みんなのケータイ
2カ月撮りまくってわかったXperia Zのカメラ性能
【Xperia Z SO-02E】
石野純也
(2013/4/9 06:00)
「Xperia Z SO-02E」には、ソニーが新たに開発した「Exmor RS for mobile」というセンサーが搭載されている。積層型の構造を採用し、サイズがコンパクトになった上に、裏面照射型のため暗所に強いのが特徴だ。
シーンを自動で認識して、最適な設定で撮影できる「プレミアムおまかせオート」の機能も、過去の機種より強化された。認識するシーンには「赤ちゃん」や「スポットライト」が加わり、合計で36パターンの設定に対応している。メモリーが尽きるまで無限に連写できたり、動画と静止画を切り替える必要なく撮影できたりするのも、Xperia Zのカメラの魅力と言えるだろう。
カメラのスペックや機能をざっと紹介すると、以上のとおりだ。では、実際、そのカメラでどのような写りになるのか。Xperia Z購入から2カ月、出張やご飯のときなどに撮りためた写真で、仕上がりを見ていこう。作例として意識して撮ったものではないが、そのぶん、普段使いでの実力がわかるはずだ。なお、スマートフォンのカメラは、オートで手軽に撮れることが重要というのが筆者の考えだ。よって、ここで撮った写真の数々は、すべて「プレミアムおまかせオート」をオンにした状態にしてある。
まずは、筆者が機種変更するたびに、必ず撮ることにしているつけ麺の写真を見ていこう(というと大げさだが、よく食べるというだけのこと)。メニューや構図は若干異なっているが、同じシチュエーションに固定しているため、カメラの実力差をつかみやすい。薄暗く、機種によっては、フラッシュなしで撮ると、手ブレしたり、感度が上がりすぎてノイジーになってしまったりする、室内での撮影となる。左が「HTC J butterfly HTL21」、右がXperia Zで撮った写真だ。
両者やや手ブレしているが、比較すると、Xperia Zの写真に軍配が上がる。色味はどちらかというとHTC J butterflyがあっさり目なのに対し、Xperia Zは良くも悪くも派手な仕上げになっている。好みにもよるかもしれないが、個人的にはXperia Zの写真の方がキレイだと感じる。
同様に、暗所に強いExmor RS for mobileを採用しているだけあって、Xperia Zは総じて室内での撮影に秀でている印象を受ける。FacebookなどのSNSで人気の出やすい(「いいね!」されやすい?)、食事の写真を撮るには最適と言えるかもしれない。明りが少ない飲食店でここまでの仕上がりになれば、スマートフォンなら十分だ。以下に異なるシチュエーションで撮った料理の写真を並べてみたので、カメラの性能をチェックする際の参考にしてほしい。
では、明暗差の大きい夜景はどうだろう。スマートフォンにとって、厳しいシチュエーションで、カメラの性能が高くないと暗い部分にノイズが多くなりがちだ。結果は次の通りとなる。
屋内の料理や夜景がこれだけキレイなら、当然、屋外では申し分ない写真が撮れる……と思いきや、実はそうでもなかったというのが率直な印象だ。晴れている屋外で風景や建築物を撮ると、空のノイズが少々目立つ。それより気になるのが、逆光時の仕上がりだ。プレミアムおまかせオートには逆光補正の機能も入っており、逆光と認識されると自動的にHDRでダイナミックレンジを広げようとする。理屈上はそうなっているが、補正がかかってもかなり暗い写真になってしまう。この辺りには、まだソフトウェアを改良する余地があるのかもしれない。
一方で、屋外での接写を試してみたが、こちらはなかなかの仕上がり。背景もキレイにボケてくれる。フォーカスはタッチで合わせられるので、操作も簡単だ。
以上が、Xperia Zで数百枚撮った中からセレクトした写真の数々だ。昼間の風景写真の仕上がりには少々不満はあるものの、スマートフォンのカメラとしてはかなり優秀と言えるだろう。
ただ、正直なところ、Xperia Zの画面で見たときの方が感動は大きかった。購入直後にカメラを試したときは、「コンデジ並み!!」と驚いたことも覚えている。しかし、その写真をFacebookやTwitterにアップしてPCで確認すると、どうも様子が異なる。
後で気づいたことだが、この差は、Xperia Zに搭載されている「モバイルブラビアエンジン2」によるものだ。輪郭がクッキリしていて色もより鮮やかなのは、閲覧時に映像が補正されていたからで、写真そのものがそうだったわけではない(とは言え十分キレイだが)。その意味では、下手なPCで見るより、Xperia Zや、同じ機能を搭載する「Xperia Tablet Z」などをフォトビューアーにした方がいいのかもしれない。