本日の一品
手堅い作りのBluetoothヘッドフォン「GLIDiC Sound Air WS-5000」
2017年5月25日 06:00
スマートフォンユーザーのための周辺機器ブランド「SoftBank SELECTION」に、ヘッドフォン専門のサブブランド「GLIDiC(グライディック)」が新たに登場した。
筆者は以前、「SoftBank SELECTION」のハイレゾヘッドフォン「SE-5000HR」をご紹介した。ハイレゾながら1万円を切る価格。それでいて素直でフラット、厚みのあるサウンドは低価格を感じさせない良品だった。その後に立ち上がった「GLIDiC」ブランドでは、従来のラインナップに加え、Bluetoothワイヤレスヘッドフォンをいくつか投入している。今回はその中から「GLIDiC Sound Air WS-5000」をご紹介したい。SE-5000HRと同じくハイコストパフォーマンスを強く打ち出した製品だ。
「WS-5000」は、イヤホンとリモコンとケーブルだけでつくられた、シンプルかつコンパクトなBluetoothヘッドフォンだ。ケーブル長は約0.6mでかなり短い。長さはアジャスターでもっと短く調節できるので、付属のポーチに収納してもからまりにくく、小柄な女性にもあつかいやすいサイズだろう。
バッテリーは重さのバランスを考慮し、左右のイヤホンのハウジング部に内蔵しているとのことだが、知らずにつけたら気づかないほど自然。使っていてすぐ電池切れになるようなこともなく容量も充分だ。
一方で、大きめのアルミニウム製のハウジングに、そのケーブルの短さもあいまって、そのままでは耳から外れやすい。そこでWS-5000には4サイズの豊富なイヤーピースと、脱落防止用のスタビライザーが付属している。筆者はスタビライザーを付け、左耳はLサイズ、右耳はMサイズのイヤーピースを使い、事前に鏡の前で念入りに微調整することで、とても快適な装着感になった。イヤーピースとスタビライザーで使い勝手がグッと変わるのはポイントとして強調しておきたい。
リモコン部はマイク付き。各種音声通話はもちろん、Siriなどスマートフォンの音声コントロールもOK。ただ、ケーブル全体が短いので、イヤホン部とリモコン部の距離が無い。装着するとリモコンは首の横の死角になる部分にくるため、手さぐり操作になり、扱いにちょっと慣れがいる。リモコンを見ずに操作するためのボタン形状はもっと工夫があって良いだろう。
音色は前作SE-5000HRゆずりのプレーンでフラットなタイプ。中音域を重視した音作りは「GLIDiC」全体のコンセプトだろうか。音源のミックスをそのままの味で出してくるので、どの音楽ジャンルでもソツなくこなす。“音への没入感”というのか、他にくらべ、音楽再生中に周りの音が気にならないヘッドフォンだなと筆者は感じた。再生周波数帯域は20Hz~20kHzで、残念ながらハイレゾ非対応。次回作はハイレゾ級Bluetoothヘッドフォンへの、意欲的な価格帯での挑戦を期待したいところだ。
以前リポートしたワイヤードの前作と同じく、ワイヤレスなWS-5000も、変わらぬ手堅い作りだ。コスパ重視にありがちな安っぽさはなく、付属品への気配りも細やかで高いバリューを感じる。
だが優等生ではあっても「個性的」な製品ではない。今の群雄割拠といえるヘッドフォンマーケットのなかで、「キャラが薄い」のだ。
個人的には、こういう地味でも手堅い製品は本当に好みだ。「GLIDiC」がこの手堅い路線で成功し、製品のブラッシュアップを重ね、ユーザーの信頼を得ているブランドとして、確固たる地位を築いてくれることを願いつつ、今後の動向に注目している筆者である。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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GLIDiC Sound Air WS-5000 | ソフトバンクコマース&サービス | 7250円 |