スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

イイ感じに進化した新型Nexus 7

イイ感じに進化した新型Nexus 7

 2013年の8月28日に発売された「Nexus 7 (2013)」。先週の木曜日ですな。俺も予約購入して使い始めたので、今回はNexus 7の使用感などを少々。

Googleの「Nexus 7(2013)」。ASUS製のAndroidタブレットで、7インチ液晶を搭載する。現在はWi-Fi対応のストレージ容量違い(16GB/32GB)の2機種が発売されているが、2013年9月中旬以降にLTE対応版も発売される予定だ

 Nexus 7 (2013)は、7インチ液晶を搭載したAndroidタブレットで、去年発売された「Nexus 7」(以下、Nexus 7 (2012))の後継機種となる。旧機種となるNexus 7 (2012)と比べてのNexus 7 (2013)の特徴は、小さく軽く薄くなったこと、液晶が高解像度になったこと、処理速度が上がったこと、500万画素の背面カメラが搭載されたことなどである。

 でまあ前の機種と比べたら全体的に良くなっているNexus 7 (2013)、短期間だが実際に使ってみての俺的結論を言ってしまうと、とてもイイ感じに進化してくれたと思う。旧機種に戻る気になれない進化。買って良かったと思う。

 ともあれ以降、Nexus 7 (2013)の機能や使用感について書いてみたい。なお、Nexus 7 (2013)などのスペックはメーカーであるASUSの製品紹介ページや、上記のGoogleのリンク先でチェックしてみて欲しい。

軽く、薄く、片手で持ちやすくなった

 Nexus 7 (2013)に触れ、まず最初に感じたのは「あ、小さくなった」ということ。Nexus 7 (2013)のサイズは、長辺200×短辺114×厚み8.6mmで、Nexus 7 (2012)よりも長辺で1.5mm、短辺で6mm短くなった。また厚みも2mm程度薄くなっている。

 数値上では小さく見える違いなのだが、新旧両機種を持ち比べると「明らかに新機種がスリム」という印象になる。とりわけ、片手で保持しやすいという印象が強いNexus 7 (2013)。俺の場合、旧機種でも片手で保持して使えたが、新機種はより片手で保持しやすくなったと感じる。

俺の場合なんですけど、縦向きでも横向きでも、片手で保持しやすい端末だと感じた。わりと長時間片手で保持できる質量(290g)も好印象

 ほかの7インチクラスのタブレットと比べると、「片手での保持しやすさ」はトップクラスだとも感じる。iPad miniと比べると明らかにNexus 7 (2013)のほうが保持しやすい。軽さと薄さで知られるMEDIAS TAB UL N-08Dと比べても同等のサイズ感になる。

 あと、旧機種よりずいぶん軽くなったという印象がある。質量はNexus 7 (2013)(Wi-Fi)が290gで、Nexus 7 (2012)が340g。50gの差は大きい。片手での保持しやすさと相まって、より気軽に常時携帯できるようになったように思う。

高解像度になり、発色も良好化

 Nexus 7 (2013)に期待した大きな要素のひとつが、液晶ディスプレイの解像度だ。旧機種Nexus 7 (2012)が1280×800ドット(WXGA)であったのに対し、新機種Nexus 7 (2013)は1920×1200ドット(WUXGA)になっている。

 縦方向にも横方向にもドット数が1.5倍増えている。ドット数比で2.25倍。旧型が102万4000ドットで、新型が230万4000ドット。新旧機種とも画面サイズは7インチ。どんなふうに「見え方が違う」のかな~? と興味津々であった。

 そしてNexus 7 (2013)の画面表示を実際に目の当たりにしたら、「こここ、これは何とまあ精細美麗な世界なのだッ!!」と感動……したりはしなかった。まさかの、「旧機種とあんまり見え方変わんないかも」程度の平凡な第一印象となった。

 それでも「いやきっと見え方が違うハズなのダ」とか思って新旧両機を見比べていたら、解像度の差ではなく、発色の差に気づいた。よく見比べないとわからないくらいの差ではあるが、新機種Nexus 7 (2013)のほうが彩度(色の鮮やかさ)が少し高く、白がより自然な白に見える。

 また、旧機種Nexus 7 (2012)は、新機種ほど解像度が高くないためなのか、グラデーションに少々のムラが見える。たとえばAndroidの設定画面の背景は、下から上に向かって色が濃くなるグレー~黒だが、Nexus 7 (2012)での表示のほうがより段階的に色が変わっているように見える。Nexus 7 (2013)もよく見れば段階的なグラデーションだが、旧機種より滑らかに見える。

 それから、しばらく使っていたら、「なるほど確かにNexus 7 (2013)のほうが表示が精細だ」と「時々」感じられた。とくに写真類。当然だが、高画素数の画像の細部がよりクリアに見える。ウェブサイトの小さい文字や写真なんかも、Nexus 7 (2013)のほうがクッキリして見えますな。

両機種のドットバイドット表示。左が旧機種Nexus 7 (2012)で、右が新機種Nexus 7 (2013)ですな。高解像度の新機種は、画像やテキストをより多い数のドットで表現していることがわかる

 ただ、ぶっちゃけた話、あまり高精細さにこだわらないスタンスで通常の使い方をするなら、新旧機種の解像度の差や色の違いおよびメリット/デメリットはほとんど気にならないんじゃないかな~、と。まあ、スマートフォンでも1920×1080ドット表示が主流になりつつあるご時世に、旧機種の7インチ/1280×800ドットは寂しい気がする。しかし、かと言って、7インチで1920×1200ドットだから「すっごくイイ」って雰囲気でもないのであった。

サクサク&キビキビ!! でも驚くほどでもない

 新旧機種の間には、プロセッサやメモリ容量にも違いがある。Nexus 7 (2013)のプロセッサは、Qualcomm Snapdragon S4 Pro 8064 クアッドコア(1.5GHz)で、メモリは2GB。Nexus 7 (2012)のプロセッサは、NVIDIA Tegra 3モバイル プロセッサ(1.3GHz/クアッドコア稼動時最大1.2GHz)で、メモリは1GBとなっている。

 それぞれのパフォーマンスは体感できる程度差があり、新型のNexus 7 (2013)のほうがキビキビ&サクサクと動く感じ。旧型のNexus 7 (2012)でもパフォーマンス自体に問題はないと思うが、使い比べてみると「Nexus 7 (2012)のほうが操作時の引っ掛かり感や一瞬の待たされ時間が多い」という印象になる。

 ただ、これも新旧機種を使い比べないと気づきにくいというレベルではある。あるいは「新型を使っちゃったら……ズギャァァ!! 旧型がじつはたまにカクカクしたり一瞬待たされたりする端末であることが判明したァァァ!!」みたいな。

 ちなみに、バッテリー駆動時間も新型のほうが長くなっていて、「Wi-Fi通信時約10時間」とある。旧型は「約9.5時間」となっている。また、バッテリー容量は新型が3950mAhであるのに対し、旧型は4325mAhで、新型のほうが容量が小さい。

 そのあたりを全体的に見ると、少ない電力で十分なパフォーマンスを発揮させるのにシッカリと成功してるんでしょうな。正しい進化なのだと思う。けど、「うぉッ!! 速っ」と驚けるような体感はあまりなかったりする。
 ちなみに、俺の場合はNexus 7でゲームを始めとする重い処理になるアプリは使っていない。ので、そういう類のアプリを集中的に使った場合は、また違った印象になるのかもしれない。

とは言っても後戻りできないタブレット

 結局新型のNexus 7はどーなのか、と問われれば、俺の場合は新型イチオシ。てか、俺手持ちの旧型のNexus 7 (2012)はお蔵入りである。何しろ新型Nexus 7 (2013)を使い始めてからというもの、旧型は充電さえしなくなってしまった。

 第一に、Nexus 7 (2013)はワイヤレス給電の「Qi」に対応している。Qiの充電台に置けば充電開始。これは当然USBケーブルでの充電よりも、専用クレイドル(ないけど)にセットしての充電よりも、ずーっと手軽。「USB充電メンドクセぇ~」とまで思わせるラクさ快適さだ。

 それから新たに搭載された500万画素のカメラ(背面)もイイ感じ。やっぱりスマートフォンにもタブレットにもソコソコの解像度で写るカメラが内蔵されてたほーが絶対便利ですな。なお、Nexus 7 (2013)の場合、静止画撮影とフルHD動画撮影に加え、180度の半自動パノラマ撮影ができ、さらに360度のパノラマ撮影(Android 4.2のPhoto Sphere機能)もできて、便利&愉快である。

4種類の撮影モードがあり、Photo Sphere機能を使っての360度パノラマ撮影も可能。カメラのターゲットの位置を●印に合わせていけば、自動的に上下左右360度全てを見渡せるパノラマ画像が生成される。画像生成後は、表示を指で動かして自由な方向を見られる

 それから、有線接続で画面表示をHDMI/VGA/DVI/DisplayPort対応ディスプレイなどに表示できるSlimPortも良さげですな。そしてWi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n対応のデュアルバンド。もちろんNFCやBluetoothにも対応。試してみたらiOS端末とBluetoothテザリングも行えた。GPSモジュールも搭載しており、それ関連で言えばジャイロセンサ/加速度センサ/コンパス/磁気センサまで抜け目なく入っている。このあたり、さすがにGoogleの名が付く全部入りリファレンス機である。

 それでぇ~、持ちやすいでしょ~、薄めで軽めでしょ~、サクサクでキビキビでしょ~、バッテリーもよく保つでしょ~、……となると、やっぱりも~結局手を出したくなっちゃうじゃないですか~こういうのって~、的な。そして手を出すと旧機種に戻れない感じ。なので、冷静に考えて、Nexus 7 (2013)は良いものなのだと思う。

 というわけで、さらなる機材的スッキリ感を求め、LTE版のNexus 7 (2013)も予約した俺でしたとさ、めでたしめでたし。さておき、衝撃的な体感要素は少ないものの、完成度の高さが光る端末なので、機会があればぜひ一度実機をイジってみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。