最新のEye-Fiで写真をスタイリッシュにチェックしたい!
「Eye-Fi Pro X2 16GB」 |
パッケージ内容 |
大容量になって転送速度も向上したという「Eye-Fi Pro X2 16GB」が11月14日に発売された。「Eye-Fi」と聞くと、なぜかふと、昔とある撮影スタジオにお邪魔したときのことを思い出す。港の倉庫のように高い天井で、だだっ広いスペースの中央に、ものものしいアームに取り付けられた巨大な業務用デジタルカメラと大画面PC、そして被写体の小道具が鎮座する中、フォトグラファーがシャッターを切っては瞬時にPCの画面に映し出される画像を確認しつつ、手際よく撮影を進めていく光景に、感動した。
このときはおそらく有線で画像を転送していたのだと思うが、もう6年も7年も前の話である。そろそろワイヤレスで「撮影した瞬間に大画面でチェック」できる一般向けの機材なり、技術なりが安価に使えるようになっていてほしい。なのに、同じことを実現できそうなニコンのワイヤレストランスミッターと呼ばれるものは、これまで高価だった(10万円もする)し、個人的に所有しているデジカメ、ソニーの「NEX-7」向けにはそんなアクセサリーは存在しない。「NEX-7」を購入した直後にはWi-Fi機能を備えた「NEX-6」「NEX-5R」が発表されるしで、なかなかうまい具合にチャンスが巡ってこなかった。
そんなわけで、ずいぶん前からそういう“撮って出し”的なスタイルに憧れていたのだけれども、少し前に「Eye-Fi Mobile X2」を試す機会があり、あ、これはけっこう理想に近いことができるんじゃない? と遅まきながら思ったのだった。しかしながら、メモリ容量が最大でも8GBと少なく、「Mobile X2」ではRAW形式の画像を転送できないことが問題だった。スタジオやオフィス内で撮影するだけならまだしも、遠方取材時に使うことも考えると、8GBの容量はやや不安。それに、大学時代は写真部員だったにも関わらず、お世辞にも上手とは言えない撮影テクニックのせいで、あとで幅広く調整のきくRAW画像(での撮影)は今や手放せない。できればRAW画像もサクッと転送できるようにしたいところ。
「Eye-Fi Mobile X2 4GB」と「Eye-Fi Pro X2 16GB」 | 使い始める前に、アダプタを使ってPCと接続し初期設定を行う |
前置きが長くなってしまったが、そんなときに突如発表された「Eye-Fi Pro X2 16GB」は、RAW画像の転送ができるPro X2シリーズで、大容量を実現。しかも数量限定発売ときたものだから、もう買うしかないと思った。本当は、同時期に発売されるはずだったタブレット端末「Nexus 10」と組み合わせて、撮影した瞬間に高解像度の10インチ画面で写真チェック! みたいな姿を想像していたのだけれど、「Nexus 10」が発売予定日になってまさかの国内発売を延期。仕方なく、手元のAndroidスマートフォンとMacBook Airで試してみることにした。
結論から言えば、JPEG形式で撮影する限りは、想像通り個人的にはかなり理想的な撮影スタイルを達成できる感じだ。特にダイレクトモードだと、高解像度の画像でも、早ければ撮影後数秒ほどでスマートフォンの画面にフルスクリーン表示できるので、これがタブレット端末ならさらに快適にチェックできるに違いない。しかし、MacBook Airの場合、Mac用の専用アプリケーションには画像データ受信後に自動でフルスクリーン表示する機能がないため、画像を選んで表示するという手間がかかってしまうのが難点。データ受信の速度も、やや遅く感じる。やはりAndroidタブレットと組み合わせて使うのがよさそうだ。
スマートフォンでは、早ければ数秒でJPEG画像が画面表示される | 受信時に画像をフルスクリーン表示するよう設定するのも忘れないようにしたい |
問題はRAW画像の扱いだが、ファイルサイズが大きいためにデータ転送にかなり時間がかかってしまい、サクサク確認するというわけにはいかない。ある程度予想していたとはいえ、ちょっと残念。とりあえず、失敗したカットがあってもすぐに気付いて撮り直せるので、オフィス内でのブツ撮り時はJPEGでもいいかなと思える。画像編集なしを前提にすれば、もっと解像度を落としてファイルサイズを小さくすることで、いっそう快適になるはず。
都合のいいことに、仕事で使っているニコンの「D7000」というモデルは、SDカードを2枚差しできる。Eye-Fiと普通のSDカードの両方を装着しておいて、オフィス内では随時チェックしつつ撮影、外出先では容量を気にせずにRAWでバンバン撮りまくる、というやり方で、これからはますます撮影が楽しくなりそう。ただ、無駄撃ちすればするほど、そのぶん後で画像転送や整理に時間がかかるので、撮影の腕も上げないといけないわけだけれど。
デュアルスロットのD7000で、これからもガンガン撮りまくりたい |
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
Eye-Fi Pro X2 16GB | Eyf-Fi | 9060円 |
2012/11/22 06:00