タルんだ腹をEMSで引き締める
■タルんだ腹をEMSで引き締める
スタパブログにも書いたんですけど、最近の拙者はEMSにより腹筋に刺激を与え中。電気刺激でラクして腹筋運動し、ラクして「タルんだお腹を引き締めよう」と画策しているわけですな。使っているのは東レインターナショナルのトレリートと、テレビ/ネット通販でよく見かけるスレンダートーンエボリューションである。
東レインターナショナルのトレリートEM2。既に生産終了品となった機種だが、拙者が愛用していたEMSフィットネス機器がコレ | 最近使いはじめた東レインターナショナルの新型、トレリートEM300。ポケットサイズでモバイル指向のEMSフィットネス機器だ | ハンドボール日本代表のアノ人も!! でおなじみのスレンダートーンエボリューションは、腹巻きタイプのEMSフットネス機器 |
どれもEMSフィットネス機器ですな。EMS(電気的筋肉刺激/Electrical Muscle Stimulation)とは、電気刺激で筋肉を動かして鍛えるという運動方法。筋トレのひとつ、と言えよう。
普通の筋トレは意識して筋肉を動かす必要があるし、多かれ少なかれ「ツラい」「キツい」と感じられなければ、筋トレにはならない(筋肉が育たない)。ある程度は「苦しいコト」を自発的に行うので、耐えたり続けたりする意志が必要だ。「あ~シンドい~やりたくない~」てなカッタリぃ気持ちも出がちですな。
一方、EMS運動の場合、機器が自動的に筋肉に刺激を与え、本人は意識せずとも筋肉が収縮を繰り返しす。筋肉の動きとしては筋トレに近い効果があるが、本人の意識的なガンバリは不要。フツーの筋トレに要るような意志/忍耐はほとんど必要ナシで、ラクして筋トレ効果が得られるというわけだ。
今回扱うトレリートもスレンダートーンエボリューションも、このEMSによる「ラクして筋肉を鍛える機器」なんですな。てコトで以降、これら各機種の機能や使用感、拙者が得た効果などをレポートしてみたい。
■EMSって効果あんの? 痩せる?
各EMS機器のレポートを始める前に、恐らく多くの人が抱いているであろうし以前の拙者も抱いていた「EMSフィットネス機器への疑問」について。「効果あるの?」「痩せるの?」てなことに対して、拙者の体験から書いてみたい。
効果については、EMS機器の設定/使用期間などにもよると思うが、トレリートやスレンダートーンエボリューションでは十分体感できる効果が得られている。拙者の場合、主に出っぱった腹をどうにかするために腹筋に対してこれら機種を使ったわけだが、具体的な効果としては「腹筋が引き締まった」と感じられることと、実際に腹回りのサイズが減ること。
腹筋が引き締まった感覚、腹部全体の筋肉が以前より硬くなっている感じ。腹回りの贅肉が揺れにくくなった、みたいな。腹部に「えくぼの出来はじめ」みたいな凹みも現れてきた。腹回りのサイズもダウン。たとえばいつものズボンが若干ズリ下がるようになって「あれ、ウェストサイズ減ったのかも」と計測すると数センチ減っていた、的な。
ただし、腹回りのサイズダウンは、脂肪が急に減ったとかそーゆーコトじゃないと思う。腹筋により腹部が引き締められて「たるみ」が移動したのか分散したのかどうなのか。脂肪の減少じゃなくて体型の変化なんでしょうな。
なお、こういった体感は、使用を始めてから数日、遅くとも10日後くらいには得られる。……あ、あくまでも拙者の場合は、ですけど、たぶん普段あんまり運動してなくて「最近ダブついちゃったぁ♪」てな人ならフツーに体感できると思う。
ただ、拙者的な体験~考えだと、EMS機器の使用は「痩せる」ことに直結しないように思う。痩せるって、やっぱアレでしょ体重ダウンとか体脂肪減少でしょ? そういう定義だと、EMS機器を使用しても「痩せない」と思う。だって筋トレだし。筋肉増えると体重はむしろ増えますな。もちろん、筋肉が増えて脂肪がより多く消費されるということでは、長い目で見れば「痩せる」につながるかもしれない。でもやっぱ「EMS機器を使うと痩せる」とは全然言えないと思う。
とは言いつつも、EMS機器使用はいわゆるダイエット(体重や脂肪を減らして痩せる意味での)に役立つように思う。てのは、前述のように、EMS機器を使うと「あ、お腹が少し引き締まった!!」とか「確かに腹回りのサイズが減った♪」てなコトを体感できがちなわけですよ。そうなると「なら軽くジョギングでも始めるか」とか「じゃあ、パパがんばって食事制限もしちゃうゾ」といった気になるわけですよ。いわばダイエット・モチベーションの向上。そういう観点から、EMS機器使用はダイエットのきっかけや促進につながるように思うのだ。
ちなみに、拙者は現在ダイエット中だが、8年前にもダイエットをしていた。その8年前のダイエット、じつは東レのトレリートがきっかけ。使ったら腹部の引き締め&サイズダウンに効果があったので、トレリートのほかに軽い運動などして本格的にダイエットを開始した。結果、2年くらいかけて体重を20kg程度、ウェストサイズも20cmくらい落とした。
が、その後トレリートも運動もサボり続け、4年前くらい前から体重もウェストサイズも増え始めた。そして、そろそろ血液検査の結果が悪化の兆しを見せ始め、じゃあウォーキングだスポーツ自転車だと運動を開始。最近はサイクルウェア着用状態で「拙者のお腹は弛んでてカッコ悪いなあ」と思ったので、再度EMSフィットネス機器の使用を開始した、という経緯である。
蛇足だが、血液検査の悪い結果は、1年少々の継続的なスポーツ自転車走行で改善した。我ながら驚くほど改善したが、それ以上にかかりつけ医がビックリ&大喜び!! その話はまたいずれしたい気がするが、サイクリングで健康状態改善は楽しく気持ちよく効果的なのでマジおすすめっす。
■スレンダートーンレボリューションを衝動買い
前述のとおり「出っ腹を削除したい~」と考えてEMS機器の使用を開始した最近の拙者。最初に使ったのは以前大活躍して拙者の腹筋を鍛えてくれた東レアイリーブ(現東レインターナショナル)のトレリートEM2(現在は生産終了品)であった。
東レアイリーブのトレリートEM2。現在は生産終了となっているが、拙者のダイエットをグイグイ後押ししてくれたEMS機器なのだ | 腹部に貼る粘着パッド(電極)。腹部なら、左右に2枚ずつ、計4枚のパッドを貼ることになる。パッド間を電流が流れて筋肉が動く | 本体とパッドはコードで結ばれる。使用時はこのコードがちょいと邪魔。電源はACアダプタもしくは006P 9V電池で、これもビミョー |
しかし結論から言って、今時においてはトレリートEM2はチョイ不便なのであった。それは電源。EM2は2電源方式で、ACアダプタからでも電池からでも給電可能。ACアダプタで使うと、使用中に動き回れない(コンセント付近に居る必要がある)ので、電池で使いたいわけだが、その電池が006P 9V電池なのだ。あの四角いヤツ。入手性があまりよくないし、省電力ってわけでもないEM2で使うとランニングコストもかかりがち。電圧が合う代替二次電池もないですな。
ん~、トレリートEM2、既に引き締め効果感じてるんだけど電源がな~、と思いつつふとテレビを観たら通販番組やってたので見入っちゃって思わず買ったのが、スレンダートーンエボリューション腹筋ベルトセット。リンク先の長~い製品紹介ページが若干香ばしいが、けっこーよく知られているEMSフィットネス機器ですな。
スレンダートーンエボリューション腹筋ベルトセット。腹部に巻いて使うEMS機器で、電源はコントローラー内の充電式電池だ | このような粘着パッドをベルトの内側に貼って使用。腹部に粘着パッドが密着するわけですな。タイプとしてはトレリートと同じ | コントローラーでオンオフや強弱などを操作する。コントローラーはベルト前側ポケットに収納できるので、スッキリと使用できる |
スレンダートーンエボリューション腹筋ベルトセット(以下、スレンダートーン)は、腹部をシェイプアップするためのEMS機器。ベルトの内側に貼られた粘着パッドが腹部に密着し、そこに電流が流れてEMS運動を行える。ベルト部をほかのもの(女性専用ショーツやアーム専用ベルト)に置き換えれば、太股やヒップ、二の腕などをシェイプアップすることもできる。
使用感としては、容易さが際立つスレンダートーン。準備は、ベルト内側に専用粘着パッドを貼り、そのまま腹部に巻き、電源を入れてEMS運動強度を設定するだけ。運動プログラムはコアプログラム5種類+ボーナスプログラム2種類から成るが、最初は何ら設定せず使いはじめれば、徐々に強度が高まっていくコアプログラム5種類が自動的に進められる(スマートトレーニングシステム)。
ので、装着したら電源入れて強度を決めるだけ。初日は初心者用の軽い運動から、数日後には中級者用のある程度負荷がかかる運動に、さらに続ければ高い負荷のEMS運動が、てな感じで腹筋運動が進んでいく。ちなみに負荷レベルは1~99までの99段階。「ちょっとキツいな」と思える手前くらいのレベルにするのが良いようだ。
拙者の場合は毎日合計60分をレベル70~80くらいで行ったが、1週間くらいで効果をハッキリと実感できた。前述したが、腹部筋肉が引き締まり、少しサイズダウンもあった。なお、拙者的印象では、スレンダートーンによるEMS運動は比較的にソフトな感じ。部分的にピリピリ痛くなることが少なく、腹筋全体を偏りなく収縮させるという印象だ。
使っていて好印象だったのは、ベルト式&充電式の利便。前述のトレリートEM2は本体と粘着パッドがコードで結ばれ、このコードがちょっと邪魔。電源/操作部となる本体もやや大きめ。また電池としては入手性イマイチでやや高価な006P 9V電池を使ったので、なんかこう「乾電池の無駄遣い感」が残った。
一方、スレンダートーンは付属ACアダプタを使ってコントローラー部に内蔵された電池を充電して電源とするので、電池のランニングコストをほぼ気にすることなく毎日使えてナイス。使用時はコントローラー部をベルト前側ポケットに収納できるので、腹部周辺にコードが垂れるとかコントローラーが邪魔だとかいうことがなく、スッキリとスマートに使える。
やや不満だった点もある。ひとつは粘着パッドの価格の高さだ。ほかの粘着パッド採用EMS機器と同様、スレンダートーンの粘着パッドも消耗品。丁寧に使ってだいたい一カ月程度保つと思うが、徐々に劣化してくるので、いずれ交換品を買うことになる。その交換用パッドが4725円(送料別)。ちなみに上記リンクにあるとおり、正規代理店からスレンダートーンを購入した場合、パッド自動定期便サービスに自動加入することになり、一カ月に一回交換用パッドが送付される。このときの代金は3780円(送料無料)となる。どちらにしても、けっこー高い粘着パッド代なんですな。
ちなみに、AmazonやYahoo!オークションで「スレンダートーン」をキーワードとして検索したりすると、正規代理店じゃないところからもスレンダートーン本体や交換用粘着パッドを購入できるっぽい。恐らく並行輸入品だろう。これら、値段がかな~り安い。でも正規代理店から買ったときのような保障は無さそうだし、あるいはいわゆるニセモノかもしれない。にしてもその安さは魅力的★ しかしまあこういう状況は……な~んかグレーな感じでモヤモヤするっていうか。
ところでこのスレンダートーン、じつは6月の半ばくらいから使わなくなってしまった。というのは、このベルトが暑いから。EMS運動中は腹筋が勝手に収縮してくれてラクに筋肉を鍛えられるが、ちゃんと筋肉が動いているので血流も増えて発熱/発汗もある。ベルト内が暑いわ汗かくわムレるわで気持ち悪いのと、粘着パッドが汗を多く吸ってネバネバになって扱いにくくなるのと、EMS運動後にベルトの汗を乾かすために日陰干しするのと……てな感じで思わず後述のトレリートEM300に乗り換えてしまった。
■効くゼ!! トレリートEM300
前述のとおり、半月くらい前から東レインターナショナルのトレリートEM300(以下、EM300)に乗り換えた拙者なんですけど、コレ、かなりイイ感じ。
EM300は2011年05月23日に発売されたトレリート最新機種。現行のトレリートシリーズのうち、最も安価でコンパクトで、機能的にもシンプルな機種となる。サイズは幅60×高さ121×厚さ27mmで、質量は約150g(電池含む)。ポケッタブルで、単4形電池(アルカリ/ニッケル水素)×3本で使える。
東レインターナショナルのトレリートEM300。シリーズ中、最も安価で小さなモデルだ。2011年6月現在の実勢価格は3万9800円程度 | 使用時は粘着パッド4枚を体に貼る。ほかのトレリートシリーズと同様の使い方だ。別売で敏感肌用や大サイズの粘着パッドもある | 使用時は本体と粘着パッドを専用コードで接続する。モバイルで使うとこのコードがちょっと邪魔になったりするのは従来機と同じ |
スレンダートーンからEM300へと乗り換えたのは、EM300では「体には粘着パッドしか接触しない」から夏場でもベルト汗だくなどにはならないこと、それから腹部以外の箇所もEMS運動できること、さらに市販の単4形ニッケル水素二次電池を使えること、交換用粘着パッドがまずまず頷ける価格で流通していることなどがある。
実際に使ってみると、やはりイイのが好みの部位に対してEMS運動を行えることだ。つまり粘着パッドを貼る位置を変えれば、体のいろいろな箇所の筋肉を鍛えられる。具体的にはこのページの「EMSモード」の写真の位置。たとえば腹筋なら、お腹の前と脇腹を鍛え分け(!?)ることができる。
それから電源。拙者的には単4形エネループをはじめとする単4形ニッケル水素二次電池全般が使えるってのがサイコー。ランニングコストをほぼ気にすることなく、しかも予備電池まで用意しつつモバイルでEMS運動できるのだ。拙者の場合は室内使用ばかりだが、通勤時やデスクワーク中に使うってのもアリな気がする。
ちなみに、電池の保ちは、しっかり検証したわけではないが、毎日1時間/強度35程度で使って余裕で一週間保っている。10日目に電池マークが1個減ったので電池を交換したが、たぶん上記条件で10日くらいは保つんでしょうな。
EM300の詳しい使い方はココにあるが、4本の電極を接続した粘着パッドを目的の部位に貼って出力の調整をする程度。初回や設定変更時はタイマーやモードの設定をする必要もある。
なお、モードとして[FAST MODE]と[SLOW MODE]を選べる。[FAST MODE]が速筋(白筋)を鍛える無酸素運動のような効果があり、[SLOW MODE]が遅筋(赤筋)を鍛える有酸素運動のような効果があるという。試してはいないが、もしかすると、[FAST MODE](無酸素運動)を先に行い、次いで[SLOW MODE](有酸素運動)を行うと、EMS運動だけで効果的に脂肪を消費できるのだろうか? ともあれ、ほかの機種ほど機能は豊富でないものの、こういう細かな部分の作り込みはけっこー繊細だと言えよう。
EM300の効果としては、前述のとおりスレンダートーンからの乗り換えなので、どこからどこまでがEM300による効果なのかがイマイチわからない。が、後述のようにEM300の方が運動強度を高められ、鍛える部位を自由に選択/調節できるので、拙者が目的とする箇所を高めの強度でEMS運動している。結果、なーんかスレンダートーンよりも強い引き締め効果があるような気がしている。
残念なのは、やっぱりケーブルがちょっと邪魔ということ。使う状況によって一工夫し、ケーブルをまとめる必要がありますな。まあ、ケーブル式だからこそ、夏場でも涼しく使えたり、好みの位置にパッドを貼れたりするメリットはあるのだが。
もうひとつ、EMS運動を途中で一時停止する「ポーズ」のような機能がナイこと。前述のスレンダートーンにはあるが、このEM300にはナイ。人にもよると思うが、腹筋のEMS運動を行うと、即時的にお通じが良くなっちゃったりするケースが少なくないようだ。拙者はそうで、EM300を使っているとたいていトイレに行きたくなる。で、EM300を使いながらのトイレは……腹筋運動しながらの……ってやっぱり無理があるんですな。そんなとき、EM300の動作を一時停止できたらとても便利だと思った次第。
あと、EM300は「効くEMS運動」ができるので拙者的にはけっこーオススメ。出力(EMS運動強度)調整範囲は1~45の45段階だが、最強となる45とかマジ強烈なんですよ!! 初心者は絶対無理な強度。慣れた身としてもときには「うううっ!!」と声が出たりするマッチョな強度!! もちろん弱いほーはとてもソフトなので、つまり、使用可能箇所の豊富さにくわえて強度幅も広いので、汎用性があるように思うのだ。
が、その一方で、トレリート特有の「刺激の強さ」があるかもしれない。人によって感じ方が違うとは思うが、粘着パッドを貼る位置によっては皮膚の一点に強くて痛い刺激を感じることも。強度を落とせば痛さも減るが、たとえばスレンダートーンなどと比べると「トレリートはミョーに痛い」と言う人が少なくないような気がする。
ただし、その痛みは粘着パッドの種類を変えれば緩和できるかもしれない。具体的には標準の粘着パッドのほか、敏感肌用や大判サイズが市販されている。これらを使えばトレリート特有のピリッとした痛さが緩和されるだろう、っていうか拙者の場合は大きく緩和された。
具体的には、標準粘着パッドを使っていたら肌がちょっと赤くなっていたが、敏感肌用を使ったらそれがなくなり、ピリッとした痛みが軽減した。さらに大判サイズを使ったらピリッとした痛みが大きく軽減した。拙者としては大判サイズ/敏感肌用を新しく売り出して欲しいと思ったりもした。
以上、拙者が最近使ったEMSフットネス機器2機種。ぶっちゃけどちらも及第点だと感じたわけだが、とりわけその評価基準が人によってけっこー異なるという類の製品ではある───筋肉を鍛えるのが目的の製品だが、効果を計測するのが難しく、どうなれば「鍛えられた」とするのかも個人個人の価値感次第だったりする。ので、実際に購入を考えるなら、そのコストパフォーマンスはもちろん、より多くの信用できる体験談などの情報を集め、冷静な判断のもと買ってほしい。
2011/6/27 06:00