本日の一品
お手頃価格になった「PORTABOOK」で、快適な“モバイル執筆”を
2017年1月10日 06:00
訪問先、カフェや電車の中など、出先でしっかり文章を書こうと思うと、選択肢の1つには「スマートフォン+ワイヤレスキーボード」の組み合わせが挙がるだろう。今回はあえてスマートフォンではなく、ノートパソコン「PORTABOOK(ポータブック) XMC10」をご紹介したい。
2016年2月の発売当時は、実売で9万円程度と、購入になかなか覚悟が必要な価格が一番のネックだった。それが先月(2016年10月)、各販売店が一斉に値下げして、2万3000円程度で手に入るようになった。
筆者はこれまで、Bluetoothキーボードで「本格スマホメモ」を何度か試みてきたが、今のところはスマートフォンの進化を待とうという結論に落ち着いている。理由はいくつかあるが、一番大きいのはアプリの不十分さだ。日本語で十分に使えるテキストエディタの充実度や、ファイル管理の手軽さも考えると、やはりWindowsの方がベターだ。画面が小さく、LINEやSNSの通知も来るスマホでは、執筆に集中できる工夫もほしいところ。
持ち運びに適していた執筆専用マシンというと、キングジムの「ポメラ」を思い浮かべる読者も多いだろう。「ポータブック」は、そのポメラの携帯性をそのままに、Windows 10搭載パソコンに仕上げた製品だ。
特徴は折りたたみ式の変形キーボードを搭載すること。持ち運び時は幅×高さで200×150mmとコンパクトにまとまり、使うときは展開して約265×100mmのキーボードが現れる。キーはそれぞれ独立しており、キートップが凹んだ構造で軽快に文字入力できる。
キーボードの中央には「フィンガーマウス」を備える。操作には少し慣れが必要だが、マウスなしでポインターを動かせるのは便利だ。
CPUは「Atom x7-Z8700」で、メモリは2GB、ストレージは32GBと、言うならばWindowsタブレットと同じような構成だ。ディスプレイは8型で、タッチ操作には非対応。ディスプレイ出力はVGAとHDMIの2系統、USBポート1基にSDカードスロット搭載と、端子は意外と充実している。
充電端子はmicroUSBで、2.1A給電のモバイルバッテリーから直接充電できる。動作時間は5時間と、やや心もとないため、モバイルバッテリーが欠かせないだろう。
OSにWindowsを搭載したことで、好みのテキストエディタを使えるのはもちろん、ATOKやGoogle日本語入力など、文字入力エンジンも自由に選べるのもメリット。筆者は、Webサイトを参照しながらテキストを執筆する用途に活用している。
「ffphrase」という、Windows用のクリップボード支援ツールも動作するので、普段の執筆環境と同じような構成で気軽に文章を書けるようになった。OneNoteやGoogle Keepなどを活用してクラウドメモマシンとして利用するのも便利だ。
ただし、動画閲覧や画像編集など、負荷がかかる処理には向いていない。出先で本格的な文字入力をするためのマシンと考えるべきだろう。多少の割り切りは必要だが、快適なモバイル執筆環境を求めるユーザーにはぜひ試してみてほしい一品だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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PORTABOOK XMC10 | キングジム | 2万3533円(税込) |