ソーラーで動く電波時計兼温湿度計 セイコー「SQ425S」


セイコークロックの「SQ425S」

 先日、セイコークロックの「SQ425S」という製品を購入した。購入価格は5170円。壁掛け・据え置き両用の電波時計で、表示はデジタル式。最大の特徴はソーラーパネルと補助電池(CR123A)の併用によって、明るい場所であれば約4年の連続駆動を実現している点だ。

 個人的には「ソーラー」と聞くだけでワクワクしてくる方だが、購入するにあたって最も重要視したのは、実は温度・湿度も表示してくれる点。節電のためにエアコンの設定温度を変えるにあたって、室内の温度を細かく知っておきたいし、湿度計に至ってはまともに利用した経験がなかったので、時計を買ってさらに温度・湿度も測れれば一石二鳥ではないか、と思った訳だ。

 当然といえば当然だが、使うにあたって難しいことはない。補助電池もセット済みなので、パッケージから出して本体裏面の電源スイッチをオンにすれば、すぐに温度・湿度が表示される。それから数分~数十分もすれば、標準電波を受信し、時刻の表示も正確になる。もちろん手動での時刻合わせも可能だ。

時刻表示部の下にソーラーパネル。ただし、実際の使用にあたっては補助電池が必須背面には収納式スタンド

 時刻表示部右側のマークは、標準電波の受信ステータスだ。点滅していると電波の受信中を意味し、24時間内に一度でも正常受信できた場合は点灯し続ける。消灯は受信失敗。さらに、福島県のおおたかどややま標準電波送信所からの電波を受信した時は「E」、佐賀県のはがねやま標準電波送信所からの電波を受信した時は「W」と表示される。

 ちなみに、わが家は関東にあるが、手動で電波再受信を行うと稀に「W」の表示がでる。仮にどちらかの送信所でメンテナンス停波があっても、地域によってはもう一方の送信所の電波で対応できるようだ。なお、福島の送信所は福島第一原子力発電所の事故に伴う避難措置、その後の落雷などで長期間停波になっていたそうだが、現在は運用が再開されている。

 また、購入の目的だった温度表示だが、十分役立っている。エアコンの設定温度を1度変えると、「SQ425S」の温度表示も1度程度は簡単に変動するわけだが、場合によっては、温度設定を1度下げても実際の室温が0.2~0.3程度しか変わらない時もある。それならば設定を戻そうとか、いろいろな対応ができる。このあたりは0.1度単位で確認できるデジタル温度計の強みだろう。

 筆者の環境で試行錯誤してみた限り、実際の室温が31度を超えると急に汗が気になり出すこともわかった。このことから、仕事をする際は、エアコンの温度設定を「自動+1~2度(高い)」などにし、室温30.5度前後を維持。余暇を過ごす時にはもう1~2度高めるのが節電を意識した運用の限界かな、と感じている。

 シンプルな製品だけにほとんど不満はないが、強いて言えば「ソーラー駆動してるかどうか」を示すマークのようなものが表示されればなお便利だと思う。スペック的には200ルクス程度の場所であれば問題なく動作するようだが、外見上はソーラー駆動なのか補助電池駆動なのか判別できない。補助電池の交換時期の目安にもなるし、将来的にはぜひ検討してほしい機能だ。

 温湿度計付き時計はかなりポピュラーな製品で、目覚まし型やアナログ(針表示)式の掛け時計型なども含めると、各社から相当数がリリースされている。デザインは選びたい放題だし、ソーラー駆動にこだわらなければ小型モデルが1000円台で買える。職場に温度計がないケースは意外に多いように思う。湿度計は冬場の乾燥対策にも有益で、身近な場所に1つ用意しておけば、通年で何かと重宝するのではないだろうか。

背面のボタン類壁掛けも可能

 

製品名製造元購入価格
SQ425Sセイコークロック5170円

 

 




(森田 秀一)

2011/6/28 06:00