本日の一品
文字通り“字引き”する電子辞書、ペン型スキャナー辞書「ナゾル」
2017年1月5日 06:00
「字引く書なり」……だから「辞書」は英語で「dictionary」、なんて昔よくいったもんですが。
シャープから発売されたペン型スキャナー辞書「ナゾル」は、まさに文字に線引くかのように、かろやかに使える電子辞書。キータイプしかない旧来の電子辞書に新しいスタイルを提案する製品だ。
「ナゾル」は単4乾電池2本で動作し、15文字×3行を表示できる2.6型モノクロ液晶を本体に装備する。ラインナップに「スーパー大辞林 3.0」を搭載したの国語辞典モデルと、「グランドコンサイス英和辞典」搭載の英和辞典モデルの2つを揃える・
ペンタイプというユニークな形状は、はずしたキャップを反対側に付けられるなど、ガジェットというより、ほんのり文房具なフィーリング。ちょっと大柄ではあるけれど。ペン先がスキャナとなっており、印刷物の文字を読み取ることで内蔵辞書を検索する。
スキャンボタンを押すとスイッチオン。そのまま調べたい語句をスキャンしてやると、モノクロ液晶に読み取った画像が表示され、オムロンソフトウェア製のエンジンで文字認識される。ちなみにそのまま数分放置すると自動で電源オフだ。
手動スキャンなので文字認識にはちょっと慣れが必要。文中前後すこし大きく切り取るようにスキャンするのがコツ。認識結果は液晶にテキストで表示されるので、十字キーでカーソル操作してやると、カーソル選択されている単語の意味が表示される。
仕様上、読み取りできるのは「約6ポイント(約2.1mm大)~約22ポイント(約7.8mm大)の印刷された文字」となっており、ためしにスマホ画面上の文字をスキャンしてみたが、うまくいかず。やはり紙の上の印刷物に限るようだ。なお、国語辞典モデルは縦書きスキャンにも対応している。
「押す、なぞる、わかる」「なぞって2秒で意味を表示」と謳うだけあって操作感は軽快。速く、たくさん、量をこなせるので、見た目よりも専門職向けアイテムかもしれない。
なにぶん「スキャンするしか検索方法がない」ので、「ただしく文字認識しないと詰み」なわけだが、実際につかってみると、英和モデルは文句なしの認識力。国語モデルでも、むずかしい漢字ほどちゃんと認識し、やさしい漢字をひらがなと誤認する程度のことで、何度かスキャンしてやれば問題ないレベルだ。
ちょっと大きい文具くらいの携帯性はかなり魅力的だし、スキャニングという辞書検索方法は充分常用に足り、新しい用途の可能性を広げるだろう。ペン型スキャナー辞書というジャンル、これからちょっと注目ですぞ。
製品名 | 販売元 | 販売価格 |
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ペン型スキャナー辞書「ナゾル」 | シャープ | 1万3000円前後 |