本日の一品
もう元に戻れない、ATOMIC FLOYDのリモコン付き高級イヤフォン
(2013/9/9 06:00)
細かな違いを聞き分けられるほどの耳は持っていないと自負している筆者だが、やはりイヤフォンは値段相応の価値があるものなのだなあ、と思ったのと同時に、このままいくと将来イヤフォンに費やすことになるであろう金額を想像して、軽くめまいを覚えたのである。つまり、ATOMIC FLOYDのイヤフォン「SuperDarts +Remote」が、すごく良かったのだ。そしてもう元には戻れない。次に買い換える時は同等以上のイヤフォンでなければ満足できないのではないか……。
「SuperDarts +Remote」は、通常価格で3万3800円、量販店などで購入した場合でも2万円を軽く超える、iPhone、iPod touch、iPad向けの高級イヤフォンだ。発売日は2年近く前になるのだが、最近になってApple Storeでも取り扱われるようになったらしく、ある意味その性能はAppleのお墨付きを得られていることになったわけだ。
筆者がこれまで使っていたイヤフォンは、購入当時の価格にして6000円程のインイヤー型で、一般的には“安くない”部類に入る製品だと思う。それでもこの「SuperDarts +Remote」に差し替えてみたら、一発目でもう何もかもが違った。改めて言うが、ささいな音質の違いだとか、どこが良くてどこが悪いとか、そういうことについて筆者は正確に判断できないのだが。
ダイナミック型とバランスドアーマチュアを組み合わせた、ハイブリッド式デュアルドライバだから、それぞれの良いところでカバーし合って音の解像感を高めている、ということらしいけれど、その効果がわかるほど筆者の耳の解像度はそもそも高くない。それでも、筆者なりに感覚的に言わせてもらえば、低音の輪郭がキリッと引き締まり、ボーカルなどの中音域から高音域にかけてはほどよい音量でしっかり細部まで聞かせてくれる、という感じ。たぶん、そんな感じ。
パッケージに記載されている音質特性を見ると、低音と高音をふくらませているようだけれど、ボーカルが聞こえにくいことはなく、ベースが無理矢理強調されたり、高音がうるさく感じることも一切ない。元のイヤフォンに改めて付け替えてみたら、なんか中高音がものすごいシャリシャリしていて、頭が痛くなりそうに……。こんな音だったっけ? 長年の耳垢が堆積して音が変わっちゃったんじゃないの? と疑わずにはいられなかった。
ところで、「SuperDarts +Remote」は音質だけが取り柄ではない。ケーブルの素材のおかげか絡まりにくい点もグッドだし、なによりリモコン機能とマイクを備えているのがいい。再生、一時停止、曲の前後送り、ボリュームの調整を左耳の少し下あたりでパパッと操作できるというのは、実は以前からずっとほしかった機能でもあった。欲を言えば、より操作しやすいようにもう少し下の方にリモコンが付いていれば、と思ったのだけれど、リモコンがマイクも兼ねているから仕方のないところだろうか。
また、このリモコン兼マイクがあるおかげで、左耳側がやや重たいのがデメリットとも言える。じっとしている間は問題なくても、歩いていると振動と重みで左耳のイヤフォンがだんだん外れそうになっていくのだ。これについては、以前のイヤフォンに付属していたクリップを流用して、ケーブルの途中で服に固定することで解決できたのだけれど、どうせなら標準でクリップを同梱してくれれば言うことなしだった。
ちょっぴり気になるところもありつつ、格段に良さげな音を奏でてくれる「SuperDarts +Remote」にハマってしまった今となっては、少なくとも数年は他のイヤフォンに乗り換える気は起きないけれども、今後はいかに大事に使って長持ちさせるかが財布的に重要になってくる。耳が一度“イイ音”に慣れて、リモコンの使い勝手にも慣れてしまったら、もう元には戻れないのだ。こういうハイクオリティ・高機能なイヤフォンは、買うかどうか事前によくよく考えるべきだと、みなさんには僭越ながら申し添えておきたい。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
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SuperDarts +Remote | ATOMIC FLOYD | 3万3800円 |