みんなのケータイ
年明けからの海外取材でもiPhoneばかり使ってた
【iPhone 5】
白根雅彦
(2013/3/13 06:00)
1月のCES(ラスベガス)、2月のMobile World Congress(バルセロナ)と年明けから1週間超えの海外イベント取材が続いていた。バルセロナからの帰路では、乗り継ぎ地のロンドンでストップオーバーし、3日ほど観光もしたので、滞在国は3カ国になる。
正直に言うと、筆者はあまり英語は得意でないし、海外旅行は不慣れかつ不得意だ。しかし、今どきはスマートフォンがあれば、どこでも調べ物なり連絡なり翻訳なりができるので、不慣れな海外滞在時の大きな助けになってくれる。
国内の契約のまま海外でデータ通信を行うと、だいたい1日あたり1980~2980円の料金がかかる。上限があるだけマシなのだが、それでも1週間とかの滞在だと結構な金額となる。そうなると、SIMフリーの端末(どのキャリア契約のSIMカードでも使える端末)を用意し、現地でプリペイドSIMカードを調達した方が良い。
筆者の場合、海外渡航中波、日本からの電話を受けるためのauのiPhone 5と海外用のSIMフリーのiPhone 5(シンガポール版)、つまり2台のiPhoneを併用している。iPhoneに慣れていることもあるが、iPhoneは全世界でほぼ同じ仕様・ソフトウェアなので、SIMフリーでありながら日本と現地両方の言語・ソフトウェア・サービスを利用しやすいのもポイントだ。
プリペイドSIMカードの購入方法や利用方法、料金制度は、国やキャリアによってさまざまだ。多くの場合、店頭でパスポートなどを提示する必要がある。買った後、回線開通までにアクティベーションの手続きが必要なこともあるので、可能ならば店頭でアクティベートしてもらうのが確実だ。
1月のラスベガスでは、T-Mobileの1日3ドルのプリペイドを利用した。1日200MBまでが速度無制限で、それ以後は速度制限がかかる。ラスベガス滞在は9日間だったので、30ドル(約2900円)をチャージすれば十分だった。
購入したのは、アメリカの大手家電量販店BestBuyの店頭。iPhone 5で使いたいと言うと、カウンターの奥からNano-SIMカッターを持ってきて、その場で切ってくれた。SIMカードが貸与扱いの日本と異なり、海外では簡単に切ってくれる。
2月のバルセロナでは、Movistarの1週間3ユーロのプリペイドを利用した。1週間100MBまでが速度無制限で、それ以後は速度制限がかかる。こちらはSIMカードと10ユーロのチャージをあわせて12.39ユーロ(約1500円)とかなり安かった。データ量制限は2日ほどで使い切ってしまったが、速度制限がかかっても、速度低下はあまり感じられなかった。
MovistarのSIMカードは、バルセロナ市内のショッピングモールにあるMovistarショップの店頭で購入した。「Nano-SIMに切っても使えないと思うよ!」(意訳)と店員に言われたが、試しに購入してその場で自前のカッターで切ってみたところ、iPhone 5で動作させることができ、その場でiPhone 5を使ってアクティベーションをしてもらえた。
バルセロナのあとに寄ったロンドンでは、3(スリーという香港ハチソン系のキャリア)の1カ月20ポンド(約2900円)のプリペイドを利用した。速度制限などはとくになく、無料通話やSMSも含まれている。
実はこのプリペイドSIM、往路のロンドンでの乗り継ぎ時、ヒースロー空港からガトウィック空港に移動する間に購入した。というのも、イギリスではプリペイドSIMの購入が簡単で、とくにヒースロー空港はチェックインした荷物の受け取り場所(Baggage reclaim)にSIMカードの自動販売機があり、荷物が出てくるまでの買えたからだ。
自動販売機では各キャリアのカードが販売されていたが、3はNano-SIMで販売していた。自前のカッターは持っていたが、確実に動作する保証があるのがありがたい。しかも20ポンドは自販機のラインナップ中では安い方で、オマケとしてMicro-SIM、通常サイズSIM(Mini-SIM)への変換アダプターまで付いているという、なかなか盛りだくさんなパッケージだ。使うのも簡単で、アクティベーションコードの入力なども必要なく、ただiPhone 5に挿入するだけで使えてしまった。
イギリスのプリペイド事情がちょっと特殊なのだとは思うが、やはり24時間いつでも、会話の必要もなくプリペイドSIMを買える自動販売機は便利だ。せめてデータ専用のSIMカードだけでも、自動販売機で買えるシステムがほかの国にも普及して欲しいところだが、なかなかそうもいかない。現状、海外でプリペイドSIMを利用するのは、日本人にとってはいろいろとハードルが高いところだが、それでも1週間以上の滞在の際には、現地プリペイドの利用を検討してみると良いだろう。