被写体の上に置いてスキャンするハンディスキャナ「スキャモビーム」
一般的にスキャナといえば、台の上に置いた原稿を下から読み取る「フラットベッドスキャナ」か、シートフィーダで原稿を送って読み取らせる「ドキュメントスキャナ」のいずれかを思い浮かべるのではないだろうか。いずれも長所短所があり、原稿や被写体の性質によって使い分けられている。
さて、上記の2種類のスキャナのいずれもが苦手とする被写体がある。ひとつは立体物、もうひとつは布のようにちょっとした力加減で形状が変化するモノだ。従来のスキャナではなかなか対応しづらいこれらの被写体の取り込みを、被写体の上にスキャナ本体を載せるという逆転の発想で解決したのが、今回紹介するハンディスキャナ「スキャモビーム」である。
製品パッケージ。ケータイへの送信機能を省いた「スキャモ」もラインナップされる | 製品本体。面積は303.5×170ミリと、A4を若干細長くしたサイズ |
構造自体はごくシンプルで、フラットベッドスキャナをうつぶせにしたものと考えれば分かりやすい。スキャナ部は透明になっており、被写体に載せた状態でもそれらの様子が確認できるので、位置の調整や修正をするのに重宝する。今回はiPodの画面を直接取り込んでみたが、台形補正が必要ない真上からのスキャン画像を撮れた。発色は補正してやる必要がありそうだが、こうしたガジェット類の画面撮影にも使えそうだ。
取り込んだ画像については、本体のスロットに挿入したSDカードに保存できるほか、赤外線通信でケータイなどに転送することも可能。また、ピクトブリッジ対応のプリンタに接続して直接印刷もできるので、古い写真を本製品で取り込み、再度プリンタで出力するといったワザも使える。
製品パッケージを見る限りでは、本格的なスキャニングツールなのか、それともPCレスで楽しむデジタルガジェットなのか、位置づけがやや微妙な印象を持ったが、スキャナとしての機能はそこそこ本格的で、ボタン類の役割も明快なので、年齢を問わず楽しめる。メーカーサイトによると製品自体はまもなく終息するようなので、興味のある人は早めにチェックされたい。
ファインダーのサイズは101×149ミリと、およそハガキ大。今回はiPodのスキャンに挑戦 | スキャンの様子は上から見ることができる。ちなみにセンサーはLED2灯式密着センサー、解像度は300dpi。読み取りの速度もストレスがたまらないレベル |
赤外線通信を利用してのケータイへの転送を選択してみた | 転送完了。ケータイの液晶のせいでやや色が褪せているように見えるが、取り込みは正常に行われている |
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
スキャモビーム | 理想科学工業 | 2万4800円 |
2009/7/14 10:59