法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

防水対応にFeliCa搭載、日本のユーザーの期待に応えた「iPhone 7/7 Plus」

 9月7日、アップルは米国・サンフランシスコでSpecial Eventを開催し、iPhoneの新モデル「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Series 2」などの新製品を発表した。

 発表会直後の9月9日からは国内でも予約の受付が開始され、オンラインショップでは早くも数週間待ちと表示されるなど、好調なスタートを切っている。今回、数日間の短い期間ではあるが、iPhone 7とiPhone 7 Plusをひと足早く試用することができたので、スペックなどを確認しながら、レビューをお送りしよう。

ジェットブラックのiPhone 7(左)とブラックのiPhone 7 Plus(右)

市場のニーズを先取りして、期待に応えてきたiPhone

 現在、国内で半数近いシェアを持つiPhone。2008年7月にソフトバンクが「iPhone 3G」を発売し、2011年からはau、2013年からはNTTドコモも取り扱いを開始したことで、着実に支持を拡げ、国内市場に普及してきた。2014年からはアップルストアでのSIMロックフリー版の販売も始まり、MVNOユーザーや海外利用の多いユーザーのニーズにも応えてきている。

 こうしたiPhoneの好調ぶりは、単純に各携帯電話事業者の取り扱いが増えたことだけが要因はない。やはり、世代を追うごとに、ユーザーのニーズにしっかりと応え、ハードウェア、ソフトウェア、サービスのいずれの面においても着実に進化を遂げてきたからだ。

 これまでのモデルを振り返ってみると、背面をラウンドさせた形状が特徴的だったiPhone 3G/3GSでは、スマートフォンの基本形となるデザインを確立し、iPhone 4/4sでは金属筐体を採用し、ソリッドなイメージに仕上げた。画面サイズを4インチに大型化したiPhone 5では、はじめてLTEネットワークに対応し、高速モバイルデータ通信のトレンドをリードし、iPhone 5sで初搭載の指紋認証センサーでは、モバイル環境のセキュリティとユーザビリティを大きく高めている。

 2014年9月には4.7インチディスプレイ搭載のiPhone 6、5.5インチディスプレイ搭載のiPhone 6 Plusという2つのモデルをラインアップすることで、コンパクト指向と大画面指向の両方のニーズに応え、2015年に発売された後継モデルのiPhone 6s/6s Plusでは、3D Touchという新しい操作環境を提案する一方、LTE-AdvancedやVoLTEといった最新の通信技術にも対応し、一段と完成度を高めている。

 こうしてiPhoneは国内外の市場をリードすることに成功したが、これまでの進化の多くは基本的にグローバル市場で求められている共通のニーズに応えたり、将来的に求められることが予想されるものにいち早く対応してきたという印象だ。

 たとえば、iPhone 5で対応したLTEネットワークは、通信環境の進化が著しい日本や米国などではいち早く利用されたが、欧州やその他の国と地域はようやく普及が始まったところだ。同じくiPhone 5で採用されたnanoSIMカードは、発売当初、まだ珍しい存在だったが、小型化に寄与できるなどの理由から他メーカーも採用するようになり、今や標準的な存在になりつつある。

 今回発表されたiPhone 7とiPhone 7 Plusも速報記事や現地レポートでもお伝えしたように、さまざまな新機能が搭載され、ユーザーをワクワクさせるものを実現しているが、これまでのiPhoneと少し違う進化もある。それは「防水」と「FeliCa」への対応だ。

 国内市場で半数近いシェアを持つiPhoneだが、iPhoneを選ばなかったり、iPhoneを持っているものの、従来型のフィーチャーフォンを併用する“2台持ち”のユーザーが多く存在するのも事実だ。こうしたユーザーが求めてきたものが「防水」と「FeliCa」への対応であり、今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusはそういったニーズへのアップルからの回答という意味合いも持つ。それぞれの機能の詳細は後述するが、まさに今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusは『日本のユーザーの期待に応えたiPhone』であり、これを試してみない手はないというのが率直な印象だ。

生まれ変わったiPhone 7とiPhone 7 Plus

iPhone 7

 さて、9月13日に発売されるiPhone 7とiPhone 7 Plusだが、2年周期と言われるこれまでのiPhoneのフルモデルチェンジの間隔から考えると、今回がフルモデルチェンジのタイミングということになるが、基本的な外観のデザインは従来モデルを踏襲している。すぐに見分けられるポイントとしては、背面のカメラ周りと背面下のアンテナ内蔵部の処理くらいだ。ボディサイズはまったく同じで、重量もわずか4~5g程度しか違わないため、目を閉じて、本体を手にしただけでは従来のiPhone 6sやiPhone 6s Plusと区別できないかもしれないくらいだ。

 ところが、実際に各部のスペックや内容をチェックしてみると、実は基本的なデザインを踏襲しながら、まったく別物の新しいiPhoneとして設計されていることがわかる。

 まず、ボディは従来モデル同様、周囲と四つの角に丸みを持たせたデザインを採用し、7000シリーズのアルミニウムによるユニボディで作られている。ただし、カメラ部分の形状は従来のiPhone 6sとiPhone 6s Plusから大きく変わっており、iPhone 7はカメラリング部分がボディと一体化したデザインで仕上げられ、iPhone 7 Plusは広角カメラと望遠カメラを組み合わせたデュアルカメラになっている。

 このカメラ部分の違いにより、iPhone 7、iPhone 7 Plus共に、従来のiPhone 6sとiPhone 6s Plus向けに販売されていたカバー類が利用できなくなる。iPhone 6/6sに販売され、好評を得ていた「Smart Battery Case」も新たにiPhone 7用のものが用意されている。

iPhoene 6s Plus(左)とiPhone 7 Plus。カメラ周り以外の形状はほぼ同じだ

 ボディカラーについては従来モデルからシルバー、ゴールド、ローズゴールドが引き継がれ、新たにブラックとジェットブラックがラインアップされた。ブラックはちょうど日本の「墨」のような美しいマットな仕上がりのブラックで、従来のスペースグレイよりもかなり落ち着いた印象になり、指紋もあまり目立たない。ジェットブラックはiPhone 7とiPhone 7 Plusでもっとも注目度の高いボディカラーで、光沢感のあるブラックとなっている。ピアノや漆塗りのような美しい光沢感で、他の製品とは独特の存在感を持つ。光沢感があるため、指紋が付きやすいが、常に拭いていても使っていたくなる上質感がうれしい。ちなみに、アップルは製品情報は他のカラーに比べ、ジェットブラックは傷が付きやすいため、カバーを装着しての利用が推奨されている。

 ボディの外観で、従来モデルと少し異なるのがホームボタンだ。iPhoneは他のスマートフォンと違い、本体前面にホームボタンのみを備えているが、ホームに戻るときやタスク切り替え、Siriの起動など、さまざまなシーンで利用するため、非常に使用頻度が高い。今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusでは新設計のホームボタンが採用されており、本体とシームレスなホームボタンとして仕上げられている。特徴的なのは実際の操作性で、これまでのホームボタンは押すと、ボタンそのものが沈み込む構造だったのに対し、今回のホームボタンは押してもボタンが沈み込まず、TapticEngineで反応が指先に返ってくるという仕様を採用している。

 この反応の強さは[設定]-[一般]-[ホームボタン]で3段階にカスタマイズすることができる。従来の押し込む構造のボタンとは少し操作感が違うが、すぐに慣れることができた。ホームボタンには従来同様、指紋認証センサーのTouch IDも内蔵されている。

 この新しいホームボタンが採用されたことと、おそらく密接に関係あるのが防水対応だろう。これまでのiPhoneは防水に対応していないため、水没などのトラブルに遭うユーザーが多かったが、iPhone 7とiPhone 7 PlusはIP67の防水に対応しているため、水深1メートルの真水に、30分間沈めた後でも電話として利用できるという基準をクリアしている。

 たとえば、雨の日に通話をしたり、キッチンなどで手が濡れているときでもすぐにiPhoneを使うことができるということは、非常に大きなメリットになる。実際に、水につけてみたり、水滴をつけた状態での動作も確認したが、iPhoneの防水対応は今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusが初めてであり、あまり過信しないことも大切だろう。

 水没したり、水がかかったりしたときは乾いたタオルで拭き、Lightningコネクターに水が入ったときはタオルに向けて、軽くトントンと叩くようなことをして、しっかりと水分と取ってから利用する方が確実だ。また、SIMカードスロットのトレイもきちんと本体に固定されていることを確認するなど、十分に注意したうえで、使うようにしたい。

 ディスプレイについては、従来のiPhone 6sとiPhone 6s Plusと同じように、iPhone 7が4.7インチ、iPhone 7 Plusが5.5インチのRetina HDディスプレイを採用する。どちらも解像度や対角サイズなどは同じだが、実際に端末を並べてみると、一段と輝度が高くなっていることがわかる。スペック上では輝度が25%アップいるとのことだが、視覚的にも十分にわかるレベルの違いだ。輝度以外のコントラスト比などの仕様は従来モデルと同じだ。

 また、iPhone 6sとiPhone 6s Plusなどの従来モデルは、sRGB規格対応の色域だったのに対し、iPhone 7とiPhone 7 Plusは広色域ディスプレイを採用しており、色鮮やかな映像なども楽しむことができる。今回の試用ではあまり適切なシーンを見なかったが、Special Eventのハンズオンコーナーで見たときのサンプル写真は非常に美しく、明確に色味の違いがわかるレベルの差があったという印象だ。

FeliCa搭載でSuicaやQUICPay、iDが利用可能に

 今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusのハードウェアで、もうひとつ注目すべき点は、やはり、FeliCaの搭載だろう。これまでiPhoneは非接触ICについて、NFC準拠のType A/Bを搭載し、米国などでは非接触ICによる決済サービス「アップル Pay」なども展開してきた。これに対し、国内ではFeliCaが広く利用されており、各携帯電話会社はフィーチャーフォンの時代から「おサイフケータイ」として、サービスを展開してきたが、NFC準拠のType A/Bと互換性がないため、iPhoneではFeliCaを利用した各種サービスが利用できない状況にあったわけだ。

 なかでも交通機関のサービスとして、国内で広く利用されているJR東日本のSuicaのおサイフケータイ版「モバイルSuica」は非常に利用者が多く、モバイルSuicaが手放せないため、iPhoneを使いたくても移行できなかったり、FeliCaを搭載したフィーチャーフォンやAndroidスマートフォンを持ちつつ、iPhoneを利用するといった“2台持ち”をするユーザーも多く見受けられた。Androidスマートフォンでは、FeliCaとNFC準拠のType A/Bに両対応することで、利用できる環境を拡大してきた。

 今回のiPhone 7とiPhone 7 PlusはFeliCaが搭載されたことで、これまで国内で各店舗などに設置されてきたFeliCaのリーダーライターを使い、アップル Payのサービスが利用できることになる。具体的には、QUICPayとiDのサービスが利用できるところで、アップル Payが利用できるようになるという。

 さらに、SuicaについてはSpecial Eventのレポートでも触れたように、JR東日本がiPhone 7とiPhone 7 Plusで動作する新しいSuicaのサービスを構築し、10月下旬からサービスが開始される。新サービスでは、既存のプラスチックカードのSuicaをiPhoneで読み取り、iPhoneで交通機関を利用するといった使い方もできる。ちなみに、アップル Payの決済サービスでは指紋認証センサーでロックを解除した状態で、リーダーライターにかざすが、Suicaについては1分間に60人が通過できるという厳しい条件があるため、決済サービスとは別のしくみが適用され、ロック解除をしない状態でも改札を通過できるようになる見込みだ。

 ところで、国内で販売されるiPhone 7とiPhone 7 PlusにはFeliCaが搭載されているが、海外についてはFeliCaが搭載されず、事実上の日本専用モデルとなっている。この点について、「アップルはわざわざ日本専用モデルを作らなければならなかった」といった見方をする向きもあるが、これは必ずしも正しい認識とは言えない。というのもFeliCaは国際規格として認められ、将来的に海外で販売されるスマートフォンにもNFC準拠のType A/Bと同じように搭載される可能性があるからだ。

 NFC準拠のType A/BとFeliCaは同じ非接触ICでありながら、互換性がないとされているが、JR東日本がNFCの業界団体であるNFCフォーラムに参加し、さまざまな議論やアピールを重ねたことで、FeliCaが非接触ICの「Type F」として認められ、国際規格に組み入れられている。そして、携帯電話の標準化団体として知られるGSMAもNFCフォーラムでの規格化を受け、2017年4月以降に発売されるNFC準拠のType A/Bだけでなく、Type F(FeliCa)も搭載するように働きかけていくという方針を打ち出している。いわば、iPhoneはそれを先取りして、日本国内向けのiPhone 7とiPhone 7 Plusに搭載したという意味合いになる。現時点ではまだ何とも言えないが、もしかすると、来年以降に発表される次期iPhoneでは、日本向けiPhone 7とiPhone 7 Plusと同じように、世界共通モデルとして、FeliCaが搭載されることになるかもしれない。

 話は少し脱線したが、FeliCa搭載とアップル Payについては、実際にサービスが開始された時点で、改めて内容を解説したい。

暗いところに強くなったカメラ

 誰でも手軽に利用できるiPhoneだが、iPhoneに搭載されている数ある機能の中で最も多くの人が使い、なおかつ評価しているのがカメラ機能だ。ここ1~2年、スマートフォンのカメラの進化は著しいが、iPhoneも新モデルが登場するたびに強化され、確実にキャッチアップしてきている。こういう表現が適切かどうかはちょっと微妙だが、個人的にiPhoneのカメラは「誰が撮ってもソツなくキレイに撮れる」という印象を持っており、これまでに搭載されてきたタイムラプスやスローモーションなどの撮影機能も実用的で、スマートフォンのカメラとしては満足度が高いレベルにあると見ている。

 とはいえ、最近の暗いところでの撮影に強いスマートフォンが増えてきており、そろそろiPhoneのカメラ機能の強化も期待したいところだったが、今回のiPhone 7ではその要求を上回るカメラ機能を実現してきた印象だ。

 まず、iPhone 7は12メガピクセルのイメージセンサーを採用し、F値1.8の6枚構成のレンズ、光学手ブレ補正、A10 Fusionチップに内蔵されたISP(Image Signal Processor/画像処理エンジン)を組み合わせることにより、暗いところでも美しい写真や動画を撮影できるようにしている。背面のカメラ部の隣には4つのLEDを組み合わせた「クアッドLED True Toneフラッシュ」が搭載されており、周囲の状況に合わせ、最適な色と明るさで光らせることで、自然な写真を撮影することが可能だ。

iPhone 7 Plusのカメラ周り

 そして、iPhone 7 Plusには背面を見てもわかるように、非常にユニークな2つの12メガピクセルのカメラを組み合わせたデュアルカメラが搭載されている。スマートフォンのデュアルカメラはこれまでにもいくつかのメーカーで採用されてきたが、iPhone 7 Plusに搭載されているカメラは構造的にも少し違った方向性で、アップルらしいユニークなカメラとして仕上げられている。

 2つのカメラのうち、片方は広角カメラ、もう片方は望遠カメラとして設計されている。カメラを起動すると、ファインダーには広角カメラによる映像が映し出されるが、画面中央下の「1x」と表示された部分をタップすると、望遠カメラによる2倍の大きさの映像が映し出される。さらに、この状態で左方向に円を描くようにスワイプすると、画質の劣化を抑えたズームが可能で、この組み合わせにより、最大10倍まで拡大することができる。

 ちなみに、iPhone 7 Plusの2つのカメラは撮影に応じて、いずれか片方のカメラのみを利用しているわけではなく、それぞれのセンサーで得られた情報を組み合わせることで、最終的な写真を生成しているという。スマートフォンのカメラはズームをすると、画質が荒れてしまったり、本体が大きくなってしまうなどの制約があったが、iPhone 7 Plusのカメラは光学ズームでレスポンスも早く、画質の劣化も抑えられているため、今までよりも格段に楽しい写真を撮ることができる。カメラを存分に楽しみたいのなら、iPhone 7 Plusを選びたいところだ。

 また、今回試用したモデルではまだ実装されておらず、年内にもバージョンアップで対応する予定だが、被写界深度を変更し、ポートレートなどでは被写体となる人物だけを際立たせ、周辺をボケさせる「被写界深度エフェクト」も実装される。

撮影サンプル(iPhone 7)
撮影サンプル(iPhone 6s)
撮影サンプル(iPhone 7 Plus)
撮影サンプル(iPhone 6s Plus)

エンターテインメントが楽しい!

 iPhoneはSoCとして、従来からアップル独自のチップが搭載されてきているが、今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusには新開発の「A10 Fusionチップ」が搭載されている。従来のiPhone 6sとiPhone 6s Plusに搭載されていたA9チップがデュアルコアだったのに対し、A10 Fusionチップは高性能コアと高効率コアを2つずつ組み合わせたクアッドコアで設計されており、パフォーマンスが必要なときは高性能コア、メールなどの軽い処理のこときは高効率コアを使うことで、バッテリーの消費を抑えている。

 A10 Fusionチップの高性能コアはiPhone 6に搭載されていたA8チップの2倍のパフォーマンスを持ち、高効率コアは高性能コアの1/5の電力で動作するという。明確に示されてはいないが、ARMのbig.LITTLE技術と同じような仕組みで動作しているのだろう。バッテリー駆動時間の延長にも寄与しており、iPhone 7はiPhone 6sに比べて2時間、iPhone 7 PlusはiPhone 6s Plusに比べて1時間延びている。

 実際の利用でも画面右上のバッテリー残量の減り方は少し緩やかな印象だ。ちなみに、A10 Fusionチップはグラフィックス性能も高められており、iPhone 6に比べ、3倍の性能を実現しているという。Special Eventでも言及されていたが、iOSはゲームプラットフォームとしてもかなり強いポジションにあり、より高度なゲームを楽しみたいのであれば、やはり、最新のiPhoneがベストチョイスということになる。

 こうしたゲームなどのエンターテインメントコンテンツを楽しむとき、iPhone 7とiPhone 7 Plusが有利なのは、ステレオスピーカーを搭載したことだ。音量も従来のiPhone 6sの約2倍に強化されている。後述するイヤホンマイク端子の廃止とも関わりがあるが、本体の上部(レシーバー側)と下部(Lightning端子側)の両方にスピーカーを内蔵しており、iPhoneを横向きに持てば、拡がりのあるサウンドを楽しめる。ちなみに、ゲームなども楽しいが、意外に効果的だという印象を持ったのが映画やドラマなどの映像コンテンツで、なかでもiPhone 7 Plusは大画面で迫力ある映像を楽しむことができる。

iPhone 7(上)とiPhone 6s(下)の底面

 さて、サウンド関連でひとつ気になるのがステレオイヤホン端子の廃止だろう。iPhoneに限らず、おそらく一般消費者が利用するスマートフォンや携帯電話、音楽プレーヤー、ビデオプレーヤーのほとんどに備えられている3.5φのイヤホン端子がない。その代わり、パッケージにはLightningコネクターに直接、接続するアップル製イヤホン「EarPods」が同梱されており、これを使えば、音楽再生も音声通話も利用することができる。どうしても自分が持っているお気に入りのイヤホンやヘッドホンを使いたいときは、Lightningコネクターと3.5φの変換アダプターも同梱されているので、それを使う。

 ちなみに、このステレオイヤホン端子がなくなったことについては、いろいろと賛否両論が語られているが、Special Eventではフィル・シラー氏が「元々、Lightningコネクターを作るとき、デジタルオーディオのためのインターフェイスとして利用することを考えていた。イヤホンジャックは交換手が電話をつなぐ大昔から利用されていたもので、今の時代に合うものに置き換えようと考えた」と話していた。イヤホンジャックやアナログで接続することを否定するものではないが、確かにこの説明を聞くと、少し納得ができそうな印象だ。

 ちなみに、Lightningコネクターに接続するイヤホンやヘッドホンは、BeatsやJBLなどからも販売が予定されているので、これを機に購入を検討してみるのもいいだろう。同時に、既存のイヤホンジャックのイヤホンやヘッドホンを利用したいユーザーは、パッケージに同梱の変換アダプターだけでなく、おそらく今後、数多く出回ることが予想される市販品を入手して、イヤホンといっしょに持ち歩くといいだろう。

Lightningコネクターに接続するイヤホンが同梱される。3.5φの変換アダプターも利用できる

 また、もうひとつの手段として、活用したいのがBluetoothだが、今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusに合わせ、アップルでは新しいアクセサリー「AirPods」を発表した。AirPodsはBluetoothを利用したワイヤレスヘッドセットで、ケース内には独立した右耳用と左耳用が格納されている。これをそれぞれの耳に装着すれば、iPhoneで流れる音楽や音声通話、Siriへの話しかけなどが利用できるわけだ。

 AirPodsのイヤホン部分は光学センサーと加速度センサーが内蔵されており、耳に装着すると、効果音が鳴り、装着したことを認識する。たとえば、両耳に装着して音楽を聴いているとき、片耳を外すと、iPhoneの音楽再生が停止し、装着すれば、音楽再生が再開するという使い方ができる。イヤホン部分にはマイクも内蔵されているので、片耳だけ装着して、普段の音声通話用として活用することも可能だ。筆者はこれまでいくつかのBluetoothヘッドセットを利用してきたが、そのほとんどが「ワイヤレスであること」だけを重視していたのに対し、AirPodsはセンサーを利用して、動作を制御するなど、今までのワイヤレスヘッドセットとはまったく異なるユーザビリティを実現している。非常にユニークな製品であり、iPhone同様、発売が楽しみな製品だ。

AirPods

日本のニーズにも応え、生まれ変わった史上最強のiPhoneは「買い」!

 国内市場において、市場の半数近いシェアを持つiPhoneは、常に安定した人気を保ち、国内ではスマートフォンの定番的な存在を維持し続けている。一般的に、こうした安定した人気を持つ商品は、どうしても保守的になり、新しい取り組み、新しいイノベーションを起こしにくくなり、市場へのインパクトが薄れるものと言われているが、今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusはそんなことをまったく感じさせない仕上がりだ。防水やFeliCa対応をはじめ、新しいホームボタン、iPhone 7 Plusの2つのカメラ、Lightningコネクターを利用した新しいサウンド環境など、新しいチャレンジに満ちあふれており、今までのどのiPhoneよりもワクワクするモデルという印象だ。

 よく人々が使う製品について、「最良の○○は最新の○○」といった表現が使われることがある。今回のiPhone 7とiPhone 7 Plusは、最新モデルであり、当然のことながら、最良のモデルと仕上げられているのだが、その内容を見てみると、デザイン機能、ユーザビリティなども含め、「史上最強のiPhone」と呼ぶべき存在と言えそうだ。防水やFeliCaなど、日本のユーザーだからこそ、その価値がわかるものも多く、ぜひ、そのポテンシャルを最大限に引き出して、活用したい一台と言えるだろう。

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法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 8.1」「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-06E スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」「できるポケット+ GALAXY Note 3 SC-01F」「できるポケット docomo iPhone 5s/5c 基本&活用ワザ 完全ガイド」「できるポケット au iPhone 5s/5c 基本&活用ワザ 完全ガイド」「できるポケット+ G2 L-01F」(インプレスジャパン)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。