思わずポチったHDDの格好をした8GB USBメモリー「TCELL」


 平成24年、秋葉原を少し散策すれば、何の変哲もない実用的デザインの4GB USBメモリーはたったの390円で買えてしまう時代となった。個人サービスも企業もクラウド化が進む現在、大きなファイルを人に渡すのも、無料で何GBも使えるオンラインストレージを利用すればごく簡単にシェアできる時代となった。

 大容量・低価格化の一途を辿るUSBメモリーは、圧倒的な価格容量比のストレージメディアとなった。しかし一方で、現代は個人が自由に使える無料オンラインストレージサービスが数多く提供されている。USBメモリーを、パソコンやタブレット端末など母艦となるマシン無しでは利用できないデータストレージと捉えるなら、大容量だがそこそこ高価なUSBメモリーは、マーケティング的な存在意義を確実に失いつつある。

 そんな“USBメモリー危機到来時代”が到来したことで、市場にUSBメモリーを提供している多くの企業は、クラウド上のオンラインストレージでは決して真似のできないウルトラアプローチを開始した。今回、ご紹介する「指先サイズのハードディスク型USBメモリーMINI HARD DISK USB DRIVE 8GB」(以降TCELL) は、そんな彼らの「新おちゃらけ戦略」を理解するに必要十分な一品だ。

気に入ってしまった筆者は同時に2個も買ってしまった一番下の黒い3.5インチのハードディスクが異常に大きく見える。2段目はハードディスク・スタイルのカバーを取り付けた筆者のiPhone4。一番上に載ってる小さなHDDがTCELL

 TCELLの外観は、秋葉原でパーツを買い集めて、一度でもPC互換機を組立てたことのあるユーザーなら目にしたことのある伝統的な「ハードディスク・ドライブ」のイメージだ。一番の違いは、そのサイズだ。過去の代表的な3.5インチのハードディスクに比較して見れば一目瞭然だが、TCELLは異常に小さい。

 そのサイズはジャストSDメモリーカードサイズだ。普段は本体に隠れて見えない状態になっているUSBプラグ部分はTCELLの裏側中央のスライドスイッチを押し出せばスムースに露出する。そのままパソコンのUSBポートに挿入すれば8GBのUSBメモリーとして認識動作する。

 TCELLは今までありそうで実は全くなかった、ハードディスクの外観をしたミニチュアUSBメモリーなのだ。本体表面に描かれたTCELLのブランド・ロゴや、一般的なハードディスクの表面に記述されているCEやFCCの認証マーク。取り扱い注意や廃棄の際の取り決めを明示するアイコンなど、本物のハードディスクのイメージをそのまま縮小したラベルが貼り付けられた”リアリティ”が、マニアの「無性に欲しい心」を強烈に刺激する。

 古くはドイツの鉄道模型「メルクリン」で散々お目にかかっているはずのありきたりなミニチュアライゼーションの典型的なアプローチだが、ハードディスクの外観をしたUSBメモリーに適用するという表現方法があったとは不覚にも全く気づかなかった。TCELLは今、最もホットなUSBメモリーに違いない。人と話すことが仕事という方は、話のネタのひとつとしていかがだろうか。

TCELLの物理サイズはSDメモリーカードとぴったり同じ。ゼムクリップと比較してその小ささが理解できるだろう。USBプラグを押し出した状態のTCELL


パソコンのUSBポートに接続するとキレイにLEDライトが点灯する次から次へと登場する「面白USB」の世界はなかなか足を洗えない(^_^;)


商品名実売価格購入場所
指先サイズのハードディスク型USBメモリー
MINI HARD DISK USB DRIVE 8GB
2980円amazon.co.jp




(ゼロ・ハリ)

2012/5/22 06:00