
フォトフレームとサブディスプレイが合体「オンキヨー LPF10M01シリーズ」
■フォトフレームとサブディスプレイが合体
おもむろにオンキヨーから発売されたデジタルフォトフレームことLPF10M01シリーズを試用してみた。コレ、普通一般な感じのデジタルフォトフレームとして使えるのに加え、パソコン用サブディスプレイや各種AV機器用小型ディスプレイとしても機能するというプチ斬新な製品なんである。
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オンキヨーのLPF10M01シリーズ。10.1型(1024×600ドット表示)液晶パネルを採用したデジタルフォトフレームで、HDMI入力にも対応する。カラーはホワイトとブラックで、2010年8月現在の実勢価格は1万8000円前後 |
LPF10M01シリーズは、10.1型ワイドの液晶を搭載したデジタルフォトフレーム。解像度1024×600ドットの画面上に静止画(JPEG)や動画(AVI/MP4)を再生でき、スピーカー内蔵なので動画の音声なども再生可能。また音楽(MP3/WMA)にも対応し、据え置きの音楽プレーヤーとしても使える。
……というだけだと、類似品多々な感じの凡庸なデジタルフォトフレーム~マルチメディアプレーヤーになってしまう。が、このLPF10M01シリーズのイキなところは、HDMI入力端子(HDCP対応)を装備する点。
要は、HDMI出力のあるパソコン、HDMI対応ビデオデッキ/カメラなどAV機器、HDMI搭載ゲーム機などを幅広く接続できる。また、HDCP対応ゆえ、ブルーレイディスクプレーヤーや地上デジチューナーなどデジタル保護された映像も映せる。
LPF10M01シリーズ、大雑把に言えば、デジタルフォトフレームとサブディスプレイが合体した製品ですな。スタンドアロンでデジタルフォトフレーム(というかマルチメディアプレーヤー)として使えて、パソコンなどと組み合わせればサブディスプレイや小型ディスプレイとして機能するというわけだ。
ありそうで無かった機能を持つ製品なので、早速実機を拝借して試用してみた。以降、LPF10M01シリーズの機能や使用感についてレポートしてみたい。
■大きめだが扱いやすいハードウェア
まずLPF10M01シリーズの外観から見ていこう。10.1型ワイドで1024×600ドット表示という液晶パネルのスペックは、前回紹介したアイ・オー・データ機器謹製LCD-USB10XB-Tと同じで、多くのネットブックの液晶もこれと同等。なので、わりとコンパクトなのかニャ? と思ったが、額縁部分が広いのでけっこーデカい。そのサイズや質量から据え置き専用のデジタルフォトフレーム/ディスプレイになりますな。
本体のスロットやコネクタの類は充実しており、扱いやすい位置にあるとも感じられる。机上などで自立させるための脚は横置きにも縦置きにも対応し、長さ調節によりある程度角度を変えることもできる。机上据え置きのほか、壁掛けにも対応しており、そのためのネジ穴もある。ちなみに写真などの向きは、本体の向き(縦横)に応じて自動的に回転/表示される。
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本体上部には再生操作やメニュー操作のためのボタンが並ぶ | 本体上部のボタンで行えることは、付属のリモコンでも行える | 本体上部のスロットには、このようにリモコンを入れておける |
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本体背面にある脚で自立する。脚の長さを調節すれば、画面の向きを変えられる | 脚を長く伸ばしたところ。こうすると画面がより垂直に近づくわけですな | 脚を回転させれば縦置きにも対応する。内蔵の加速度センサにより、本体が縦の場合、写真表示向きもこれに合わせて自動回転する。 |
てな感じのハードウェアですな。ちなみに電源は付属のACアダプタとなり内蔵バッテリーなどはない。パソコンとUSB接続すると、パソコンからLPF10M01シリーズに挿したメモリカードや内蔵メモリへとアクセスできるが、USBバスパワーで動作するわけではない。
■鑑賞に堪える解像度と表示品位
デジタルフォトフレームとしてのLPF10M01シリーズだが、その表示品位的な印象は「キレイだし見やすい」というもの。たとえば静止画を表示させると、十分に色鮮やかで明暗階調もけっこーシッカリ出るし、やはり1024×600ドットという解像度には写真を細部まで見る気にさせる精細さがある。
それとリモコンの快適さ。処理能力があまり高くないためか、モード切替や画像回転/拡大などの処理速度は遅めである。が、リモコンで手軽に扱えるという快適さは、処理速度的なストレスを軽減してくれる。
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表示はこんな雰囲気。デジタルフォトフレームとしての表示品位は高いほーだと感じる | 視野角もわりと広いので、見る角度が少々変わっても暗くなったりしにくい | こんな位置から見てもまずまずキレイに見える |
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リモコン操作時の反応は速くないが、リモコン操作は行いやすい。操作時に現れるメニューも理解しやすい | 静止画表示中に液晶の明るさ/コントラスト/色合いを微調整することもできる | 画面の左上に時刻を小さく表示させることもできる |
ちなみに、写真の1枚表示に加えてスライドショー表示にも対応している。スライドショーは、写真の切り替え時間を5段階、切り替えエフェクトを6種類から選べる。LPF10M01シリーズにはMP3やWMAなど音楽ファイルを再生する機能もあるが、スライドショーを行いながらこれら音楽をBGMとして流すことも可能だ。
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どのようなパターンでスライドショーを行うか、わりと細かく設定できる | 写真切り替えエフェクトの一例 | 好みの音楽を鳴らしながらのスライドショーも可能。プレイリストを作成しての音楽再生にも対応している |
静止画以外に動画の再生も可能なLPF10M01シリーズだが、個人的には本体内蔵スピーカーからの音がちょい残念。ノートパソコンの内蔵スピーカーとかよりはずっとイイ音がするものの、スピーカーサイズの小ささゆえか、音楽を鑑賞できるレベルの音質とまでは行かない。ただ、ヘッドホン出力端子があるので、そこにアクティブスピーカーなどをつなげば、LPF10M01シリーズからのサウンドを十分楽しめるとは思う。
■パソコンのサブディスプレイとして
次にパソコンのサブディスプレイとして。HDMI出力を持つパソコンとしかつながらないが、パソコン側にHDMI端子があれば映像もサウンドも1本のHDMIケーブルでLPF10M01シリーズから出せるのは便利だ。
ともあれ、手持ちのHDMI出力端子付きノートパソコン(DELL Inspiron 1526/Windows Vista/ATI Radeon X1270)にLPF10M01シリーズをHDMI接続。その表示の様子を並べてみる。
当然だが、LPF10M01シリーズの解像度と一致する1024×600ピクセルの表示=ドットバイドットの状態がいちばんキレイ。ただ、それ以上のピクセル数を設定して、つまりウィンドウやアイコンを縮小表示させてもけっこー使える感じではあった。
さておき、やはり10.1型/1024×600ドットのサブディスプレイとなると、去年あたりの小型&やや低解像度USBサブディスプレイのような「こういう用途なら使えなくもない」的な制限が少ない。前回レポートしたLCD-USB10XB-T(http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/stapa/20100802_385000.html)と同様、このLPF10M01シリーズもマルチディスプレイの一部として十分役立つと感じられた。
なお、前回のLCD-USB10XB-Tは2010年8月現在の実勢価格が1万5000円前後。今回レポートしたLPF10M01シリーズの実勢価格は1万8000円前後。その差3000円。ま、ハードウェア的に別モノなんだが、パネルサイズと解像度が同じってんだから、ついつい比べちゃうっていうか比較検討せざるを得ませんな。
ぜひ皆さん各人の価値感で比較したり悩んだりして欲しいわけですけど、オンキヨーのLPF10M01シリーズは、汎用ディスプレイとしては明らかに買いやすい製品だと思う。
一点、額縁が大きいというトコロは、パソコン用サブディスプレイとしても、あるいはAV機器用の汎用ディスプレイとしてもマイナスだと思う。が、HDMI接続でありかつスピーカー内蔵であることは、パソコン用サブディスプレイとしてもAV機器一般向けHDMIディスプレイとしても実用的だし、USBサブディスプレイ全般と比べても大きなアドバンテージと言えよう。
購入の後押し理由として、スタンドアロンのときはデジタルフォトフレーム~マルチメディアプレーヤーとして楽しめる!! てなコトがあるあたりも、なかなか悩ましいLPF10M01シリーズ。パソコン用サブディスプレイも欲しいしデジタルフォトフレームも欲しいなぁと思っている人をクラリとさせる製品だと思われるし、それ以上の活用幅があるLPF10M01シリーズなので、興味アリな人はジックリと吟味してみるといいかもしれない。
2010/8/9 09:27