている。手を「かざす」「右から左に振る」「左から右に振る」ことで、ショートカットメニューを呼び出したり地図の縮尺変更ができる。感度はなかなかで、誤検知もほとんどない。購入前の予想に反して、便利な機能だった。
肝心のナビゲーション精度に関しては、おおむね満足。地下駐車場から出てきたところなどで地図表示と現実の位置がずれるときが結構な確率であるが、それでもどうしようもないというレベルではなかった。ただし、筆者の場合は取付工事時に車速パルスを取得するようにしてもらっているため、精度が上がっていると思われる。
実際の道路誘導については、ちょっと不満あり。以前の機種は「最大で3つ先までの交差点右左折情報を一斉表示」してくれていたのだが、AVIC-MRP077は1つ先までしか表示してくれない。加えて、音声案内で交差点名を読み上げてくれないのだ! 「500m先、一口坂交差点を右方向です」ではなく、「500m先、右方向です」どまり。最近の潮流なのかも知れないが、これはかなり寂しい。
気に入ったところ、イマイチなところを書いておいてなんだが、10年使ったカーナビと、3カ月しか使っていないカーナビの機能を比べるのは、ハッキリいってフェアではない。ただ、「運転中に道案内する」というある種の極限状態では、イライラを感じやすくなってしまう。特に、操作性にはメーカーごとの差異がかなりあるようなので、皆さんももしカーナビを買い替えるときは、ある程度の慣れが必要であることを覚えておいたほうがいいだろう。
製品名 | 製造元 | 購入場所 | 購入価格 |
---|---|---|---|
AVIC-MRP077/ND-DC1 | パイオニア | オートバックス | 8万1050円(カーナビ+アダプター) |