本日の一品
ハヤカワの“トールサイズ”に対応した革製ブックカバー
(2012/12/19 06:00)
文庫本のブックカバーは、店頭で付けてもらえる紙製のものから、雑貨屋で売っている革製のブックカバーまでさまざまだが、何気なく買ったカバーが入らない変則的なサイズの文庫本というものが存在する。SFやミステリーで有名な早川文庫は、近年になって文庫本を「トールサイズ」と称する少しだけ縦に長いサイズに変更し始めており、新たに発売される文庫本は基本的にこのトールサイズなのだ。これが、一般的なブックカバーにはまず入らないサイズで、かといって新書サイズのカバーを使うとカバーが大きすぎるという実に微妙なサイズなのである。
こうしたことから、ハヤカワのトールサイズの文庫でブックカバーを使うには、何気なく買うのではなく、明確に「トールサイズ対応」を謳った製品を選ぶ必要がある。とはいえ、すでにトールサイズ対応の製品はインターネット上で検索すれば見つかるので、購入自体は簡単なのだが、店頭ではまだまだマイナーな部類のようだ。
そんな中、東京・新宿の「BIBLIOPHILIC」という本や読書グッズ、本棚やメンテ用品までを専門に扱うお店が、トールサイズ対応のオリジナルブックカバーを発売したという情報を見かけたので、さっそく店舗を訪れて購入してみた。通信販売でも購入できる。
購入したのは「LEATHER BOOK COVER ハヤカワ文庫トールサイズ」で、カラーは4色のうちからライトグレーを選んでみた。ほかのカラーはビリジアングリーン、ブラック、ワインレッド、ネイビーで、全5色のラインナップだ。すでに同店でラインナップされている通常サイズの文庫用ブックカバー「LEATHER BOOK COVER 文庫判」を、ハヤカワのトールサイズに対応させたというのが本製品で、基本的な特徴は「LEATHER BOOK COVER 文庫判」と共通だ。
このブックカバーシリーズは「BIBLIOPHILIC」のオリジナル商品で、「手と本の一体感にこだわった」と紹介されているように、薄く、柔らかく仕上げられた革が特徴。革製カバーにありがちな、手に感じる厚みや曲げにくさは皆無で、サラサラのスエードの手触りが心地良い。製品情報ページによると、あえて縁を縫わない仕様になっているとのことで、裏地も無い一枚の革は、ヒラヒラとした印象すらある。
国産のピッグスエードを用いて、国内の老舗皮革メーカーが製造しているとも紹介されており、品質面でもこだわっているようだ。外側に露出する面にロゴや印字、刻印は一切無く、シンプルな外観なのも好印象だ。
裏表紙側のカバーの折り返し部分は、袋状になるようバンドに挟むのが一般的だが、このブックカバーにそうしたバンドは無い。これは、折り返し部分をそのまましおりとして使うためという。薄く柔らかい革を使った本製品ならではの仕様といえる。もっとも、本自体をラフに扱うと折り返し部分がペロンと出てくることがあるので、特にしおりとして挟んでいる時は気をつけたい。表紙側を入れる袋部分はかなりタイトな設計で、初めて使う時は焦ってしまったが、少し伸ばしてから入れるのがよいようだ。
ブックカバーはたくさんの種類が販売されているが、一枚の革がピタッと本に吸い付くようにフィットするのが本製品の魅力。しおりが別途不要なのも個人的には嬉しい点だ。ゴツいカバーのあの存在感が頼もしい、という人には向かないが、軽くしなやかなブックカバーを好む人にはオススメできる。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
---|---|---|
LEATHER BOOK COVER ハヤカワ文庫トールサイズ(ライトグレー) | ディスクユニオン(BIBLIOPHILICブランド) | 2200円 |