さまざまな種類の刃が使い分けられる替え刃式ノコギリ


「スーパー技工替刃式鋸」。刃部分を覆うプラスチック製のケースが付属する。替刃の価格はAmazonでは840円だ

 角利の「スーパー技工替刃式鋸」を購入した。刃渡り21cmの小振りな片手用ノコギリである。製品としては用途別に数種類のバリエーションが用意されていたが、今回は一般木材、合板、竹、塩化ビニルといった材質に幅広く対応する「万能用快速目」を選んだ。

 このノコギリを手に、まず挑んだのが不要になった半透明プラスチック製衣装ケースの分解だ。大きさが中途半端で粗大ゴミとまではいえず、かといって普通に処分するのは気が引ける。ならば適当なサイズに切り分けようというわけである。

 ハサミやカッターでは文字通り歯が立たない材質だったため、筋肉痛程度は覚悟して作業にのぞんだのだが、結果は拍子抜け。たいした苦労もなく、サクサクと切れてしまった。「快速」の銘はダテではないようである。

 予想以上の使いやすさに気をよくし、続けて手近にあった竹の棒を切ってみる。硬くて滑らかな表面に刃を当てると、やはり切り始めの位置を安定させるのがむずかしい。しかし、刃先が少し喰い込んでからはプラスチックと同じように易々と切り進むことができた。使い勝手や切れ味はまったく不満を感じないレベルだ。

 スーパー技工替刃式鋸は、全長約35cm、重量約180g。刃とハンドルの境目あたりに重心があり、手に持ったときのバランスに優れている。刃渡り21cmは少々短いかと思われたが、薄い刃は板バネのようにたわむことがあるので、ノコギリを扱い慣れていない筆者にはちょうどよかったようである。これより長ければ、まっすぐ切り込むのに苦労しただろう。

 背の部分にあるレバーは、刃を着脱するためのものだ。引き起こすだけで簡単に取り外せ、倒し込めばしっかりとロックされる。刃の切れ味が落ちたら簡単に交換できるという便利な構造だが、これには別の大きな利点がある。作業内容に合わせて、多彩な刃を使い分けることができるのだ。

 「スーパー技工替刃式鋸」はバリエーションが豊富で、「万能用快速目」のほかに、「一般木材用」「合板・コンポジットパネル用」「竹用」「塩化ビニル・アクリル用」「小枝剪定用」、さらには「レンガ・ブロック用」や「ガラス用」といった特殊なものまで取り揃えられている。これらの替え刃は、大きさや形状が共通しており、すべて同じハンドルに取り付けられるのだ。

 また、姉妹品の「技工シリーズ」とも互換性があり、角形の長いノコギリ刃や両手用ハンドルとの組み合わせも可能とのこと。本格的なDIYをはじめとして、ガーデニングなどにも利用価値が高い、システムアップできるノコギリなのである。


全長約35cm、重量約180g。重心が刃とハンドルの境目あたりにあり、とても扱いやすい木材、合板、竹、塩ビ等の切断に対応する万能用快速目。刃は炭素工具鋼製で厚さ0.6mm
ハンドルに内蔵されているレバー式ロック機構。手荒く扱ってもガタ付くことはなかったハンドルは肉厚の樹脂製で滑りにくい。グローブをした手で握り込むのにも適している
不要になった衣装ケースの解体に挑戦。薄手のプラスチック素材なら難なく切断できる表面が硬い竹材は滑りやすく、切りたい位置に刃を食い込ませるのがむずかしかった
切断面は滑らかで仕上げの手間が省けそう。段が付いているのは筆者の腕が悪いため

 

製品名製造元購入価格
スーパー技工替刃式鋸 万能用快速目角利産業1422円

 

 

(サイトウシゲキ)

2012/11/21 06:00