本日の一品

「dstick」を使えば、リビングで楽しめる

HDMI端子に装着する「SmartTV dstick 01」

 最近、携帯各社からテレビ向けの機器が発売されている。各社に共通するのは、ネット経由での映像配信サービスを利用するスティック型端末だ。いわば、これまではスマートフォンで楽しむ形だった映像サービスを、テレビでも利用できることになる。

 今回紹介するのは、ドコモの「SmartTV dstick 01」。ドコモの映像配信サービスである「dビデオ」(月額525円)や「dアニメストア」(月額420円)、楽曲聴き放題サービス「dヒッツ」(月額315円)をテレビでも視聴できるようにするデバイスだ。またDLNA経由でパソコンなどのコンテンツを利用することもできる。月額の機器利用料はかからない。端末としての詳しい操作感などについては、僚誌「AV Watch」のレビューもぜひご覧いただきたい。

 利用できるサービスの1つである「dビデオ」は、古今東西の映画・TVドラマ、あるいはオリジナルコンテンツを楽しめる。10年以上のスカパー!ユーザーで海外ドラマをよく視聴している筆者にとって「dビデオ」の海外ドラマのラインナップは「かつての人気番組」が中心でちょっと物足りないが、映画のほうは未見の作品も多くて楽しめる。実際にスマートフォンで使ってみると、ワンクリックで直接コンテンツをダウンロードできるというのが便利なのだ。

 そして、「dstick」を導入すると、そうしたコンテンツをより大画面で、家族と一緒に楽しめるようになる。たとえば自分が楽しむ主なコンテンツは映画で、子供には「dビデオ」で配信されているタツノコプロのアニメや「仮面ライダー電王」などを見せる、といった使い方もできる。

初期設定は簡単
トップページにあたる画面

 導入プロセスはとにかく簡単で、テレビのHDMI端子に接続してアプリをダウンロードし、「dstick」にWi-Fiの接続設定を行うだけ。このとき、テレビのHDMI端子周辺のつくりによっては「dstick」が装着しづらいかもしれない。

スマホアプリがポインティングデバイスに

 その操作感、あるいは「dビデオ」のコンテンツラインナップなどで、ちょっと改善を望みたい部分がいくつかある。たとえば「dstick」で「dビデオ」上の映画を観る場合の流れはちょっと煩雑で、毎回、画質を選択するのも面倒だ。またラインナップの中から作品を探す際、公開時期などでソートできないのは探しづらい。そしてマイリスト(お気に入りリスト)への登録数が表示されて、人気の指標になっているようだが、それも(旬な情報かどうか、という点を含め)ちょっと分かりづらい。もう1つ今回視聴したコンテンツ(スタートレック・エンタープライズや仮面ライダー電王)では、42インチのテレビに映し出した場合、「かなりきれい」という最上位の画質をチョイスしても、ややモヤッとした画質、という印象を受けたので、フルHDなコンテンツの登場にも期待したいところ。

 さて、先述したように、「dstick」は、これまでスマホで楽しんでいた「dビデオ」のようなサービスを、宅内のテレビという、より大画面で観られるようにする端末だ。大画面で観ることで、自分だけではなく、家族や友人など、“誰かと一緒に”楽しめるようになる。

 「dビデオ」は月額525円。この料金で、約1800本の映画、約600のテレビドラマなどを視聴でき、8925円の「dstick」を入手すれば、これまで個人で楽しんでいたサービスの用途が大きく拡がる。以前から「Hulu」や「Apple TV」といったサービス、製品は存在してきたが、「dstick」のような端末が登場することで選択肢が増えてきた。新生活を迎える人も多いこの春、注目したいサービス&デバイスだ。

製品名提供元店頭価格(見込み)
SmartTV dstick 01NTTドコモ8925円

関口 聖