スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

チェストバッグにタブレット端末を!

チェストバッグにタブレット端末を!

 最近ヤケに愛用しているのが「チェストバッグ」。体の前側、胸部~腹部あたりにかけて装着するバッグですな。登山用や釣り用、あるいはカヌーやカヤック向けなどイロイロありますが、どれも「手の届く位置に多用する小物を入れられ、必要時に即取り出せる」という利便を持ったバッグです。

登山用のチェストバッグの例。バックパック(ザック)に取り付け、胸~腹あたりに装着することができます。多用する小物を入れておけば、必要時にすぐ取り出して使うことができます。

 ワタクシの場合、ライトなトレッキングでチェストバッグを多用しています。入れているのはGPSマップアプリが入ったiPhone、行動食、飲料、小銭、コンパクトデジカメ、紙地図とコンパスといったあたりです。

 山歩きなどではバックパックを背負ったりするわけですが、頻繁に使う小物をバックパックに入れちゃうと、「いちいちバックパック下ろして小物を取り出すのが面倒」になりがち。そうして、せっかく携行した小物を使う機会が減ったりして。

 結果、「行動食や水分はあとで休憩時にでも摂る」となって疲れたり脱水症状になったりし、綺麗な風景と出逢っても写真を撮らずじまいになったり、GPSマップがあるのに使わずに進んで道に迷ったり。わざわざ携行したモノを「出すのが面倒だから」と使わないのは、モッタイナイどころか、問題も引き起こすわけです。

 まあトレッキングとかの話はさておき、タブレット端末などもそーゆートコロ、ありません? 「今日はタブレット端末持ってるからいつでも情報得られるゼ~」と考えていても、「バッグからタブレット端末出すのメンドいから後で使おう」となったり。手に持つタイプの「片手が塞がるバッグ」だと特にそうナリガチだと思います。

 まあ、ショルダーバッグなら両手が空くし、端末も取り出しやすいんですけどネ。大きめのウェストバッグやボディバッグを使うという手もあります。ただ、ある程度アクティブに動くときは、ショルダーバッグやボディバッグは揺れ動くため疲れます。ウェストバッグにタブレット端末を入れちゃうと、少々動きにくいですな。

 その点、バックパック+チェストバッグだと、体の前後の重量バランスも良く、ラクに使えるし活発に動くこともできます。胸~腹の位置にタブレット端末があり、両手もフリーですので、思い立ったら即端末を出して利用できます。

 実際、そうして使っていますが、「もっと早くからバックパック+チェストバッグを使っていれば良かった」と思うくらい快適です。てなわけで今回は、モバイルにも良く向くチェストバッグについて。iPad miniなど8インチ系タブレットや、iPad Airなど10インチ系タブレットが入るチェストバッグをご紹介したいと思います。

 なお、以降の写真に登場するiPad AirやiPad miniは、純正のSmart Coverおよび薄型の背面保護ジャケットを装着した状態です。カバーや薄型ケースを装着した状態で、チェストバッグに収まるかどうかを見ています。

オススメはパーゴワークスのパスファインダー

 ワタクシ的にオススメのチェストバッグは、パーゴワークス(PaaGo WORKS)の「パスファインダー」です。メーカーの製品紹介ページはコチラ。登山用品としてのパスファインダーの実用性や容量についてはリンク先をご覧頂ください。

 この「パスファインダー」、3サイズ展開です。S、M、L、ですな。このうち、タブレット端末収納に向くのはMとLです。MならiPad mini、LならiPad Airが余裕をもって収まります。また、どちらのサイズも、端末を入れた状態でもまだまだ容量に余裕があります。

 ちなみに、Sサイズはチェストバッグというよりも「縦型チェスト・ポーチ」という感じ。iPhone 6s Plusが余裕をもって収まるサイズで、さらにややキツめですがiPad miniがどうにか収まるというサイズ感です。

「パスファインダー」のSサイズ。メーカー価格は税別4000円です。iPad miniは押し込めばややキツめですが収まり、iPhone 6s Plusは余裕をもって収まります。
「パスファインダー」のMサイズ。メーカー価格は税別5200円です。iPad miniが余裕をもって収まります。8インチ前後のタブレット端末を入れたうえで、さらにスマートフォンも入ります。それでもまだ容量に余裕があります。iPad Airは収まりません。
「パスファインダー」のLサイズ。メーカー価格は税別6000円です。iPad Airが余裕をもって収まります。もちろん、iPad miniもOK。あまり意味はありませんが、iPad AirとiPad miniとiPhone 6s Plusを収めてみましたが、その状態でもまだまだ容量的な余裕がありました。

 タブレット端末が収まるサイズのチェストバッグは他にもあります。なのに、なぜ「パスファインダー」がオススメなのかと言うと、片っ端から市販のチェストバッグを試したところ、機能性も汎用性も実用性も飛び抜けて良好だと感じたからです。

 一方で他メーカーの現行品チェストバッグは、「一応はチェストバッグになる」くらいの機能性で、洗練に欠けるという印象になりがち。バックパックに対する脱着が面倒だったり、樹脂製ナス環がムダにゴツかったり、そのまま使うと胸元でバタバタ揺れたりと、使うほどに残念な感じがしたりして。

 さておき、イロイロと良好な「パスファインダー」なんですけど、最もイイのが、バックパックにキッチリと装着でき、安定的に使える点。バックパックのショルダーストラップ部2カ所から吊しますが、さらにバックパックのウェストベルトを通して固定するので、けっこー激しく動いてもチェストバッグがバタつくとか揺れるということが少ないです。

 そして、そういう安定性がありながらも、バックパックに対する脱着が非常に容易。バックルの留め外し程度で脱着できます。

バックパックへの取り付け方。「パスファインダー」に付属のアタッチメントを、バックパックのショルダーベルトにある長さ調節パーツ(コキ)へと取り付けます。長さ調節部(ベルトの幅)が20mm程度以上あるバックパックに取り付け可能。
バックパックを背負い、「パスファインダー」の左右のバックルを留め、「パスファインダー」手前下側のループ状の空間にバックパックのウェストベルトを通せば装着完了。バックパックのウェストベルトにより、「パスファインダー」を非常に安定的に装着できます。

 歩くときは「パスファインダー」に必要なモノを入れて、いつでも取り出して使えます。タブレット端末、スマートフォン、財布にICカード等々、多用するモノを入れておけば、使いたいときに即取り出せます。胸のあたりに大容量ポケットが追加された感覚。「今すぐタブレット端末でマップを見たい!」とか思ったら、「パスファインダー」のファスナーを開いてタブレットを出すだけ。「ちょっと面倒だから後でいいや」と億劫になることもなく、ホントに「今すぐ」できてチョー実用的です♪

質実剛健で使いやすく汎用的なチェストバッグ

 この「パスファインダー」、総じてメーカーお仕着せの使いにくさのようなものがなく、ユーザー本位で好き勝手使える感じ。余分な装飾がなく質実剛健という印象です。たとえば開口部が大きいので、モノの出し入れがしやすく、中に何が入っているか一望しやすいです。内部のポケットも多く、ユーザーが使いやすいように工夫できる余地が多々あります。

 また、専用のレインカバーが付属しますので、突然の雨にも対応できます。レインカバーの防水性の高さは「なるほど登山用品」という感じ。豪雨時にこのレインカバーを使えば、「チェストバッグのことは気にせず、とりあえず体が濡れないように行動しよう」といった余裕が生まれます。

 それから、付属のショルダーベルトを使うと、単体でショルダーバッグやウェストバッグとしても使えます。本体の2つのベルト+バックルを直接つなぐと、ハンドバッグのように持ち歩くこともできます。

専用のレインカバーが付属します。リップストップ素材で、水をよく弾くコーティングがなされているようです。チェストバッグの2つのベルトを通す穴もあります。
付属のベルトを使えば、ショルダーバッグやウェストバッグとしても使えます。本体の2つのベルト+バックルを直接つなげば、手持ちのバッグとしても使えます。

 ちなみに、バックパック側に装着する「付属のアタッチメント」は別売もされています。ので、手持ちのバックパックにあらかじめ取り付けておけば、必要に応じてバックパックを選び、いつもの必需品が入った「パスファインダー」をカチッと装着して出掛けることができます。バックパックのみをクルマやテントなどの拠点に残し、貴重品が入った「パスファインダー」だけ持って身軽に行動するというときにもよく向きます。

 実際の使用感としては、まず街中ですと、腹~胸あたりにバッグが装着されている状態なので、ちょ~っと目立つかも、です。「あっ、あれ何? お腹バッグ?」的にチラ見される感じ。ですが、「パスファインダー」の便利さ、快適さが秀逸なので、「多少目立つかもしれないけど超便利だから」と割り切って使っております。また、必要に応じて容易に脱着できますので、交通機関を利用したりショップに入るときはバックパックから外して手に持つなどできます。

 山歩きなどに使うと本領発揮かも、です。地図や行動食やサングラスや虫除け等々、「今すぐ使いたい!」をしっかり叶えてくれます。バックルを3つ外す程度でバックパックから外せますので、腰を下ろして休憩する場合もチェストバッグ絡みの煩雑さは感じません。

防水のSwingもイイ感じ

 もうひとつ、オススメのチェストバッグがあります。メーカーはこれまたパーゴワークスで、「Swing」という製品。メーカーの製品紹介ページはコチラで、サイズはMとLがありますが、タブレット端末を収納できるのはLサイズのほうです。

 この製品、前述の「パスファインダー」の撥水&軽量版という位置付けで、基本的な「バックパックへの取り付け方」などは同様です。ポケット数が少ないなど、「パスファインダー」と比べると便利さは少し劣りますが、軽くて水にも強いというあたりは魅力的。これからの季節に活躍しそうです。

 なお、「Swing」のLサイズのメインコンパートメントには、iPad AirやiPad miniが収まります。ただし、iPad Airは縦向きにしか収まらず、収めた状態ではチェストバッグのフラップ左右に若干の隙間ができる感じ。「iPad Airも収まるけど、ギリギリ」という印象です。iPad miniは縦向きでも横向きでも余裕で収まります。

 背面のファスナー付きポケットにも、iPad AirやiPad miniが収まります。iPad Airについてはこちらのポケットに入れたほうが何かと都合がいいように思います。

パーゴワークスの「Swing」のLサイズ。メーカー価格は税別6000円です。軽量で雨に強い素材で作られていて、ファスナーは止水タイプ。バックパックへの装着は前述の「パスファインダー」と同様。バックルのサイズも「パスファインダー」と共通していますので、バックパック装着における互換性があります。
iPad AirやiPad miniを入れることができます。iPad Airはギリギリ収まるという感じで、iPad miniなら余裕で収まります。
背面(体に密着する側)にある止水ファスナー付きポケットは、タブレット端末を収めるのに都合がいい感じ。iPad Airが縦向きでちょうど収まるポケットです。iPad miniなら縦向きでも横向きでも収まります。メインコンパートメントよりも防水性が高いポケットですので、端末収納にはより都合がいいと思います。

 このチェストバッグ、水には強く、多少の雨がかかっても大きな問題にはならないと思いますが、完全防水ではありません。水濡れに強いというレベルで、フラップは軽く閉じて面ファスナーで留めるだけ、ファスナーは止水タイプではありますが端に少し隙間があったりもします。これからの季節のアウトドア・アクティビティには心強いチェストバッグですが、雨の中で使うというなら端末は防水ケースなどに入れたうえでこのチェストバッグに収めるべきでしょう。

 実際の使い勝手ですが、まず軽くて快適です。前述の「パスファインダー」に比べて約50%軽量化されているそうです。また、撥水性が高くて濡れると表面に水滴が付く感じ。パッと払えばその水滴を一発で落とせます。その撥水性および表面のサラリとした手触りから、ホコリ汚れなどにも強いという印象があります。

 前述の「パスファインダー」と比べるとポケットが少なめで、そのままだと小物の整理がしにくいのがやや残念。ですが、小物はあらかじめケースや袋で整理した状態で入れればフツーに便利に使えますな。「パスファインダー」と比べると薄めなので、腹~胸あたりにより自然に装着できるチェストバッグだと感じます。

 ただ、厚みがなく素材も薄いチェストバッグですので、溶けやすい行動食の収納位置には少々注意が必要です。体に近い位置にチョコレートを入れたりすると、すぐ溶けちゃいます。前述の「パスファインダー」は体と接する部分の内側に緩衝材があるためか、これまでチョコレートが溶けたようなことはありません。

 以上、バックパック利用者にはかなりオススメできるチェストバッグ各種。両手が空いて、必要なモノを即座に取り出せて、ホントに便利ですのでぜひ一度チェックしてみてください。また、身につけるモノでもありますので、できればモノを一度手に取ってみてください。メーカーが公表しているパーゴワークス製品取り扱い店一覧はコチラです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。