長さも測れる孫の手か、背中も掻ける定規か「COMFORT RULES」


筆者は友人にもプレゼントするつもりでCOMFORT RULESを3本購入した

 スリムで、体が柔らかく、手の長い人なら、背中のどの位置にでも指先の爪が届くのかどうか、生まれてこの方痩せていた時期がない筆者にはとんと見当がつかない。体型がふくよかか、少しでも手の長さが短ければ、背中の中心部が痒い時には少し厄介だ。

 熊が背中の痒い時に、立木を利用して何百kgもの巨体をゴシゴシ押し付けている映像を見たことのある方も多いだろう。人間も身の回りに背中を掻く道具が何もなければ同じ行動を取るだろうが、熊よりもほんの少し大脳の大きな人間は、そういうケースを想定して、多くの人類が必要としている伝統的な「背中を掻く道具」を長い歴史の中で考案した。元来は、古い中国の書である「神仙伝」に登場する爪の長い仙女・麻姑(まこ)がそのモデルだ。

 その昔、後漢の蔡経が、“麻姑の長い爪で背中の痒いところを掻いてもらったら、さぞや気持ちがいいだろうなぁ~”なんて、思わず軽はずみな発言をして、偉い仙人から怒られたと言うのがルーツらしい。それが日本に伝承され、長い時をかけて、“親孝行”と“可愛い”というハイブリッドイメージである「孫」に変化していったのだろう。

 今回、ご紹介する一品は「COMFORT RULES」(安楽定規)という現代の日本で言う「孫の手」だ。本来、「孫の手」は英語圏では、もっと直線的な表現の「Backscratcher」(背中掻き)と呼ばれているが、COMFORT RULESは、「定規のように長さも測れる」というのが他のバックスクラッチャーとの大きな差別化ポイントなのだ。

 実際に、突然背中が痒い時には、柱やドアの角、そこら辺に転がっている長いものなら何でも手当たり次第に使いたくなるのが普通だ。成人が普通に無理なく孫の手を使うには、ある程度の長さが必要だ。人間の標準的な体型から言って、背中をかくツールは30cm以上50cm以下であることは想像できる。

 標準的な孫の手の長さを実測してみると、多くは約40cm強だった。COMFORT RULESは実測36cm。実際に使ってみたが、手が回り込みにくい背中の中央部分にも十分届く実用商品だ。

 自宅のデスク上に1本、オフィスのデスクにも1本、モバイルに1本、COMFORT RULESは、「長さも測れる孫の手」か「背中も掻ける定規」か、簡単には結論づけは難しい商品だが、人類すべてに必要なガジェットの枠を超えた実用商品であることは確かだ。

明らかに多目的なCOMFORT RULESは平均的な30cm定規よりも長いしかし、本物の孫の手と比較すると数センチ短い。真ん中の白い棒は、孫の手が行方不明になった時に、自分で調整し、代用した突っ張り棒。不思議と長さは孫の手と同じだったちょっと短めだが、使い勝手は悪くない


商品名実売価格購入場所
COMFORT RULES525円楽天市場内「Sincere Inc Store」


(ゼロ・ハリ)

2012/4/10 06:00